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306話:プレゼント交換

その後もジェンガの対決は白熱した、一進一退の攻防、駆け引き、冒険か自重か……まさに心理戦です。


2回戦:キビ先輩の負け

キビ先輩の罰ゲーム「今日1日、語尾にワンをつける」


「ううう、恥ずかしい……ワン」


意外と似合ってます。キビ先輩。


3回戦:ユッチの負け

ユッチの罰ゲーム「『ど根性』の鉢巻をつけてすごす」


「これのどこが罰ゲームなのお?」


すみません、俺が書きました……簡単すぎたか。鉢巻つけるって結構普通なのか?


4回戦:キビ先輩の負け

キビ先輩の罰ゲーム「今日1日、ぶりっ子になる」


「……ねえ、この罰ゲーム書いた人誰?」


キビ先輩、それは言わないお約束です。俺じゃないけど。ついでにワンを言うの忘れてますよ?


「……なんかあたしの罰ゲームって期間が長いのが多いよお……ワン」


頑張れキビ先輩。もうなんか先輩の威厳がまったくないですね。もともとなかったけど。


5回戦:サツキの負け

サツキの罰ゲーム「30分走ってくる」


「なんか地味にひどい罰ゲームだね。パーティ中パーティに参加するなって事でしょ?」


そんな冷たい目でこちらを見ないで……確かに書いたの俺だけど。なんか陸上部なら陸上部っぽい罰ゲームがあったほうが面白いかなって思ったんだよ。

ってかなんで俺だって分かるの?






そんなこんなでそろそろゲームも終わりにして次なるイベントをやろうと言う話に。


「ラディースアンドゼニトルマン! それでは、お待たせしました! クリスマスと言えばこのイベント、プレゼント交換です!」


パチパチパチ……司会者ケンの呼び声に、みんなで拍手。ってかケン、ゼニトルマンはねえよ。銭取るマンって聞こえるよ。


「みなさん、プレゼントは買ってきてくれたでしょうか? 誰が誰のものになるかはくじ引きしだい! それぞの名前を書いたこのボックスから、好きなものを1枚選んでください。それじゃまず先輩のキビ先輩からどうぞ」


「はいはーい……ワン」


……なんか『ワン』って言ってもらうのがかわいそうになってきた。誰だあんな罰ゲーム書いた人。


「キビ先輩、選んだ後もまだ見ないでくださいよ。みんなで『せーの』で見ますからね。んじゃこっからは時計回りで」


そういって、俺、ユッチ、サツキの順にくじをとり、最後にケンが余った一枚をとる。


「ところでケン、これ自分のプレゼントに当たったときはどうすんだ?」


「んー……なってないから大丈夫!」


……その自信はどこからくるんだ!? なんか細工でもしたのかお前は。

ま、いいか。なってないんだったらなってないで。さてと……誰のになったかな……できればサツキのプレゼントがいいなあ。


「それじゃみんなで見ますよー、『せーの!』」


ババッと5人同時にくじを開く。


結果……。

ケンのプレゼント→サツキ

サツキのプレゼント→キビ先輩

キビ先輩のプレゼント→ヤス

ヤスのプレゼント→ユッチ

ユッチのプレゼント→ケン


「ケンちゃんのプレゼントかあ……なんかやな予感するんだよねー」


「ええ!? サツキちゃん、なんでさ?」


「ケンちゃんってこういう時って大抵変なものをプレゼントするんだもん……って何これ?」


「見て分かるだろ? 『ルービックキューブ』」


「それは分かるけど、これ私がもらってどうするの?」


「そりゃ遊ぶんじゃん? ヤスかユッチならもらって熱中してやると思ったんだけどな」


……ケン、俺がもらってもそんなにうれしくないと思う。もう俺持ってるし。どうしても解けなくて物置の奥に封印されてるし。


「誰がもらっても喜ばれそうなの選んでよ、ケンちゃん……とりあえずありがと」


……ケン、微妙だったな。


「で、サツキちゃんのプレゼントが私なんだねー……ワン」


……もうワンって言わせるのやめません?


「あ、たこ焼き器だ!」


……たこ焼き器? クリスマスにたこ焼き?


