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319話:ゲーセン

「さてヤス君、どれをやりましょう!」


……さっき俺を誰かと間違えたこともなんのその。全く気にせず明るく振舞うアオちゃん。

まあ、それはそれでアオちゃんのいいところだよな、延々と気にされたら逆にこっちが気を使ってしまうし。

アオちゃんと来たのは、アオちゃんの家の近くにあるゲームセンター。アオちゃんはストレスがたまると時々ここに来て思いっきり鬱憤を晴らすのだとか。

……想像できないなあ、なんかアオちゃんがゲームセンターでバリバリやってる姿なんて。


「ヤス君は何かやりたいのはないですか?」


ふむ、アオちゃんにこう言われたけど、さて、何をやろうか……。


「ま、何でもいいよ。アオちゃんのお勧めで」


「そうですか? そうですね……ヤス君は音ゲーは苦手そうですよね」


「何を言う。そんな風に人を見た目で判断して、安易に人を決め付けるのはその人の可能性を摘み取ることになるとは思わないのかね? だったら音ゲーが得意そうな顔というのはどんな顔なのだね?」


「じゃあ得意なんですか?」


「や、めっちゃ苦手」


「……」


……アオちゃんがめっちゃ冷たい目で俺を見るよ。なんだか背中にブリザードが見えるよ。いいじゃん、なんか言ってみたくなったんだよ。それに実際事実なんだから言ったっていいじゃんか……。


「……ごめんなさい」


アオちゃんの人を射殺すような目が結局俺を謝らせてしまった。うん、やっぱりさっきのは自分が悪かったです。


「別に謝る必要はないですけど……それではヤス君はどんなゲームが得意なんですか?」


「んー……ぶっちゃけどれもこれも得意じゃないんだよなあ……強いてあげるなら『ワニワニパニック』かな?」


一応ワニたちに『まいった!』って言わせたこともあるし。もちろん片手でだぞ。両手を使うとなんか途端に簡単になるけど、邪道な気がして嫌い。


「またレトロなゲームが得意なんですねえ。知らない人もいるんじゃないですか?」


「そんなこたないだろ。あれだけ一世風靡したゲームを知らない人なんていないって」


「実際このゲームセンターにはワニワニパニックおいてありませんし」


なに!? ありえないだろ!? あれだけ燃えるゲームをおかないなんてどんな神経してんだ!?


「それでは、ここは私が一番おすすめするゲームをやりましょう!」


「おすすめ? どれ?」


きょろきょろと店内を見回す。王道でいくとユーフォーキャッチャーとか、ハイパーホッケーをお勧めするかと思うんだけど。


「それは見てのお楽しみです」


……何をやるか言ってくれい。アオちゃん、こんなところで期待感をこめさせようと引っ張る必要はないのではないかと思うのですが。


「これです!」


……ドンドーンという効果音が後ろで聞こえるような気がしてしまった。

アオちゃんが指したのは『太鼓の達人!』。俺が音ゲー苦手なのを知っていてそれを選択するとは中々いい根性をしている。


「ほら、今ちょうど誰もいないみたいですからやりましょう! ヤス君は太鼓の達人をやった事はありませんか?」


「ない。あんまやりたいと思ったこともないし」


音ゲーは苦手だからやらない。


「そうですか、ではいっぺん経験してみるといいですよ。ものすごくハマりますから」


……あんまりやりたくないって言ったのに。人の話を聞かないやつめ。まあしょうがない、つきあうかあ……チャリンチャリンと200円を投入する。


「曲は……ヤス君の好きな曲を入れていいですよ」


うーん、どれがいっかな……やっぱり簡単なのがいいよなあ。


「実は簡単なんだけど、やってるのをみるとすっげえあいつって思わせるようなのはないの?」


「ないですよそんなの。難しいのはすごいように見えて、簡単なのは簡単にみえます」


ち、やっぱりそうか。んじゃうだうだ考えるのも面倒だし、自分の好きな曲入れてみるかな。


「それじゃ『リンダリンダ』で」


ええと……カッカッと、太鼓のふちをたたいて曲を選択し、真ん中をたたいて決定する。『リンダリンダ』という文字がでかでかと表示され、もう1回真ん中を押して選択。


「『この曲で遊ぶドン!』」


ほおほお、これで始まるわけだな。


「ヤス君はブルーハーツが好きなんですか?」


「ああ、もう大ファン。カラオケでブルーハーツを叫んでるだけで、嫌なことなんて全部忘れられるぞ」


「そうなんですか。けど、初めてなのに結構難しい曲を選びましたね」


……アオちゃん、そういうのは決める前に言ってくれよ。


「『さあ、はじまるドン!』」


やばいやばい、始まっちゃうじゃん。アオちゃんに文句言うの考える前に集中しなきゃ。


「どーぶドンドンドドン……みたいにドドカカ、うつくーしくドンドンドドンなりたいドドカカ」


おお、意外と簡単じゃないっすか。なんだよ、この程度のを難しいなんていってたのかアオちゃんは。


「うつくしさーがあーるーかーらードンドンカッカッ……」


おし、ここまでは完璧だ。さあ、きっとこっからが本番だよな。


「リンダリンダー!! ドンドンドンドン!」


やばいやばい! 速すぎ速すぎ! さっきみたいにゆっくりと太鼓よ流れてきてくれ!


「リンダリンダリンダーア!! ドンドンドドカッ!」


す、すげえアオちゃん……こんなに速いのに全然ミスらねえ……ってか無理無理無理! もっとゆっくり! ゆっくりー!








「面白いかったですねー、やっぱり『太鼓の達人』は最高ですよ」


……アオちゃんは大満足の顔、対する俺は不満顔。全然ノルマ達成できなかった。たたけた率っていうのも50パーセントすらいかなかったし。それに対してアオちゃんはたたけた率98パーセント……やりこんでるなあアオちゃん。


「次はどの曲やりましょう!?」


まだやるんかい!? もう別のやろうよ!


「今日はとことんまで付き合ってもらいますよ!」


なんか違う!? 今日は俺のストレス発散にアオちゃんが付き合ってくれるはずだったのに!?


「次は『イケナイ太陽!』行きますよヤス君!」


まじで!? アオちゃん、さっきより難易度あがってますよ!?


「『さあ、はじまるドン!』」


始まっちゃったし! 勘弁してくれ!

こんばんは、ルーバランです。


太鼓の達人、やったことあるんですが難しかったです。

一緒にやった友達が太鼓を習いにいっている人で、めっちゃうまかったです。

自分との差に泣けました(ー_ー;)


それでは今後ともよろしくです。

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カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
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