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324話:将来の夢

今日の部活も終わり、今から帰るところ……冬休みの間はずっと陸上競技場で練習してたから、学校だと感覚が違う。

というか外周を走る以外に練習方法がないから、ものすごく練習しにくいんだけど……しょうがないか。

帰るメンバーは俺、ケン、ユッチ、アオちゃんの4人。今日はサツキは高校には来ていない。これから3学期の間はサツキのやつも入試が終わるまでなかなか来れなくなりそうだな。

今4人で電車に乗り込んだところ、時刻は17時半。ちょろちょろと席も空いているけど、4人全員が並んで座れるところがないので立ったまま話をしてる。


「あのさあ、みんなに聞きたいんだけどお」


「どしたユッチ、バカにつける薬はないかとかか?」


「そんなわけないだろお!」


「ダメだなあ、バカにつける薬はないんだよ。なぜならばバカは風邪ひかないからな。ユッチは風邪引かないか?」


「え? うん、ほとんど引かないけどお」


「バカなんだなあユッチ。よかったなあ」


「うるさいうるさいい! ボクはバカじゃないい! ヤスのバカあ!」


……ユッチって反応が素直やなあ。ケンとかサツキにこういう軽口たたいても、華麗にスルーするんだよなあ。


「ほらほら、ヤス君なんか無視しちゃえばいいんですよユッチ。それで何が聞きたかったんですか?」


アオちゃんひでえ。無視はさびしいですよ。


「あのね、ボクのクラスのホームルームで進路について話があったんだあ」


はいはい、うちのクラスでもあったぞ。


「みんなって理系か文系かもう決めたあ?」


「俺文系」


これはケン。


「私も文系です」


これはアオちゃん。やっぱりケンもアオちゃんも以前と変わらず文系に行くこと決定なんだな。


「ヤス君は以前お聞きしたときは理系とおっしゃっていましたが、やっぱり理系ですか?」


「ああ、俺は理系に行くつもり」


これで2年生からはケンともアオちゃんともクラスが別になることは決定だな……うん、ちょっとさびしい。


「ヤスって完全に理系で決定なのお?」


「決定。社会と英語が苦手で、数学と理科が得意な時点で理系しかないだろ」


まあ、別に理系に言ったからといって英語が消えてくれるわけではないんだけど。


「そうなんだあ……ヤスは理系なんだあ」


「なんだユッチ、俺が理系だとなんか問題でもあるのか?」


「ううん、別にあるわけじゃないんだけど……あるんだあ」


あるのかないのか、どっちなんだよユッチ。


「ユッチ、もしユッチが将来の夢がなんかおぼろげながら決まってるんだったら、それ考えて理系か文系か決めたら? 将来の夢を考えて、そこからどっちに言った方がより夢に近づけるかって考えて決めるんだ」


そう言う俺はなんとなく理系だけど。将来の夢なんて全く決まってません。


「そうなんだあ……そうやってみんなは決めるんだねえ」


納得させてしまった……なんか嘘を教えてしまった気分だ。


「と言うわけでユッチの夢を聞かせてくれよ。そしたらそっからどっちに進むんか分かるかもよ」


「ええ!? や、やだよお! 絶対笑うんだもん!」


あ、ユッチは将来の夢があるのか。うらやましい。俺別につきたい職業なんてないもんなあ……。


「笑わない笑わない。ケンも笑わないよな」


「そりゃ笑わんよ。人の夢をバカにするのはダメだろ」


ほらな。そんなところで笑うやつなんていないって。


「そ、その前にみんなの夢聞かせてよお! そしたらボクも話するからあ!」


「私の夢は検事、もしくは弁護士ですよ、前ユッチには言いませんでしたっけ?」


「あ、うん。アオちゃんの将来の夢は知ってる……ケンはあ?」


「俺は体育教師」


「ふうん……そうなんだあ。ヤスは決まってる?」


「んー……偉そうなこと言っといてなんなんだけど、俺は決まってないんだよね。しいて言うなら、あったかい家庭を作りたいなあと思うくらい」


「いい夢じゃないですか。ヤス君」


ありがと、アオちゃん。ちょっとうれしいです。


「さ、私もケン君もヤス君もみんな話したんですから、最後はユッチの番ですよ。ユッチの将来の夢はなんですか? 笑いませんからどうぞ」


「ほ、ほんとお? ほんとのほんとに笑わない?」


「ほんとほんと。絶対笑いません」


「じゃ、じゃあ言うよお…………」


ユッチ、そんなに顔を赤らめるような話題じゃないと思うんだが……。


「あ、あのね……」


そんなに言いづらい職業なのか? 言うと笑える職業って漫才師? 芸能人とか? ウルトラマンになりたいんだあとか言ったらさすがに笑うかもしれない。


「お……」


「お?」


お菓子屋さん? お医者さん? お相撲さん? ……最後のはないか。お菓子屋さんか?


「お、お嫁さんになりたいんだあ……」


『……』


……い、意外……3人そろって一瞬声が詰まってしまった、ユッチだったらスポーツ大好きだからインストラクターになりたいとかかと思ってた。顔を真っ赤にしてみんなの反応を待っているユッチ……や、俺はな、なんて返答したらいいんだろう?


「ああ、もう! ユッチってばかわいすぎですね!」


「な、なんだよお。いいじゃんかあ! アオちゃん! 頭なでないでよお!」


ああ、確かにユッチだったら料理すきだし子供好きだし。お嫁さんって夢は向いてるかもなあ。

ううん、結局ちゃんとした夢が決まってないのって自分だけか。もうちょっといろいろ考えないとなあ。

こんばんは、ルーバランです。


小さい頃の将来の夢をかなえた人ってどのくらいいるんでしょう? かなわなくても夢は持ち続けていたいです。


それでは今後ともよろしくです。

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
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