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302話:談笑中

ユッチとサツキの作った料理の数々をほおばりながら、適当に談笑するクリスマスパーティ。

いつもやってる事なのに、クリスマスというだけで、何だか楽しくなってくるから不思議。

なんかユッチはもう一品準備するんだあって言って台所にこもってる。さてさて、どんなのが出てくることやら。


「ヤス、今日は無礼講だからね」


「え、キビ先輩いいんですか?」


「いいのいいの、気にしない気にしない。タメ口でも構わないよ」


おお、キビ先輩優しい。

……けど、俺がキビ先輩に対して礼講だった日があった気がしないんだが。

というか俺めっちゃ無礼だし。


「大体私なんか、あと2週間遅かったらヤス達と同級生だったんだもん。年齢的にはそんなに変わんないよ。それに双子って早産になる人が多いらしいけど、私らもすっごい早産だったらしいんだよね」


へえ、そうなんだ。


「もうちょっとお母さんが粘ってたらもしかすると同級生になってたかもねー」


キビ先輩と同級生、それはそれで楽しそう。


「キビ先輩の誕生日いつです?」


「3月20日だよ。魚座のO型」


別に星座と血液型までは聞いてない。聞いてどうしろと言うんだキビ先輩。


「ふっふー、ヤス君、今君は重大なミスを犯したよ」


……何かミスったっけ?


「私の誕生日、知っちゃったんだから、きっと何かしてくれるんだよね? ユッチやポンポコから聞いてるよ、すごい豪華なプレゼントをあげてるんでしょ?」


ええと……ユッチの時はクッキー持ってっただけなんだけど。そんなに期待されてもとても困る。


「ま、まあ何か考えます。けど、期待しないでくださいよ」


「はいはーい、楽しみにしてます。ふっふ、儲け儲け」


……儲け儲けとか言わないでくださいよ、キビ先輩。それにしても……ふう、変な悩み事が増えた。


「ヤスとキビ先輩って結構仲いいよな? 1学期の頃とか話してるの見た事なかったけど。いつからそんなに仲良くなったんだ?」


んー、そう言えばキビ先輩といつからか仲良くなったな。2人でご飯食べに行くなんて以前は考えられなかったし。

ええと……いつからだったっけ?


「ヤスがお弁当作ってきてくれたときからかな? 今でも週1回くらい作ってきてくれるよ」


「キビ先輩が食べたいって言ったんじゃないですか。まあ1人分増えるくらいは構わないですよ」


「でも、ヤスが作ってきてくれるの不定期なんだよねー。どうせなら毎日作ってきてくれればいいのに」


「適当弁当でいいならいいですよ? キビ先輩に弁当作る時って結構頭使うんですよ。いかに野菜を混ぜ込むかって」


「私、最近はヤスのおかげで野菜も食べるようになったよ。そんな気を使わなくたって大丈夫だよー」


「何を言うんですか、今日だってまだ野菜食べたって行ってもねぎましか食べてないじゃないですか。野菜スティックとか野菜焼きも食べなさい」


「やだ、肉がない焼き鳥なんてやだよ。スキヤキでも主役の肉がないと食べる気しないでしょ?」


それはそうだけど、脇役がいるからこそ主役が引き立つと思うんだが……主役ばっかりの映画なんて見ててつらい気がする。


「ヤス兄……ときどき豪華だなーってお弁当があったけど、キビ先輩の為だったんだね」


さ、サツキ、何で怒ってるんでしょうか。声がものすごく低いですよ? 目がすごく睨んでますよ?


「や、だって家族以外の人に食べてもらうんだったらさ、ちょっとくらい見栄はりたいじゃん。どうだすげえだろーってやりたいじゃん」


「へー、そうなんだそうなんだ。私には適当弁当でよくて、キビ先輩には豪華弁当なんだー」


そっぽを向いてもぐもぐとサンドイッチを食べるサツキ……サツキ、何でそこで拗ねる。

ええやん、冷凍食品使ったって。弁当毎日作るの大変なんだぞ。毎日弁当を作る俺の大変さをちょっとは分かってくれ。


「そ、そういえば、キビ先輩とユッチって今日も明日も家に帰らないみたいなこと言ってましたけど、明日はどうするんですか?」


む、無理矢理話題転換! この話題から早く逃げ出したい!


「私? 私は明日は本屋にでも行ってブラブラするよ」


……キビ先輩、せっかくのクリスマスなのに、1人本屋で過ごすなんて寂しすぎですよ。


「キビ先輩は何で家に帰らないんすか?」


おお、聞きたい事をさくっと聞いてくれるケン、ナイスだケン。


「んーとね……妹と先輩がいるからねー、なんか気まずいんだよね。気をつかわれるのも嫌だし」


……頑張れキビ先輩。


「あ、そうだ! 明日、俺とサツキとケンの3人で教会に行ってみようって話しありますけど、キビ先輩もどうです?」


「んー……それじゃいこっかな。教会のクリスマスって確かにどんな雰囲気なのか見てみたいよね」


「ケンもサツキもそれでいい?」


「俺は別に構わないぞ」


「私もいいよー、ケンちゃんいるし」


……サツキの声になんだかとげがあるように感じるのは気のせいでしょうか。


「それじゃ私はヤスと仲良くしてこっかなー、明日楽しみだねー、ヤス」


あうあう、なんかサツキの目が怖いんですが…………俺何もしてないっすよ?

す、すごく居心地が悪い……誰か空気を変えてくれ。

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カカの天下
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