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330話:結婚式、朝

今日は1月18日日曜日。

ユッチのお兄さんと、その婚約者さんとの結婚式。今は自宅で出発の準備をしてるところ。


「なあサツキ、俺らってどんな格好してけばいいと思う?」


やっぱりなんかフォーマルな格好をしたほうがいいんだろうか?


「別にいいんじゃない? 来るのはユッチ先輩の家族とお相手のご家族だけなんでしょ? そんなかしこまる必要ないよ。いつもと同じ格好、いつも同じ顔で行けばいいんじゃない?」


……サツキ、どんなに頑張っても顔は変えられないっす。


「逆にそんなかしこまった格好で言ったらヤス兄と私、浮いちゃうかもよ」


……ふむ、それは一理ある。確かにサツキの言うとおりだ。


「そもそもヤス兄ってフォーマルな服なんて持ってるの?」


……持ってないな。言われてみればその通り。格好のつけようがなかった。ま、カジュアルだけどそれなりの格好、そんな感じで適当にやっていこ。


あ、そだそだ。父さん母さんからご祝儀として持ってけーと、手元には自分とサツキの分、計2万円。これも持っていかないとな……ってかご祝儀ってたっかいなー。2万円は少な目とか母さんに聞いた。将来、自分の友達とかに結婚ラッシュされたら、たまったもんじゃなさそうだ。

ええと……ご祝儀袋、俺の分とサツキの分と、2つに入れればいいんだろか? それとも連名でひとつの袋に入れてしまえばいいんだろか? ……もうちょっとちゃんと母さんに聞いとけばよかった。まだ今日は父さんと母さん、スーピーと眠ってるしなあ……起こすのも悪いよなあ。


「ヤス兄、何そんなに悩んでるの?」


「や、こういうのって家族まとめて入れるもんなんかな? それとも俺とサツキばらばらで渡すもんか?」


「この前お母さんから聞いたら、一緒に入れるもんって言ってたよ?」


……そうなんか、知らなかった。いやあ、サツキが知っててくれて助かった……それにしても、イベントごとって参加するだけでもいろいろ考えなあかんのだな。







という訳でユッチの家に到着。インターフォンを鳴らしてユッチが出てくるのを待つ。


「おっはよお! ヤス、サツキちゃん、待ってたよお!」


「おはようございます! ユッチ先輩」


「おはようさん、ユッ……チ?」


あれ? ……見間違えたかな?


「な、なんだよおヤスう? そ、そんなに似合ってないかなあ?」


や、変って言うか……めっちゃかわいいっすよ? ってかびびったあ……声を聞かなかったらユッチだってわかんなかったかもしんない。それぐらい今日のユッチは綺麗に見える。

いつもとは違った格好の、ドレスアップしたユッチが俺とサツキを出迎えてくれた。

ピンク色のワンポイントで胸のところに小花の刺繍がついたドレスを着ているユッチ……普段は私服を見ると言ってもジャージ姿かトレーナー姿みたいな姿しか見ないから、ドレスを着たユッチがめっちゃかわいく見える……。


「ヤスう、黙ってないでなんか言ってよお」


「ああ……ごめんごめん、めっちゃ似合ってる、綺麗だぞユッチ」


……ほんとに綺麗に思ったのでいつもなら悪態をついてしまうのに、素直に口から出てきた。


「えへへえ……ありがとヤス」


「ほんとに似合ってますよ、ユッチ先輩」


「ありがと、サツキちゃん! ずっと前にお姉ちゃんが買ってくれてから、一度この服着てみたかったんだけど、こういうときしか着る機会ないからさあ、ちょっと着てみちゃったんだあ……似合ってるかどうか自信なかったんだけど、褒めてもらえてよかったあ」


そんな心配せんでも。


「ま、何はともあれ今日は呼んでくれてありがと……なあ、今更なんだけど俺らってほんとに参加していいもんなのか?」


俺とサツキ以外はみんな身内って思うと、いまだに場違いな気がして仕方がない。


「そんなの気にしない気にしない。おとうさんもおかあさんもぜひって言ってたよお」


……そう言われても。


「それにね、ヤスとサツキちゃんいないとちょっと困ることもあるから大丈夫なんだあ」


困ること? なんじゃらほい?


「あ、それよりサツキちゃん、サツキちゃんもドレス着てみる気あるう? おねえちゃんのお下がりになっちゃうけど」


何が困るのか聞けないまま別の話題になってしまった……まあそう気にする必要もないか。


「え、いいんですか!?」


「もっちろん! もうおねえちゃん全く着なくなっちゃった服が1着あるんだけど、そのまま着ないでおいたらドレスがもったいないじゃんかあ。サツキちゃんだったらすっごく似合うと思うよお!」


「あ、着ます着ます! 絶対着ます! やっぱり結婚式みたいなときにはドレス着てみたいですよねー」


「うんうん!」


おいサツキ! お前ユッチの家来る前に『フォーマルな格好してったら浮くからやめろ』って言ったじゃん! 何でここへきて180度意見が変わるんだよ!?


「それじゃ時間もないし早速着替えよお!」


「オー! それじゃヤス兄、また後でね」


そう言って家の中に消えていった2人……なあ、もしかして俺だけこの普段着で結婚式に出席することになるのか?

勘弁してくれよ……。

こんばんは、ルーバランです。


結婚式に出席したことがないのに結婚式の話を書こうという暴挙に出てしまいました。


それでは今後ともよろしくです。

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
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