表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
334/442

334話:結婚式、昼

結婚式が終わった後、ここでこのままお食事会。

ウェディングドレスが汚れてしまうかもしれないからと、新婦さんはウェディングドレスからパーティ用の普通のドレスに着替えてる。新郎さんも真っ白のタキシードから普通のスーツに着替えなおしている。これがいわゆるお色直しというやつなのかな。


「そういやユッチってもうすぐ叔母さんになるって話、前にしたじゃん」


「その話をするなあ!」


うわ、めっちゃ顔が赤くなった。ユッチにとって叔母さんというセリフはタブーみたい。だが、どんなにユッチが怒ろうが、もうすぐ叔母さんになるには違いない。これからもこのネタでユッチをからかおうと俺は思っている。


「んでもうすぐ叔母さんになるユッチが今日の夕飯でコックをつとめるんだよな?」


「だから叔母さんって言うなあ! ……あ、そうだよお。今日の夕飯はボクがコックなんだあ。それがどうかしたあ?」


「いや、何を作るつもりなのかなあって思って」


あ、さっきまで怒っていた顔がすごくうれしそうな顔に変わった。ころころと表情が変わるやつだなあ。


「ふっふ、よく聞いてくれたあ! 聞いて驚くなよお! 今日はボクフルコースを作るつもりなんだからあ!」


ふむふむ、フルコースか……。フルコースといえば、前菜、スープ、魚料理、肉料理、デザートと順番に出てくる料理だよな。一品一品を手間ひまかけて作らなきゃいけないんだから、結構大変なはず。……ユッチのやつ、なかなか手のこんだものを作るみたいだな。


「最初の前菜はきのこと鳥のササミを使って、あっさりとオリーブオイルのドレッシングを使ったサラダを作るんだあ」


「ふーん、そうなんか」


想像してみたら、意外とうまそうだ。今度作ってみよ。


「ヤスう! もっと驚いてよお!」


どっちやねん、驚けばいいのか? 驚いちゃいけないのか?


「まったくもお。それでそれで、次に出てくる料理はコーンスープを作ろうと思ってるんだあ」


……おし、んじゃ今回はユッチのリクエストどおりとりあえず驚いてみよう。


「うっわあ、すっごいなあユッチ! コーンスープなんてなっかなか出来ねえよ! さっすがユッチ、すごいぞユッチ、びっくりだユッチ、天才だなユッチ!」


おお、我ながら完璧な驚き方。これだけ驚けばユッチも満足だろ。


「……サツキちゃん、なんかものすごくイラってきたのはボクだけかなあ?」


「大丈夫です、私もなんだかとてもイラってきました。後でヤス兄を2人で殴っときましょう」


「うんうん! そうしよ!」


何でやねん!? 驚けって言ったから驚いたんじゃないか! 何か悪いことを俺はしたか!?

ふう……人間ってのは難しい。お、最初の料理がきたみたい。


「お待たせいたしました、本日のオードブル、きのこと鳥のササミのサラダでございます」


「…………」


「…………なあユッチ、俺、今ものすごく驚いたよ」


「ヤスう、絶対に驚く瞬間が間違ってるだろお!」


や、そんな事言われても。ユッチが作るつもりだったものがそのまんま出てきたらやっぱりびっくりするだろ。しかし、プロの料理人と料理対決したら、ユッチがどんなに料理が得意でも勝てないよなあ……こうなったら何か別の料理を考えないとだな、ユッチ。


「ってかユッチさあ、昼にコース料理を食べるのに、夜にもフルコースを作る必要はないんじゃないのか?」


「う、うるさいなあ! ボクお昼がコース料理だなんて知らなかったんだから仕方ないだろお!」


……そこは知っとけよユッチ。今は同じ家に住んでんだから。


「ってかさ、フルコースなんて作ってたら、ユッチ台所に缶詰じゃん。せっかくのお祝いの場に参加できないじゃん。フルコースは別の機会にしてさ、もっとお手軽料理にしたほうがええんじゃない?」


「あ、ええとお……それはそうだねえ。けどさあ」


ん、何かまずいことでもあんのか?


「ユッチってトオルお兄さんと仲良くないのか?」


「ううん、そんなことないよお? ボクおにいちゃん大好きだもん」


ええなあトオルお兄さん……サツキも時々こんなセリフ言ってくれないかなあ……チラッとサツキを見たら、にこやかにアッカンベーってされた。どうやら何があろうとそんなセリフを言ってくれるつもりはないらしい。くそお、たまには言ってほしいなあ。


「じゃあ、ちょっとくらい結婚式で何やるか聞きゃいいのに」


「あ、うん。そうだったんだけどねえ……」


……なんか歯切れ悪いな。また心に何かを溜め込んでいるようだユッチのやつは。そんなに1人で抱え込んでないで、誰かにぶっちゃけちゃえばいいのに。


「ヤス兄ってば、そんな風にユッチ先輩を責めちゃダメだよ。もっとユッチ先輩の気持ちになって考えてあげないと。ユッチ先輩、久しぶりにお兄さんに会って緊張してたんですよね?」


「う、うん。そ、そうなんだあ!」


残念サツキ、外したみたいだぞ。ユッチが悩んでいるのはそのことじゃないようだ。人の気持ちになって考えるって事ほど難しい事はないもんだ。

まあ、いつかどこかでユッチが言ってくれるのを期待しつつ、でてきた2品目のコーンスープをすすっていよう。

……ユッチ、かぶりすぎだぞ。

こんばんは、ルーバランです。


最近天気予報が外れすぎです。日本の天気は当てにくいといいますが、もうちょっと精度を高めてほしいと思います。


それでは今後ともよろしくです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
うそこメーカー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