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287話:インターバル走

12月6日土曜日。来週からテスト週間だけど、なぜか俺とサツキは陸上競技場にいる。


「なあサツキ、何で俺らはここに来る事になったんだっけ?」


「ポンポコ先輩に呼び出されたからでしょ? さっきからこの会話何回もしてるよ」


そうなんだけどな。今日はアオちゃんもユッチもウララ先生も来ないというのに、何で俺だけ呼び出されたんだとか一瞬思っただけっす。1人でいくのが空しかったので無理矢理サツキにはついてきてもらったけど。


「ヤス兄もつきあいいいよねー。別にテスト週間っていうのを言い訳にして断ればよかったんじゃない?」


ま、そうなんだけど。ポンポコさん、俺の為に色々考えてくれてるしちょっとくらい期待には答えたいなと思うんだよ。


「サツキもこの3日間、勉強漬けでいたからちょっとばかり疲れただろ。部活に来て走るのもいい気分転換になるじゃん?」


「残念だったなヤス。今日は気分転換というつもりはないぞ」


……ついた早々いやな言葉を言うね。ポンポコさん。


「おはよう、ヤス、サツキ」


「おはようございます! ポンポコ先輩」


「おはようさん……何だかさっき不穏な言葉が聞こえたんだが気のせいか?」


「気のせいではないぞ。今日はちょっと厳しくいこうかと思ったからな」


……なんでこんなテスト前って変な時期に厳しくいこうとか思うんだろう?


「ところで、サツキまで連れてきてどうするのだ? 今日は短距離は休みだぞ」


「まあええやん、サツキを家で1人にさせるのも退屈だろうし」


俺もサツキいてくれたほうがいいし。


「まあいいが……ところでヤス、毎週土曜日は毎回ペース走をやっていたが、そろそろ飽きているのではないか?」


「うん、飽きた」


毎週土曜日と言うか、平日もほとんど似たような練習。めっさ飽きた。


「4ヶ月もただ黙々と毎日10から20キロ走ってきたのだ。かなり体力はついてきている」


「ふむふむ……」


「しかし、体力は伸びているがスピード自体は全くあがっていない。スピード練習をしていないから当然なのだが」


まあ、そりゃそうだ。


「短距離のようないのちっきり走ると言う走り方は覚えなくていいが、速いペースで走ってもすぐにばてない体を作る必要がある」


……なるほど。


「今までは速いペースの練習をすると故障しそうな実力だったが、もうそろそろそんな練習をしてもいい頃間と思う。次のステップだな」


おお! ついに俺も、次へのステップを認められたか。


「そうだな……大体週に2回スピード系の練習をする事にしようか。スピード系の練習をすると、全体的な走行距離は短くなる。その分は他の時に走ることにしようか」


「オニ!?」


今まで毎日15キロとか走ってたから、それ以上って20とか25!?

無理無理無理無理!


「ふむ……別に今まで走っていなかった日曜日などにちょっとだけ走る、等をすれば解消される。そんなにしんどい思いをする事はないはずだ」


「……そういうものか? ってか何で走行距離にそんなにこだわるのさ?」


「私自身の考えでな、『質より量』という考えがあるのだ。単純に考えてみても、1月に100キロ走っている選手、1月に500キロ走っている選手のほうが、力がつくと思うだろう? 例え100キロ走っている選手が効率のいい練習方法をしていたとしても」


まあそりゃそうかも。だが500キロは申し訳ないけどやりたくない。今でも1月に400キロぐらいなのに。今まで以上に走るって言われても絶対に無理。


「だからスピード練習を取り入れたからと言って走行距離が減ってしまってはダメだ。むしろ実力がついてきたのだからそれにみあうだけの量を増やさないとな」


……ラジャっす。


「今日はそうだな……インターバル走をやってみるか。ヤスはインターバル走と言うのを聞いた事はあるか?」


「聞いた事はあるけどどんな練習かは知らない」


「……ヤス、もう少しどんな練習方法があるかと言うのを調べたほうがいいと思う」


……すみません。なんかポンポコさんの言う通りにまかせたら何とかなる気がしてしまうんです。


「インターバル走とは、簡単に言うと、思いっきり走ってゆっくり走ると言うのをを繰り返す練習だ」


「……それにどんな効果があるの?」


レースでは同じペースでしか走らないのに、意味がないとか思ってしまう。


「この練習をこなす事によって、心肺機能の向上がはかれる。また、揺さぶりにも対応できるようになる。さらには、インターバル走はものすごくきつい練習の1つだから、メンタル面で強くなれる。ペース走ではそのような効果が期待できない」


……なるほど。


「もう1つ言うと、ペース走だけだと、試合のようなペースで走る事がまずない。インターバル走ならば、試合のようなペースで走る事が出来る。これが大きい」


なるほど、練習中に試合の状況を体感できると言う事か。

それなら、インターバル走を実践する意味はあるな。


「そうだな……今日は400メートルのインターバル走を15本、ゆっくり走るところは200メートルでつなぐ。400メートルは80秒、ゆっくり走るつなぎは90秒でやってみようか」


……まあ、なんとかなるか。とりあえず頑張ってみよう。





そうやって軽く考えてた俺だけど、あとあとものすごく後悔する事になった。

こんにちは、ルーバランです。


陸上経験者でしたら、インターバル走がどれだけきついか分かるかなと思います。

経験した事ない人は、一度やってみると分かります(^^ ……そんな事経験する必要ないですね。


それでは今後ともよろしくお願いします。

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