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270話:いじられない宣言!?

今日の部活はポンポコさんもヤマピョンも来なかったなあ。ユッチと言い、最近はサボるのが慣習になってんのか? 

今更ほかの長距離メンバーと一緒に練習するわけにも行かないので、仕方がないから1人で練習してきた。

それにしても……部活に来ない人が現れたり、顧問が見つからなかったり、やる気のないメンバーがたくさんだったり。ほんと問題ばっかりだ。

何も考えずただ走っていたいなあ。






家に帰ってきて、サツキとケンと俺、いつもの3人。居間でゴロゴロしてます。


「サツキ、ケン。俺は決めた!」


「何をー? ヤス兄」


サツキ、聞いたらびっくりするぞ。


「……突然どうしたんだ? ヤス」


よしよし、ケンも注目しているな。今、2人に前々からちょっと思っていたことを話そうと思います。


「ふっふっふっ……聞いて驚け2人とも、今俺はここに宣言する! 今日から俺は、いじられない!」


「……」


「……」


「……」


「……」


……あれ、反応がないな。


「ケンちゃん、リモコンとって」


「あいよ」


「ありがと。最近のバラエティは芸能人だけが盛り上がってて面白くないよねー。やっぱり映画が面白いよ」


「そだな。んでサツキちゃん、借りてきたやつの中で、どの映画見る?」


……おいそこの2人。


「お前らさあ、『なんで?』とか理由を聞こうと思わないの!?」


「ええ、めんどいじゃん」


「そうだよ。それより私映画見たいもん」


俺の存在は映画以下ですかそうですか。


「いいから聞いてくれよ! 映画ならいつでも見れるじゃん!」


「えー、ヤス兄。話したいの?」


「話したいんです! 聞いてください!」


「しょうがないなあ、ちょっとだけだよ」


ありがとう……ってなんだか俺、立場低いな。





「それでヤス兄、突然どうしたの?」


「よくぞ聞いてくれた。俺、4月からずっと……いや、小学校の頃からケンとかサツキにいじられっぱなしだったじゃん。近頃俺、思うようになったんだ。『俺……今のままでいいんだろうか』って」


「いいんじゃないのー」


……俺の重大な決心なはずなのに、何でこんなに反応が軽いんだ? いやいや、ここで負けちゃ駄目だ。


「やっぱり高校生になったんだから、そろそろいじられキャラは卒業しなくちゃいけないと思うんだよ! ほら、都合よく陸上部にはもう1人ユッチと言ういじられキャラがいるじゃん」


「いじられキャラ2人いてもいいんじゃない?」


「そうだよ、ヤス兄。ユッチ先輩にだけいじられキャラを押し付けちゃ駄目だよ」


……なんでサツキもケンも俺をいじられキャラにしたがるんだろう。


「ここで、いじられキャラを卒業できなかったら俺は一生いじられキャラのままかもしれない、いや、いじられキャラになってしまう、いじられキャラにならなければならなくなるんだ。きっとそうなんだ。だからこそ今日ここでサツキとケンに俺の決意を聞いてもらってだな」


「ふわぁ……」


……こらケン、あくびなんてしてないで、ちゃんと俺の話を聞けよ。


「今ここに宣言する。今日俺は、いじられキャラを卒業します!」


「ケンちゃん、ポッキー食べない?」


「お、いいね」


「何で最後まで俺のセリフを聞こうとしないんだよ! ポッキーはおいとけよ」


「ヤス兄、ポッキーゲームするー?」


「あ、するするー………………ってそうじゃなくてさ!」


くそ、危うく話が脱線しかけた。ポッキーゲームよりも今はこの話だ。


「したくないの?」


「したいけど!」


「したいんだー、ヤス兄の変態ー」


「何でサツキから話しふっといて俺が変態に……って違う! 俺はもういじられないって決めたんだ!」


「うんうん、分かったよヤス兄。それじゃケンちゃん、話も終わったし、映画見よっか」


「そだな」


「待て待て待て、まだ話は終わってないって!」


話が終わるまで、映画を見るのはちょっと待ってくれ。


「私はラットレースが見たいなー」


「俺はバックトゥザフューチャーの方がいいな」


「……なあ、サツキもケンも何で無視するんだよ?」


人って最後まで話しを聞いてくれないとさびしいんだぞ。最後まで話しを聞いてくれるってのはうれしいんだぞ。


「や、だっていじられたくないんだろ? じゃあヤスに話しかけちゃ駄目じゃん」


「ケン、ちょっと待て! 今ものすごい問題発言が飛び出たぞ。俺に話しかける理由っていじるためだけなの!?」


「そりゃなあ。やっぱりヤスの存在意義っていじられてなんぼだろ?」


ええ? 俺がここにいる理由っていじられるためでしかないの? 俺からいじられるをとったら何も残らないの!?


「ちょちょちょ、そりゃないだろ!? 俺にももっとこう何か別のものがあるだろ!?」


「サツキちゃん、なんかあるか?」


「んー……………………」


サツキ、悩まないでくれよ。サツキにとって俺ってそれぐらいの存在でしかないの?


「家事?」


「ああ、それはあるな。一家に一台、ヤスがほしい」


「一台って何だよ。俺って物なのかよ!?」


勘弁してくれよ、これ以上何か言われると泣いてしまいそうです。


「ヤスさあ、そんなこと考えるのはやめといた方がいいぞ。人は生まれてきたときから、いじる側といじられる側に分かれていると思うんだよ」


ええと、それって俺は生まれてきたときからいじられるべくして生まれてきたと言うことなんでしょうか。なんていやなんだ……。


「って言うか今ヤス兄っていじられてるよねー」


「……あうう」


そういえば、宣言する前からずっとサツキとケンのペースだった気がする。こんな宣言をしてるときでさえ、俺はサツキとケンにいじられているのか……。


「でもさー、ヤス兄っていじられるのきらいなの?」


「いや……時々いやになることもあるけど、別にそこまでいやじゃないなあ」


むしろこの言葉の掛け合いが好きだったりする時もあるんだよな。


「じゃあいいじゃん。ヤス兄は今のまま、いじられっぱなしでも」


そうなんかなあ……何かが違う気もする。


「ヤスさ、世の中にはどんなにいじってほしくてもいじってもらえない人ももしかするといるかもしれないんだ」


そうかな……そうかもしれないな。


「だからな、いじられるってのはおいしいことだと思うんだよ。俺もサツキちゃんも、他のみんなもヤスだから安心していじれるんだよ」


そうなんだな……確かにそうかもしれないな。いじられるって言うのはおいしい事なんだよな。


「だからさ、ヤス。いじられるのやめるなんて言う宣言は取り消さないか?」


「そうだな……うん、そうするよ」


「おし。それじゃこれからもヤスの事、どんどんいじるから楽しみにしといてくれ。んじゃ話もまとまったところで、どの映画見る?」


……どこかで何かをまちがえたような気がしなくもないが、まあいいや。俺は今のままで。

さて、映画何見よっかなあ。

こんばんは、ルーバランです。


昨日、『なろうがもし〜』と言うのを書いてたらこちらを書く時間が……アホだ自分。

いじられるのが好きって言う人いますよね。私はいじるのもいじられるのも好きだったりします(^^


それでは今後ともよろしくです。

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
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