281話:ここ知り! パート2
今日は11月30日日曜日、部活も学校も何の予定もなく、のんびりできる日。
たまにはこう言う何にもない日っていいよな、心と体がリフレッシュされる。
さて、サツキはまだ寝てるし、父さん母さんも寝てるし……暇つぶしにまたラジオでも聞くかな。あの変な2人組いないかな?
「みなさん、こんにちは! 司会のトクです」
「こんにちは、アシスタントのメイです」
お、いた。放送時間バラバラやね。んじゃ聞いてみるか。
「今日も元気よく、私トクとメイの2人で『ここ知り!』をお送りいたします」
「2回目になりましたね、トクさん。私1回目で打ち切りになると思ってましたよ」
「実はこっそり俺も思ってた。上が気まぐれだと下は困るよなー。本当下っ端はつらいよ」
「………………………………………………」
「ん? どしたメイさんや。突然黙りこくって。ダメ上司ばっかりで仕事がいやんなったか?」
「……トクさん、この会話上司にも聞かれてるんですが大丈夫ですか?」
「いやあ、素敵な上司ばっかりでボクまいっちゃうなあ!」
「……わざとらしすぎです。こんなトクさんは置いといてさっさと質問コーナーにいきましょう……このコーナーは視聴者の皆様方が知らないから知りたい! と言う事をメール・手紙・もしくはFAXで送っていただいて、それに私たちが答えると言うかたちでお送りします」
「前回から今回まで、全然ファックスもメールも来なかったけどな、あははあ」
「トクさん、そんな裏話言ってどうするんですか! 必死で打ち切りを止めたプロデューサーさんの思いを無にするつもりですか!?」
「いやあ、まあファックス番号も電話番号もメールアドレスも、そもそも質問待ってますーなんてことすら宣伝しなかったから、来ないのもしょうがないんだけどね」
「来るわけないじゃないですか!? 何で宣伝しなかったんですかあ!?」
「ああ、だってさあ。ここの放送局の裏番組で『カカラジ!』ってのがあるんだけどさあ」
「ダメですよ、『カカラジ!』は放送禁止用語です! 著作権侵害です!」
「あちらのプロデューサー、ルシカ様に了解をもらおうとしてるところです」
「あ……そうですか、ってまだもらってないんだったら駄目じゃないですか!? 事後承諾は駄目ですよ!?」
「……あ、今OKもらえたって」
「放送中にもらっててどうするんですかあ!?」
「いやまあ、それはおいといて『カカラジ!』がもう盛大に読者からの応募を募集してるんだよ。しかも面白そうなネタばっか」
「どんなのがあるんです?」
「『ファンキーな脅迫状待ってます、脅迫状コーナー』」
「ええと……私たちの宣伝してくれるまで毎回『ここ知り!』の度に『カカラジ!』の悪口ぶちまけます」
「ここで言わんと『カカラジ!』で応募してこいよ」
「何となく宣言してみたかったんです、でも本当にやってやりますよー」
「まあいいけど、他には『ふつおたコーナー』」
「『私ふつうなおたくだもん! コーナー』ですか?」
「『ふつうなおたより待ってます! コーナー』だぞ。メイさんや。プロデューサー、ルシカ様にも確認とってるから」
「……」
「……」
「私何も言ってません! 聞いてません! みてません!」
「……まあいいけど、他には『CMコーナー』」
「すごいですね、スポンサーがついてるんですか?」
「『もしもな寸劇、見てみませんか? もしもコーナー』」
「それって、もしも私たちがカカラジに出演したらーとかもありですか?」
「ん、まあそんな感じ。ルシカ様のお眼鏡にかなうには中々難しそうだけど。ってか裏番組に出演してちゃあかんだろ」
「『カカラジ!』の方が面白いです」
「メイさん、自分の番組をバカにしないでくれ! ……とまあカカラジは読者からの募集コーナーをこれだけたくさんやってるんだよ。ここで俺らも読者に応募するところ真似したらパクリになるんじゃないかな? ただでさえ俺らの番組『そこが知りたい 特捜!』略して『そこ知り!』のパクリだと思われてんのに」
「誰からも指摘受けてないのに何自分で言ってるんですか!? パクってないじゃないですか。そもそもトクさん『そこ知り!』みた事あるんですか?」
「全くないからどんな番組かも全然知らん」
