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298話:冬休み直前

12月19日。2学期最後の授業の日。

今日を乗り切れば後は冬休みが待っていると思うと、何だか頑張れる。


「ケン、冬休みはどっか行くか?」


去年の冬休みは受験勉強でそんなに遊べなかったからな。今年は思う存分遊んでやる!

……それにはやっぱりサツキとケンがいないとな。


「んー……とりあえずクリスマスに1個やってみたいことがあるんだが」


「ん? 何?」


「えっとだな……1回クリスマスに教会に行ってみたくないか?」


……なんで?


「クリスマスって言うとイエス・キリストの生誕を祝う日だろ? クリスマスツリーを飾ってベッドにケンタッキーフライドチキンを食べてるのがクリスマスじゃないだろ?」


……ま、まあそりゃそうだ。ってか今までクリスマスにケンタッキーフライドチキンを食べたことはないんだが。クリスマスに『クリスマスそばだー!』とかあほなこと言ってざるそば大食いしたことはあるけど。

……そういやなんでクリスマスになるとケンタッキーフライドチキンを食べようという話になるんだろう?


「んで、夕飯を食べ終わったら今日履いた靴下を枕元に置いて、サンタクロースを待っていたらいつの間にか寝ちゃって朝になって、だまされたって嘆くのがクリスマスじゃないだろ?」


「ケン、今日履いた靴下を枕元に置くってどこからの情報だ?」


そんなのくさくて置きたくねえよ。くさくて眠れねえよ。それを信じるケンもケンだよ。


「んとだな、靴下を置くってやつの起源は貧乏ながらも何とか生活をしていた幼女達を哀れに思ったおっさんが金でも恵んでやるかと煙突から金貨を投げ入れたら、たまたま干してた靴下の中に入った事からはじまるんだよ」


……いい話のはずなのに、ものすごくおっさんがやなやつに聞こえてしまうから不思議。ものの言い方って大切だなあとちょっとだけ思ってしまった。

ってかそんな話だったっけ? 貧乏でもう明日生きる金もない少女達の話じゃなかったか?


「そして金貨を恵んでもらった幼女達はまた誰かが金貨を投げ入れてくれないだろうかと期待するようになってしまい……」


「それ別の話だから! 切り株とウサギの話だろ!」


「ち、ばれたか」


ばれるから! このばちあたり! 世の中のサンタクロースさんたちに謝れ!


「他にもさ、クリスマスにはいろいろ思い出があるんだよ。けどさ、毎年毎年靴下おいといても1回も来なくて、悩みまくったはてに母ちゃんに聞いたら『クリスマスはサンタさんが煙突から来てくれるんだけど、うちの家には煙突がないからサンタさんきてくれないんだよ』って言われるのがクリスマスじゃないだろ?」


……ケン、そんなこと言うのはきっとお前の親ぐらいだ。ケンのお母さん、さすがにケンがかわいそうだと思います。


「だから一度くらいクリスマスって本当はどんな風にすごすのかって見てみたいんだよな。近くの教会でいいから、いっぺん体験してみたい」


「ふむ……それはそれで悪くないか。でも教会って信者以外でも入れるのか?」


「そりゃ入れるだろ。教会って結構アットホームに迎え入れてくれるらしいぞ」


それもそうか、それなら行ってみたい。

クリスマスはサツキとケンと、暇そうなユッチとかポンポコさんとか集めてクリスマスパーティでもしようかと思ったけど、教会で過ごしてみるって言うのも悪くないのかもしれない。


「おし、んじゃその日は俺とヤスとサツキちゃんの3人で教会へってことでよろしく。他に誰か誘うか?」


「んー……ま、3人でいいんじゃん? アオちゃんもポンポコさんも、ゴーヤ先輩とか先輩達だって家そんなに近くないし」


うん、まあ確かにな。ってかアオちゃんとゴーヤ先輩はクリスマスはデートしてそうだよな。そんな日に誘えない誘えない。

それにしても……教会か。今まで1回も行ったことないんだけど、どんな感じなんだろう?

賛美歌というのを聞いてみるのも面白そうだ。


「そういやさケン、ケンってサンタさんって何歳まできた?」


「んーと……俺が物心ついたときはきてなかったからなあ……幼稚園のときの友達にクリスマス、自分だけサンタさんこなかったって言って笑われたのはなかなかな思い出だな」


……ケンのお父さん、お母さん。もちょっと子供の夢を壊さないよう頑張ってくださいよ。


「ヤスは?」


「俺は小6まで来た。そして小5まで本当にトナカイが空を飛ぶと思ってた」


小6の頃にもらったラジコンカーの中に、『保証書、おもちゃのもん太』って近所のおもちゃ屋さんの保証書が入ってて、『これ何?』って母さんに見せたとき、少し夢が壊れてしまった。ちょっとだけ寂しくなった。


「……しかし、小6までってうらやましいな」


うん、きっと『おもちゃのもん太』さえなかったら今でも信じてる気がする……そういや今年のクリスマスプレゼントまだ考えてなかったな。今年はなんにしよう……うん、楽しみになってきた。

こんばんは、ルーバランです。


私、ヤス君同様サンタは小6まで信じてました。

そしてドラゴンボールも小6まで信じてました。いつかきっとかめはめはが打てる……! 空が飛べる……!


皆さんはどのくらいまで信じてましたか?


それでは今後ともよろしくです。

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
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