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309話:おにいサンタ

パーティも終わり、のんびりと残ったお菓子をかじりつつ、ケンとだべっている。父さんと母さんはもう帰ってきて、さっさと夕飯食べて寝た。仕事、お疲れ様です。

うーん、やっぱりスナックと言えば、かっぱえびせんだよなあ。


「ヤス、やっぱりスナックの王様はカールだよな」


はあ? 何言ってんだケンは。スナックの王様は『やめられないとまらない』のかっぱえびせんだろうが。

……まあいいや。なんかこの話題で議論しあうのが面倒だ。

ケンの言葉に適当にそやねー。と返事をしつつ、またさくさくとかっぱえびせんを食べる。

……ううむ、やっぱりいつまでたっても手が止まらない。やめられないとまらない……さすがかっぱえびせん。

2人してむしゃむしゃとスナックを食べてたら、ふとケンの手が止まった。


「ところでヤス、ひとつ聞きたいんだけど」


「ん、なんだ?」


突然改まった口調で質問してくるケン。なんかそんなに俺に聞きたいことでもあるんか?


「ヤスはユッチとポンポコさんとどっちが好きなんだ?」


……ケン、何でそういう話をするかなあ。


「や、どっちとか比べるもんじゃないだろ?」


「いやいや、夜といったら猥談に花を咲かせるべきだろ?」


……猥談て。


「ええやん、どっちも好きって事でさ」


「いやいやヤス、俺が聞きたいのは『友達』として好きかとかどうでもいいから、『恋人』にしたいのはどっち? って聞きたいんだよ」


いや、分かってるけど。


「こう、なんだろな、別にユッチともポンポコさんとも恋人になりたいとか……そういう感情はそんなに今のとこないんだが」


「そんなにって言う事はちょっとくらいあるんか?」


「ないない、別に恋人になってほしいとか思ってない」


言葉のあや。別にそんな気持ちはありませんがな。


「だったら、ドキドキとかムラムラとかモンモンとかニャンニャンとか、そんな気持ちは沸いてくんのか?」


「そういうのはちょっとだけ……って何言わせるんだよ」


まったく、そりゃ高校生なんだからモンモンとかムラムラとかそういう気持ちはありますよ。あって何が悪い。

ええ、ええ、そんなよこしまな思いを抱いたせいでポンポコさんの兄弟に危うく笑い死にさせられるところだったんだから……やなことを思い出した。


「と言うかなんでその2人なん?」


「今ヤスと仲がいいのってその2人だろ? アオちゃんは彼氏いるから除外するとして」


ん、まあ確かに女子で仲いいの、その3人だけど。


「あ、もしかして他にいんの? 好きな人」


「いないいない」


いないって知ってるだろ。同級生で仲がいいのはその3人だけっす。

ってかユッチとポンポコさんとアオちゃんだけって……陸上部だけかあ。交友範囲狭いなあ。


「突然転校してしまったあの子が忘れられないとか? んで来年進級したら、また久しぶりの再開! って言う展開?」


「ないない」


そんなドラマチックな展開はドラマと漫画、フィクションの世界だけ。

ってか、ケンは小学校のときから俺の事知ってるだろうが。そんな人がいたらケンも知ってるって。


「そう言えば、最近キビ先輩とも仲がよかったな。もしかしてキビ先輩か?」


それもないっす。

返事もするのも面倒になってきて、ただ首を振るだけ。


「うーん……んじゃもしユッチかポンポコさんかアオちゃんかキビ先輩か、誰でもいいけど告白されたらどうする?」


「そんなことありえないから別にいい」


「……ふむ、前にアオちゃんがヤスの家でコイバナに花を咲かせようとしたけど、まったく盛り上がらんくって残念って話してたんだけど、そりゃ盛り上がらんよなあ」


こらケン、分かってるならそんな話題を振るなよ。


「やっぱりヤスの中での1番はサツキちゃんか?」


「そうそう、そのとおり」


そこだけは変わらんなあ。変えるつもりもないけど。


「……ケンさあ、俺、時々思うんだよ。サツキとは小さい頃から一緒に育ってきたけど、別に兄妹って訳じゃなくてお隣さんとかお向かいさんとかだったら、もしかして今頃付き合ってたりするんかなあとか。でもやっぱり兄妹じゃなかったら、どこかで疎遠になってたかもしれないし」


「……ヤス、突然そんなことを語りだされても反応に困るぞ」


いいんだよ、ふと思ったことなんだから。


「兄妹で結婚もできればいいのにな。なんで遺伝子って近親だと駄目なんだろな、神様がどっかで創り方をまちがえてしまったとしか思えないよな。でもな、昔なんか近親婚だらけだったんだぞ。神様だって姉弟で結婚してたりするのざらなんだから。ゼウスとヘラとか。ガイアとウラノスとか。クロノスとレアとか」


「なあヤス、クリスマスイブに神様を冒涜する発言をされるとものすごく困るぞ」


……そっか。今日はまだクリスマスイブだったな。いいじゃん、クリスマスを祝う神様と今話してる神様って別の神様のはずだし。


「いいじゃんなあ、兄妹だって。何が駄目なんだろなあ」


「……サツキちゃんに続いてヤスも壊れたか。クリスマスイブってテンションが上がる日なんだな」


……別に俺は壊れていない。


「なあ、ケン。どう思うよ」


「とりあえず寝ろ、明日になったらすべてを忘れてるから」


「……大丈夫、俺は忘れない」


「いいから寝ろ」


……やること1個だけやってからな。







クリスマスの朝。


「ヤス兄、今年のサンタさんからは髪留めもらったよ!」


「……へえ、よかったね」


なんかまだ眠い……昨日は結局ケンと2時くらいまで延々としゃべってたからなあ。


「今つけてるんだよ! 似合う?」


「うん……似合う似合う」


……ねみい。


「もう、ヤス兄ったらちょっとちゃんと見てよ!」


……大丈夫、昨日しっかり見たから。すごく似合うのは確認済み。


「おっはよ。お、サツキちゃん、その髪留め似合うね」


「ありがと、ケンちゃん! ……それに比べてヤス兄は」


しょうがない、俺、昨日はあまり寝ていない。ケンもそんなに寝てないはずなのに、なんでそんなに元気なんだ?


「しょうがないなあ……ヤス兄は。そんなふにゃふにゃした顔じゃ、いつまでたっても彼女できないんだからね!」


大丈夫、そんな気になるのははきっと当分先だから……こんな風にバカが言い合えるサツキがいて、ケンがいて……こんな日がこれからも続きますように。

こんばんは、ルーバランです。


タイトルと違って、あんまりサンタの話はないです。

ヤス君にこれから彼氏彼女ができるかは未定です(^_^;


それでは今後ともよろしくです。

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カカの天下
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