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267話:正解は不正解

ユッチを傷つけちゃったから、謝りに来た。今ユッチの家の前に立っている。


ユッチ、いるかなあ……いなかったらどうしようか。

玄関前でうだうだと悩んでいても仕方ないので、ポチッとインターフォンを押してみる。


『はーい』


あ、ユッチのお姉さんだ。


「ユッチの友達の近藤ですが、ユッチいますか?」


『あ、ゆうの事? 今ねー、いないのよー』


……まだ家に帰ってきてないのか。


『そうやってゆうが伝えてって言ってるの』


『バカバカバカあ! それじゃボクがここにいるってヤスにばれちゃうじゃんかあ!』


……ああ、うん。ユッチがいるってのがすごいよくわかった。ちゃんと家には帰って来てたか。これでユッチが家にいなかったらどうしようかと思ったよ。

ってか、居留守使おうと思うなんて……よっぽどあいたくないんかよ。


『ヤス君、あがって晩ご飯でも食べてかない?』


『ええええ!? お姉ちゃん、なんでえ!?』


……そこまで嫌がられること言ったのか? 俺……ちょっとへこむ。


「や、でも家で妹が待ってるんで帰らないと」


『そうだそうだあ! 帰れえ!』


『……………………………………ゆう?』


『……な、なにい? お姉ちゃん』


ユッチのお姉さんの声が1オクターブ下がった。空気も一瞬凍りついたみたいな気がする……ユッチのお姉さん、怒らせると怖そうだ。


『今はお姉ちゃんがヤス君と話してるの。だからゆうは黙ってなさい』


『……は、はい』


おお、さすが姉。あのユッチを黙らせた。お姉ちゃんパワー強し。


『妹さんってサツキちゃんだったっけ? サツキちゃんもうちに呼べばいいよ。ご飯は大勢で食べた方がおいしいよ』


それは確かに。


「それじゃお言葉に甘えて一緒にいただきます」


『どうぞどうぞ』


『うううう……お姉ちゃんのバカあ』


ユッチがなんかうなってたけど気にしない。







と言うわけでサツキもユッチの家にやってきて、ユッチのお姉さん、ユッチ、俺、サツキの4人で食事することになった。

お姉さんの旦那さんは今日は仕事で遅くなるんだとか。

サツキが来るまで、居間でユッチとユッチのお姉さんと3人でいたんだけど、ユッチが1回もこっちと目をあわそうとしてくれない。会話もさっきからユッチのお姉さんが間に入ってつっかえつっかえしゃべってる。なんだか気まずい……ユッチとこんな会話をする羽目になるとは。


「ユッチ先輩、ユッチのお姉さん先輩、お招きありがとうございます!」


「サツキちゃん、ユッチのお姉さん先輩ってやめてね。お姉さんかマコ姉くらいで呼んでよ。おばちゃんって言ったら頭殴るからね……と、さあ、4人そろったところで突然ですがクイズです!」


ちょっとそこのお姉さん、ほんとに突然ですな。


「今日の晩御飯はなんでしょう!?」


知るかあ!?


「1番、バンジー! 2番、バンバンジー! 3番、バンバンバンジー! さあ、正解は!?」


「はい!」


「はい、ヤス君!」


「バンバンバンババンジー!」


「……ぶー」


あれ? あの不朽の名作のCM……こんな感じだった気がするんだけど……。


「ヤス兄、センスわるう」


ええ!? ここはあえてまねるんじゃないのかよ!?


「あはは! ヤスってばバカだあ!」


「う、うるさいな! これしか思いつかなかったんだよ!」


と言うかここはこれが大正解じゃないの!?


「ボクだったらそんな答えしないもんねえ。ヤスはばかだあ!」


……むか。今、俺だけじゃなくてバンバンバンババンジーのCMをやったあの芸能人様までバカにしたな。それは許されない。それだけは許しちゃいけない!


「だったらユッチだったらどうやって答えるんだよ! 言ってみろい!」


「そんなの、バンバンジーに決まってるじゃんかあ!」


……ええと。


「……普通だな」


「普通ね。ゆうったらなんのひねりもないね」


だよな。お姉さんもそう思うよな。


「えええ!? だって今日のご飯、バンバンジーなんでしょお? バンジーもバンバンバンジーも食べられないよお?」


「そうなんだけどね」


そのとおり。お姉さんの言うとおり、確かにバンバンジーで正解なんなんだろうけど、それは違う。

ってかそもそもバンバンバンジーってなんなんだろう?


「……ユッチ、わかってねえな。芸人の正解は不正解なんだぞ」


「ヤスう、何言ってるんだあ?」


「いいか、クイズ番組でただ正解を回答する芸人なんてそんなやつは芸人じゃないんだよ。芸人たるもの、いかに観客を盛り上げる回答をするかがかぎなんだ! つまり、芸人にとっての正解は最も観客を喜ばせた答えが正解なんだ! 芸人にとって正解は正解じゃないんだ! ユッチ、芸人ならばあえて不正解を狙うんだ!」


「ボクは芸人じゃないい!」


「何を言う、俺達はコンビ名『落第レボリューションズ』でデビューするんだと誓ったじゃないか!」


「ヤスう、ボクにその名前を言うなあ!」


……なんで?


「ユッチ、今度のテストで赤点取ると留年の可能性がかなり高くなるらしいの」


「お姉ちゃん、そんなこといわないでよお!」


ってかそんなにユッチの成績って悪いのか。

……あれ? 今ユッチと普通にしゃべれてるじゃん。

これってユッチのお姉さんのおかげかなあ、ありがとうございます……お姉さん。

こんばんは、ルーバランです。


ちょっとなつかしのCMをパロりました。ご存知でしょうか?

どこかでこのCM、見られないかなあ……。


それでは今後ともよろしくです。

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カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
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