28話:新入生歓迎会、自己紹介の続き
1年生は10人、かなり長い時間過ごしている気がするのだが、まだ半分の5人しか紹介していない。
ユッチとの馬鹿な言い争いを終え、それに続いたのはユッチと同じクラスの2人だった。
「1年2組、あだ名は<オオリン>、二つ名は<キング>!」
「1年2組、あだ名は<スギヤン>、二つ名は<ナイト>!」
何で2人で立つの!?どっちかどっちか分からなくなるよ!
オオリン:「俺たちの種目は短距離だ」
スギヤン:「中学まではオオリンとともに、バスケをやっていた」
オオリン:「俺はガードだったから、チームの司令塔である<キング>」
スギヤン:「俺はドライブしてつっこんでいく役割だから、<ナイト>」
オオリン:「本来なら、高校でもバスケをやるつもりだった」
スギヤン:「だが!」
2人:『陸上部にはエースが、そしてクイーンまでもがいた!』
…………エースって言われる人はどの部活にも結構いるぞ?
野球部だったら、一番手のピッチャーはエースだし。サッカー部だったら、点取り屋をエースアタッカーって言う。
陸上部でも、速い選手の事をきっとエースと言うんだろう。
でも、クイーンってなんなんだ!?女王ってことは鞭でも持ってんのか!?
オオリン:「だからこそ、俺たちは陸上部に入った」
どんな理由だよ!?ってか訳分からねえよ!
スギヤン:「4人そろえば完璧だからな」
お前らはトランプか!?そうなんだな?
オオリン:「目標は4人でリレーを組むこと」
スギヤン:「それが俺たちの目標」
2人:『以上だ!』
……終わった……なんだったんだろうか?みんなぽかーんと2人を見ている。例外はウララ先生だけだ。
息ぴったりだったんだけど、正直、俺にはもうどっちがどっちかわかりません……。
ってか、4人でリレーさえ組めればそれでいいのか!?インターハイに出場するとかまでは無くても、県大会出場とかあるだろ!?
……まあ2人とも短距離で練習を一緒にしないし、こいつらは多分つっかかってこない。クラスも違うんだから、そんなに接点は無い。
…………うん、変人だったしもうどっちがどっちかを覚えるのは止めた。スギヤン&オオリンはコンビで覚えておこう。
残りは3人、隣に居るヤマピョンはいつ自己紹介するのかな?こう言うのは後になれば後になるほど期待感が高まったり、疲れてきてやりにくくなるもんなんだが。
と、また別の人が立った。
お、この人は、今日一緒に長距離で練習した人だな。どんな人なんだろ?
「1年1組、あだ名は<ノンキ>、二つ名は<凡人>。種目は長距離、陸上経験はないです。兄貴に誘われて入部です。以上」
めちゃくちゃ簡単な紹介だった。まあ、実際毎回毎回長いと、めんどくなってくるもんな。
「ヤマピョン、今自己紹介しないと、1年のトリを締めなきゃならん事になるぞ。」
「…………」
フルフルと首を横に振る。自己紹介しないつもりか?
「大丈夫。さっきのノンキってやつみたいに、簡単にすませればいい。無理そうだったら俺がサポートするから」
「……う、うん……」
ヤマピョンがそーっと立とうとした時、もう1人が立ってしまった。
……これでお前はトリだ、頑張れ、ヤマピョン。
立ったのは、3人いる女子の最後の人だ。
結構ドのきつそうな眼鏡をかけて、髪を3つ編みにしている。
うーんと……結構ぽっちゃり系な人だな。でも、胸はあんまりおおき……げふんげふん……毎回ごめんなさい。
そのぽっちゃりとした女子が話し始める。
「あだ名は<ポンポコ>、二つ名は<軍師>。私は走るつもりはない、マネージャーをする予定だ。陸上経験はないな……。若輩ではあるが、よろしく頼む……関係ないが、三国志のファンだ、誰か他に知っている人が居たら、夜通し語り合おう」
ポンポコさんか、かわいらしいあだ名だ。しゃべり方は硬いが確かにポンポコっぽい雰囲気はある。
それにしても、夜通しって……すごいファンだな、ポンポコさん。……三国志演義なら読んだ事はあるが、史記の方は無い。夜通し語るのは俺には無理だ。しゃべり方が硬いのは、その影響か?
それはおいといて、ついにヤマピョン一人になったな。もうブルブル震えてる。
ええ、袖をしがみつかないで下さい、そう言うのは女性にしてもらいたいです。
男にされても嬉しくない、むしろ悲しいです。
ほんとは放っておきたいんだが……くそ……目が訴えてる。助けてくれって……。
「おーい!後1人残ってるぞ!誰がしてないんだ!?」
先輩たちがせかす。分かってるよ、でもちょっとは気を長くして待ってくれ。
「……息をゆっくり吸え、で、ゆっくり吐く……とりあえず、ほとんどは俺がしゃべってやるから、あだ名だけ言ってみよう」
「……う、うん……」
そろそろと立つ、本当にゆっくりだったので、自分のテーブル以外のテーブルに座っている人たちは、立った事に気がついてない。このままじゃ言っても気付かないだろう。
パン!!
手を叩き大きな音をたてて注目させる。みんな見てて、ヤマピョンがすごい緊張しているのが分かるが、なんとか気を張って立っているようだ。
「……や、ヤマピョン……」
消え入りそうな声だったが、聞こえただろうか?
遠くに座っているアオちゃんに合図を送る。手で大きく丸を作ってくれた。
よかった、聞こえたみたいだ。
俺も立ち上がって、残りは俺が引き継ぐ。
「じゃ、あだ名は今言った通り、恥ずかしがりやだからこれ以上は勘弁してやってくれ。二つ名は<猫娘キラー、子犬>だ。おびえた目で見つめられると何とかしたくなってしまう所からこの二つ名がついた。やる種目は長距離だ。俺なんかより、ずっと速く走る。以上」
「……よ、よろしく……」
ほんと、消え入りそうな声でしゃべる。注目してくれてなかったら、絶対気付かないぞ。
「これで、1年生は全部ね。じゃあ、2年生に移りましょうか?」
ウララ先生がそう言って、1年生の自己紹介は終わった。
まあ、2、3年生の人たちも四苦八苦してあだ名と二つ名をつけていたが、めんどいんで紹介しない。
すみません、先輩がた。
こんにちは、ルーバランです。
既に修正いたしましたが、突然でてきた事のないキャラの名前がありました。
後になって別の名前にしようと思って、マサからノンキに名前を変えたのですが、全ての部分を修正しきれてませんでした。
以前にも同じような事があり、これで2度目です。
修正前に読んでくれた人、混乱させてしまい申し訳ありません。
一応、投稿する前に見直しているのですが、誤字脱字が多いのは承知してます。
今後も気をつけていきますので、よろしくお願いします。
もしよろしければ、誤字脱字など、報告していただけると嬉しいです。
評価、感想もよろしければ書いてくださると励みになります。今後もよろしくお願いします。