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327話:お呼ばれ

今日は1月14日水曜日。今はもう部活が終わり、電車の中。ユッチとサツキとのんびりと帰ってるところ。

いつも一緒に帰ってるケンは今日はどっかより道するところがあるらしい。アオちゃんは誰か別の人と待ち合わせがあるんだとか。


「ヤスとサツキちゃんさあ、来週日曜日、1月18日にボクのおにいちゃんの結婚式やるんだあ」


「あ、そうらしいですね。おめでとうございます」


「ってかユッチ、お前の兄さんって会社員だろ? 大阪のどっかの企業に勤めてて、いまだにこっちでゴロゴロしてるって大丈夫なんか?」


父さん母さんが出勤し始めてからもうかれこれ1週間以上経ってる。1週間以上も連続で休み続けるなんてできんだろか?


「大丈夫らしいよお? 『あいつが結婚できたのか!?』ってみんながみんな大喜びらしくてさあ、会社全体でおにいちゃんの結婚をお祝いして毎日酒盛りしてるんだってえ」


どんな会社だよ、どんだけ酒好きが集まってんだ!? 大丈夫かよその会社!?


「おにいちゃんの部下だけ悲鳴を上げたらしいけど」


……ご愁傷様です。


「それで、結婚式っていっても、全然結婚式みたいじゃない結婚式なんだよお」


「どゆこと? 葬式みたいな結婚式でもやんのか?」


「そんなわけないだろお! 誰がそんなお先真っ暗な結婚式をやりたがるかあ! ヤスのバカあ!」


や、前になんとなくカレンダーみたら1月18日って仏滅だったんだもん。あえて仏滅の日を選んだのはなんでなんだろうと思って。


「んじゃ散歩道がバージンロード、野外ステージが教会代わり、会場は原っぱ。参列者はたまたま公園に遊びに来ていた人全員。どこまでもオープンにがモットー。野外結婚式とか?」


「あほかあ!」


……意外と真面目に考えたのに。あ、でも雨が降ったらどうしようもなくなっちゃうな。


「んじゃ、山小屋がお色直しの部屋。山上で御来光を見ながら新郎新婦の誓いのキス。誓うのは神様にでもなく、参列者でもなくお天道様。乾杯の中身は富士山のバナジウム天然水。登山結婚式」


「そんなことやったらウェディングドレスがぼろぼろになっちゃうだろお! ヤスのバカあ!」


つっこむところはそこじゃないと思う。


「ごめんごめん、んで結局何の話だったっけ?」


「え、ええとお……ヤスが変なことばっかり言ってるから忘れちゃったじゃんかあ」


それは俺のせいじゃない。そういうのを責任転嫁というんだぞユッチ。


「ええとお……あ、思い出したあ! ちゃんとした結婚式やろうとしたら、1週間前から準備してたんじゃ出来ないじゃんかあ。だからほんとにお昼に家の近くのレストランを借りてちょっとパーティして、後はボクの家でホームパーティみたいな感じで結婚式やるだけなんだあ。あ、家でパーティやるときはボクがコックさんになるんだあ! すごいだろお!」


はいはい、すごいすごい……ってかホームパーティって……それを結婚式と呼んでいいんだろうか? まあいいよな。本人達がそれが結婚式だって思えばそれが結婚式だ。


「それでそれで、ほんと突然だから、おにいちゃんの友達も奥さんの友達も声をかけてみてもほとんど参加できないみたいで。静岡にいない人も多いんだあ」


そりゃしょうがないな、ってかもっとのんびり日程調整すればよかったんじゃなかろうか……出来ちゃった婚で、だんだんとおなかが大きくなっていくから目立つ前に結婚式をやっときたいとか考えたのかな? けど……おなかってどれくらいで目立ってくるもんなんだろ?


「だったらいっその事、奥さんの家族とボクの家族だけでやればいいんじゃないかなあって話になったんだあ」


「ジミ婚ってやつですね」


「そうそうそれえ! でね、こっからが本題なんだけど…………………………」


はやく言えユッチ。


「あ、あのさあ…………ヤスとサツキちゃんも結婚式に参加しないかなあ?」


…………はい? ……耳がおかしくなってしまったようだ。


「何で俺とサツキが参加すんの? お前の兄さんなんて俺全く知らんべさ」


ってかさっきユッチが身内だけの結婚式にしようって言ったばかりじゃん。めっちゃ矛盾してるぞ。

結婚式自体に参加したことはないので、参加させてもらえるならそれはそれで楽しそうかもしんないけど。


「あ、あの、ええとね……1月の初めの頃、ずっとボク泊めてくれてただろお? それでお父さんとお母さんがお礼もかねてヤスとサツキちゃんの顔が見たいって言ってるんだあ」


別に結婚式にわざわざ会いに行かなくてもいいんじゃないかと思うんだけど。そういうものなのか?


「ヤス兄、行ってもいいんじゃない? と言うか私行きたい。人妻姿見たい」


「それを言うなら花嫁姿だろサツキ」


そういえば、なんで人妻って聞くとエロティックに聞こえるんだろう? 主婦って聞くと『ふーん、あ、そう』と思うのに……ま、どうでもいいか。


「サツキが行きたいというなら俺も行こうかな」


「ありがとヤス! サツキちゃん!」


「ユッチ、そんなに喜ばんでも。こっちこそ18日楽しみにしてるから」


「うん、よろしくう!」


ま、18日を楽しみにしていよう。

こんばんは、ルーバランです。


腹減りました、チャーハンでも食べてきます(>_<)


それでは今後ともよろしくです

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
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