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318話:短所は長所?

1月7日、明日から3学期が始まる。

……めんどい。ときどき思う。何故休みと言うのは一生続かないのだろうとか。


部活が今ちょうど終わった。いつも一緒に帰ってるサツキはユッチとどっかに出かけるらしくて、今日はアオちゃんと2人で帰ることに。

なんかユッチが泊まりに来るようになってから、サツキとユッチ、すごく仲良くなった。俺としては妹が2人になった気分も少しあるけれど、それ以上にユッチにサツキをとられた気分だ。なんか悔しい。


「ダメダメな事を考えてる顔してますね、ヤス君」


「いいじゃん、俺は元々ダメ人間なんだし」


「何でいきなり自虐するんですか」


なんとなく……部活が始まって走れない自分の体を思うと、なんて自分はダメ人間なんだと思う。マイナス思考はマイナス思考しか生まないと分かっていても、ついついマイナス思考になってしまう自分。


「そういう気分が落ち込んでる時は思いっきり遊ぶのが一番ですよ。そうだ! 今から久しぶりにゲームセンターにでも行きませんか?」


「ゲームセンター? 別にいいけど……」


「ほんと久しぶりですよね。夏休み以来くらいでしょうか。腕はなまってませんよね?」


「久しぶりって言うか……俺、アオちゃんとゲームセンターに行った記憶が全く無いんだけど」


「…………」


……黙ってしまった。まあ、どうでもいいことだし、これ以上つっこみいれるのも面倒なので流しておくかな。










電車の中、ゲームセンターに向かう途中、適当に雑談してる。


「ところでヤス君って何をそんな落ち込んでるんですか?」


「……自分の才能の無さと性格の悪さ」


「何か根本的なことで悩んでますね。何かあったんですか?」


……アオちゃんに相談しても、どうなるわけでもないけど……とり合えず相談してみよかな。

俺は正月明けで全然走れなくなっている自分と、そんな風になっているにも関わらずいろんな事がめんどくさいなあと感じてしまっている自分がいて、そんな自分がどっちも嫌いってことを話した。


「ヤス君、大丈夫ですよ。そんなことは今更じゃないですか」


……アオちゃんに相談した自分がバカだったとか一瞬思ってしまった。ってか相談させておいてそんな返事はねえだろ。


「ごめんなさい、ついヤス君にはへこませる一言を言いたくなってしまうんですよね。今のは本心じゃないですよ?」


……ああ、なんか信用できなくなってしまった。何でアオちゃんはわざわざ俺に対してへこませるような一言を言いたくなるんだよ。どんな嫌がらせだよ、おい。


「ヤス君、別に私はヤス君の事性格悪いなんて思ってないですよ? 自己中で、めんどくさがり屋で、人の話聞かない時も結構あるよねと思いますけど」


「思ってるだろ!? アオちゃん俺のこと性格悪いなって思ってるだろ!?」


「別に思ってないですよ?」


……今の言い方で性格いいと思える人ってきっといないと思います。


「例えばヤス君、短所って考え方一つで長所にも早変わりするんですよ。例えば大雑把っていうのは細かいことにはこだわらないって言えますし、神経質っていうのは几帳面って考えられます」


まあ、そうか……そんな風に考えればいいのか。めんどくさがり屋は『おおらか』とかに言い換えればいいんだな、ちょっとだけ気分が楽になる。


「まあでも、こんなの自分の短所に対する言い訳だと思いますけどね」


おい! あげて落とすなよ!


「例えばヤス君、ヤス君は今自分の事を自己中で、めんどくさがり屋で、人の話聞かなくて、自分の意見を押し通すわけでもないのに決まったことにはぐちぐち言って、マイナス思考で、才能も無くて、優柔不断なのに『優柔不断の優の字は優しいって書くんだ!』と言って自己弁護しようとして、それでオタクであることがばれると『オタクの何が悪い!』って開き直って、バカなくせして自分は頭がいいと思ってて、こんな自分はどうしようもないダメ人間だと思っていると言いました」


言ってない。誰もそこまで言ってない。ってかやっぱりアオちゃん、俺を落ち込ませようとしていないか?


「けれど、ヤス君のいいところは自分の短所を自覚しているところです。意外と自分の短所を分かってない人って多いんですよ」


……アオちゃんのことだな。絶対にアオちゃんことだ。アオちゃん、自分の毒舌についてきっと自分で気づいてないんだ。


「自分の短所が分かっている人は、何を治せばいいか分かりますよね? 短所だと思ってなければいつまでたっても治りません、治せません」


きっとアオちゃんのその毒舌はいつまでたっても治らないということだな。


「周りの誰かが気づいて指摘してあげれば変わることもあるかもしれませんが、自分が悪いと思ってない人は指摘されても気づけません。その点ヤス君は気づいているんですから」


……後は自分の気持ちしだいで治せるってことかな……ま、ちょっとだけ気分が晴れた。ありがとさん。


「ところでひとつ聞きたいんだけど、『優柔不断の優の字は優しいって書くんだ!』がなんでオタクになるんだ?」


「あれ? それってヤス君が言いませんでしたっけ? ジャンプ漫画のあれに載ってて、その言葉がすごい気に入ってるんだって自慢げに私に話したじゃないですか」


「全く覚えが無い。というかジャンプ漫画のどれかにそんなセリフがあったことを今知った」


「…………」


また黙ってしまった。アオちゃん、さっきから俺を誰かと混同してないっすか?

誰かと一緒くたにされるのはちょっと嫌だなあ……ま、気にしないでおこう。

こんばんは、ルーバランです。


『優柔不断の優の字は優しいと書く』は『いちご100%』という漫画のいつかどこかで誰かが言ってました。あの漫画はそのセリフしか覚えてません……ファンの方ごめんなさい。


それでは今後ともよろしくです。

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カカの天下
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