「なあサツキちゃん、サツキちゃんのプレゼントも俺と同レベルな気がするんだが。どう思うよ?」


「そんなことないよ。私のプレゼントは実用的、ケンちゃんのプレゼントは非実用的だもん」


俺に言わせりゃ50歩100歩だと思います。


「私最近これほしかったんだよね! ありがとサツキちゃん!」


キビ先輩が喜んでる分、どっちがいいプレゼントか勝負はサツキに軍配が上がるかな……やっぱり同レベルだと思うけど。


「どういたしましてー。ヤス兄に当たったら早速作ってもらおうと思ってたんだけどね」


うん、サツキのプレゼントに当たらなくてよかった気がする。俺のやらないかん事ができるだけじゃん。

……さて、俺はキビ先輩のか。


「あ、運がいいねーヤスってば。私のプレゼントだよ、ワン」


「へえ、キビ先輩のプレゼントってそんなにいいもんなんですか?」


「見れば分かるよー」


ほうほう、どれどれ……?


「おお、マフラーですか」


マフラーか……。


「あれ? もうちょっと喜んでもらえるかと思ったのに、結構微妙な顔してるね、何で? 何で?」


「や、うれしいですよ?」


「本当? じゃあなんで疑問系?」


「うれしいですよ」


「なんか棒読みだなあ……だったらもっとうれしそうな態度を体全体で表現してよ。なんかあんまりうれしくないみたいじゃん」


……ここで言っちゃまずいよな。タートルネックとか、マフラーとかって首絞め付けられてる気分がしてあまり好きじゃなかったりするなんて……。せっかくプレゼントしてくれたのに。


「うれしいですよ! 今度部活のときか学校行くときにつけていきますね!」


うん、要は慣れだ慣れ。毎日つけてりゃきっと慣れる。ありがとうございますキビ先輩。


「あ、ボクはヤスのプレゼントなんだねえ! 何かな何かなあ?」


「そんな期待するなユッチ」


「期待してるよお! どれどれえ?」


がさがさと袋を開けるユッチ。ほんとにそんなに期待しないでくれ。


「あ、携帯ストラップだあ!」


うん、まあ誰がもらってもそんなに嫌がらないプレゼントって考えたら携帯ストラップになった。


「無難だね、ヤス兄」


「無難だよ、ヤス……ワン」


ええと……いいじゃん! 無難でも。ユッチが喜んでるんだから。


「ありがとお! ヤスう! 今すぐつけるからあ……どおどお?」


うんうん、無難に似合ってる。いやあ、もらってくれる相手がユッチでよかったかもしんない。他メンバーだったら「普通だねー、面白くない」とか言われてそうだもんな。


「んで、俺がユッチのか……なんか結構でかいな。何が入ってるんだ?」


あれ? さっきまで明るかったユッチの顔が突然かげった。なんでそんな暗い顔になるんだ?

がさがさと大きな包みを開けて出てきたのは……くまのぬいぐるみ。


「……」


……なんか空気がしーんとしちゃっただろ。誰かなんかしゃべってよ。


「……」


……ケン、そんなアオ汁を飲んだときのような顔をするなよ。


「……」


……ま、まあそりゃ顔も暗くなるよな。残念ながらケンはそんなにぬいぐるみは好きじゃない……俺は好きだけど、ぬいぐるみ。

多分サツキかキビ先輩に当たればそこそこ喜んだだろうプレゼントも、ケンに当たってしまえば困り物のプレゼントに早変わり。

ってかケンに当たるって事考えなかったのか? ユッチは。


「…………」


「…………え、えと、あのねあのねえ! 抱き枕にして眠ると気持ちいいと思うんだあ!」


……ケンがくまのぬいぐるみを抱き枕にして眠る……きもっ。


「……え、えとねえ! ブラッシングを続けて話しかけ続けてるといつかきっと愛着がわいてきて、くまちゃんなしでは生きられない体になってるよお!」


それは嫌だ。さすがにぬいぐるみなしで生きられない体になるのは嫌だ。


「…………あ、ありがとうなユッチ」


困りながらもお礼を言うケン。


「え、えと、ど、どういたましてえ!」


何とか返事をするユッチ……もう1回プレゼント交換やり直そうかと言いたくなってしまった。

……まあこんなプレゼント交換もありだよな。

こんな風に、まだまだ続くクリスマスパーティ。

こんばんは、ルーバランです。


誰が誰にプレゼントをあげるかはさいころで決めました。適当ですね(汗)


誰のものになるか分からないプレゼント交換……昔、女子5人、男子5人くらいでやった時に、リカちゃん人形が当たってものすごく渋い顔をしていた男子がいました。その逆もまたしかりでしたが。


……こういうときは無難なのが一番です(^^


それでは今後ともよろしくです。

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
うそこメーカー
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