「そもそもその番組って東海地方でしか放送してない番組ですしね」
「あ、そうなの? そりゃ知らねえよな。『ここ知り』って番組名を作ってから、『そこ知り!』の存在を知った。プロデューサーも知らないまんま『ここ知り!』ってタイトルにしたんだって」
「ダメですよー、特許とってあったら危ないですよ! 『訴えてやる!』 になりますよ」
「メイさんこそパクってるじゃないですか、ダメっすよ」
「だって島田さんのファンですもん」
「知らんがな……しかし、知らなかったじゃ済まされないのがこの世の中なんだよな。きっつい世の中だねえ」
「何悟った顔しちゃってるんですかあ!? 今日のコーナーどうするんです?」
「さあ? どうしようかなあ」
「トクさん、質問に答えるコーナーで読者から応募をお願いしないでどうやってやるんですかー!?」
「……自作自演?」
「空しすぎですよ……」
「……サクラ?」
「詐欺じゃないですか! サクラって詐欺ですよ?」
「このコーナーはサクラの皆様からの応募によって成り立っていますって最初に宣言したら詐欺じゃなくね?」
「サクラの意味がないじゃないですか!? 自作自演と同レベルですよ!」
「そやね、まあ適当にやるよ。と言う訳でそろそろ質問コーナーに移りましょうか。『ここ知り!』のアシスタントの1人、匿名希望さんからのご質問『私の仕事相手が全然言う事聞いてくれません! 言う事聞いてくれない人に言う事聞いてもらうにはどうすればいいんでしょうか?』だって」
「『ここ知り!』のアシスタントって私しかいないじゃないですか!? 匿名になってないですよ!」
「メイさんや……言う事聞いてくれない人って俺の事か?」
「いえいえー、別にそんな事は言ってないですよ?」
「……まあいいや、この質問に回答しよか。昔近所のおばちゃんに全く同じ質問を俺したんだよ。そしたら『我慢しろ』だって」
「何ですかそれ!? トクさんの言う事ずっと我慢しないといけないんですか!?」
「やっぱり俺の事かい……後で覚えとけよ。んでな、おばちゃんが言うには『3年我慢して何でもかんでも相手の言う事聞いてみい。きっと信用して何でもまかせてもらえるようになっから。そしたら言う事聞かせるまでもなく好き勝手できるんだあよ』」
「ふんふん」
「仕事上では、とにかく必死こいて相手の言う事聞いてみると、相手がどんどん自分の事を信用し始めるらしいんだよ」
「……なるほど、まさに『石の上にも3年』と言うやつですね」
「俺は途中で言う事聞くのが嫌になったから嘘か本当か知らん」
「ダメじゃないですかあ!?」
「ほれほれ、まずは我慢する事から始めないと」
「トクさん相手に我慢なんて誰がしますかあ!?」
「ひでえなあ……」
「もっと手っ取り早く言う事聞かせる方法ないんですか?」
「金」
「アホですかあ!? そんな関係嫌です!」
「わがままやなあ……俺だってメイの言う事ならちったあ聞くぞ」
「じゃあ今日の収録の後一緒に飲みに行きましょう! トクさんのおごりで」
「いやだ、金がない。メイさんのおごりならいくぞ」
「私のほうが給料少ないんですからちょっとくらい譲歩してくれても……せめて割り勘にしてくださいよ」
「お前と飲みにいくと割り勘でも割に合わんのだが……お前大酒飲みだし」
「……たまにはいいじゃないですかあ……飲みに行きましょうよ」
「……しゃあない、安いところな」
「はい、ありがとうございますトクさん! うふふー、まってろよー。名酒『龍月』!」
「メイ……それはウン十万の酒じゃね? ……割り勘なんて言わなきゃよかった……それでは皆さん、今回はこの辺で」
……質問の解決してない気もするんだけどいいのかなあ?
おはようございます、ルーバランです。
ルシカ先生ありがとうございましたm(_ _)m
『ふつおた』『もしも』等々今もずっとカカラジにて募集してますから、送ってみようかと思った人はルシカ先生のメッセージフォーム(http://syosetu.com/g.php?c=w1358b&m2=3&to=w1358b)までどうぞ('-'*)
そして『ここ知り』で何か聞いてみたいと言う人も募集してます(^^ トクさんとメイさんが適当に答えます。
私のメッセージフォームまでよろしくお願いします。
それでは。