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265話:失言はぽろっと言ってしまう

今日は11月17日月曜日。

昼休み、屋上にて作戦会議。何の作戦会議かというと、長距離専門の陸上部顧問をもらおうというやつだ。

集まっているメンバーはポンポコさん、ヤマピョン、そしてユッチ。


「それでは第2回、『長距離陸上部の顧問を見つけよう』作戦会議を始める」


ポンポコさん、第1回っていつありましたっけ……って野暮なことを言うのはやめよう。


「そういや何でユッチはここにいんの?」


「いたら悪いのかあ!? ボク屋上でお弁当食べてたんだからいてもいいだろお!?」


「や、別に悪いとかじゃなくて、長距離の話だからユッチが聞いてても面白くないんじゃないかなあと思っただけであって」


長距離の顧問を誰にしようなんて、短距離にはまったく関係ないし、どうでもいい事かなあって思ってしまうんだけど、そんなことないんかな?


「……なにさあ……ボクだって参加したいんだあ……それともボク、いらない子なの?」


「あ、違う違う。そりゃもちろん、ユッチも参加してくれて全然かまわないんだけど」


そんなさびしそうな声で言わないで。悪気はまったくなかったんです。


「『けど』なんだあ……やっぱりボク、いらない子なんだあ……」


「違う違う! そんなつもりはまったくないっす! むしろユッチいてほしい! いてくれてすっごい嬉しい! ってかいなければ駄目だ!」


「……ほんとお? ヤス、嘘ついてないかあ?」


「ほんとほんと! ミスターポポ、嘘つかない! ヤス君も、嘘つかない!」


「ほんとおにほんとお? 嘘つきは泥棒のはじまりだぞお?」


「ほんとにほんと! ねえポンポコさん」


俺の言葉だけじゃ信じてもらえないかと思って、ポンポコさんに振ってみる。

ポンポコさんならきっといい事を言ってくれる。


「そうだな。ユッチのいない作戦会議なんぞ、わさびが入っていない寿司のようなものだからな」


「……ポンポコお、どういうことお?」


「わさびが入っていない、すなわち刺激がないということだ」


「……えへへえ、そうだよねえ。ボク、いてもいいんだよねえ!」


おお! すげえポンポコさん、ユッチの機嫌が直った!


「そうだよねえ! やっぱり何事も刺激がないと駄目だよねえ! ね、ヤス!」


「ううむ……そうか? 俺はまったりが好き。寿司でもさび抜きの寿司のほうが好きだったりするんだけど。なんだろ……刺激が強すぎると言うか、鼻にツーンとくるのがきついと言うか。みんなはどう思う?」


「……」


「……」


「……」


あ、あれ? 何でみんな黙るんすか?


「うううう……」


ゆ、ユッチ。何でうなってんの? もしかして俺なんかまずい事いった?


「違うぞユッチ。ヤスが言いたかったのは本当に寿司の話であ「ヤスのバカあ! どうせボクなんかいらない子なんだあ!」


ええええ! まってユッチ!

走り出したと思ったら、止めるまもなくまっしぐらに階段に駆け下りていってしまった。

ユッチが見えなくなってぽつねんと取り残されたポンポコさん、ヤマピョン、俺の3人。ええと、何がいけなかったんだろう?


「ヤス……何てことを言うのだ」


「あ、あれ? やっぱり今のって、俺が悪いんだよね?」


「当たり前だ、さっさと追いかけろ」


は、はいっす!







ええと……ユッチ、どこいったんだろう? とりあえずユッチのクラス行ってみるか? 確かユッチは1年2組。

教室前まで来て、ちらっと2組を覗いてみたけどユッチはいないみたい。うーん……ユッチの行きそうなとこってどこなんだろう? ユッチのクラスメイトで誰か知らないかなあ?


「すみません、ちょっといいっすか?」


入り口にたむろしてる女子の1人に声をかけてみる。友達としゃべってるところ申し訳ない。


「はい? 何か用ですか?」


「ええと、ユッチがよく行きそうなところ知らない?」


「…………ユッチ?」


ありゃ、ユッチってクラスの中じゃユッチって呼ばれてないのか。名字なんだったかな……忘れた。


「ええと、ゆうっていうちびっ子」


「……河辺さんのこと?」


「そうそう! 河辺河辺。めっちゃ元気なやつ!」


そだそだ。河辺って名字だった。思い出せてよかった。


「……元気? それって人違いじゃないの? 河辺さん、すごい静かな人だよ」


「……静かあ?」


あいつのどこが? アオちゃんや先輩達をいっつも引っ張りまわしてわーわー騒いでるじゃん。


「そうだよ? 河辺さんって休み時間も席についてぽけーっとしてるし、昼休みはいっつもどこかいってるし」


「そうそう、クラスのなんでもランキングで静かな人と何考えてるのかよくわからない人ナンバーワンにランクインしてるよね」


ユッチって嬉しいときはすごい笑顔で、怒ってるときはぷんすか怒って……何考えてるのかすごく顔に出るタイプだと思いますが。

あいつが静かねえ……なんでだろ?


「まあ、ユッチがどこにいるかは知らないってことっすよね。ありがとっす」


いっつも1人でいるってことはクラスメイトでユッチと仲よさそうな人はいないという事だよな。

ここで話聞いててもユッチはみつからなさそうだったので、さっさと別のところを探す事にした。


……それにしてもユッチが静かって考えられないだろ。


結局そこらじゅう探し回ったけど、ユッチがどこにいるかまったく見つけられないまま昼休みが終わってしまった。

……しゃあない、放課後部活がはじまったときに謝ろ。

おはようございます、ルーバランです。


昨日の夜、あまりにも眠くて20時に寝たら、2時に目が覚め、その後眠れないと言う事態に陥りました。

今とても眠いです……アホだ自分……。


それでは今後ともよろしくです。

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
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