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263話:待っていたのは?

11月15日、金曜日。現在昼休み中。弁当を食べ終わって、ケンと2人で手紙とにらめっこしてる最中。

ユッチから交換日記をもらった後、下駄箱にあった手紙の暗号解読に延々と悩んでます。


「なあ、最初のこの分ってやっぱり『すきです』でいいんかな?」


「……いいんじゃないか?」


ケンにも手伝ってもらってるんだけど、さっきからケンはやる気がない。

今の『いいんじゃないか』と言うセリフも『(どうでも)いいんじゃないか』と言うこと。

ケンのやろう、ちょっとぐらい一緒に考えてくれよ。


最初の1文の暗号文は『さささかかだだだださささ』。

携帯電話でメールを打つときどうやってるか考えたら、『すきです』になった。


さささ……さが3つ→さし『す』

かか……かが2つ→か『き』

だだだだ……だが4つ→だぢづ『で』

さささ……さが3つ→さし『す』


とりあえず、なんで暗号文で送ってきたのかは意味不明だけどラブレターには違いない。


「なあ、誰なんだろうな」


「さあ……ふぁあ」


このやろう、めんどくさがりやがって。


「ケンってさ、実はもう答えがわかってるとかないよな?」


「……わかってるけど?」


「だったらはよ教えろよ!」


何で教えないのさ!?


「なんか悔しいだろ、なんでヤスにだけラブレターが来るんだ?」


それだけかよ!? そんな理由!?


「……まあでも、そやなあ。誰が待ってるか知らんけど、待ってる相手もかわいそうだしなあ」


「あ、そなの? 誰かまってんの?」


「んーとな、最後の数字ばっかりの文、ここにそうかいてあるんだよ」


「どう書いてあんの?」


「えっとな、あの数字はすべてこの法則で書かれてるんよ」


そういって、シャープペンシルを持って、ノートに殴り書きを始めた。

ふむふむ……。


00〜04 あ〜お

05〜09 か〜こ

10〜14 さ〜そ

15〜19 た〜と

20〜24 な〜の

25〜29 は〜ほ

30〜34 ま〜も

35〜37 や〜よ

38〜42 ら〜ろ

43    わ

44    を

45    ん


「ああ! 『あ』が00だったのか」


01が『あ』だとずっと思ってた。おかげで全然できなかった。


「んで、この法則にしたがって『09451136021217193017184023』を解読すると」


ええと、何々? 『こんしゆうすつとまつてます』になるわけか。


「んで、『ゆ』は小さい『ゆ』とか、読めるように『こんしゆうすつとまつてます』を変換すると」


……こんしゅうずっとまってます。『今週ずっと待ってます』になる訳か。


「あ、今日が最後なんやね」


この手紙を見つけたのが月曜日。今日が金曜日。厳密には土曜日もあるんだけど、学校休みだし待っちゃいないだろう。


「んで、2つ目の暗号が、これだろ?」


シャープペンシルでとんとんと該当箇所をたたく。


----

じ│ね│き

─┼─┼─

え│て│く

─┼─┼─

ご│に│ま


┐┘Пコ└┌コП└□

----


「例えばこれ、『コ』、左側が開いているじゃん。んで、この3かける3の魔法陣の中で、左側が開いている文字ってどれだ?」


ええと、ええと……。


「『え』?」


「そそ、そんな感じ」


んじゃあ一番最初の『┐』は左下が開いているから『ご』になる訳か……。


「そうやって見てくと、これは『ごじにえきまえにきて』になる」


「ほおほお」


「で、全文を続けて読むと、『好きです。5時に駅前に来て。今週ずっと待ってます』になる」


「ほおほお」


駅前って学校の駅前でいいんかな? まあ、それ以外の駅前じゃわかりようがないし、きっと大山駅前だろう。


「まあ、朝5時っていうのは考えにくいから、夕方5時にとりあえず大山駅前まで行ってみたらいいんじゃね?」


あいあい。了解。













というわけで、部活をこっそり抜け出して駅前までやってきました。

とりあえず来ましたが、手紙をくれた人には悪いけど、断るつもり。やっぱりきちんと断っといた方がいいと思うし。

時刻はそろそろ17時になるところ。いったい誰が待っているんだろうねえ。


「げっ、ほんとに来た……」


「……はい?」


なんかすごいいやそうな声が聞こえたなあ。


「ほらー! ムムのいったとおりきたー。ぜったいくるっておもってたもん」


「はいはい、ムムの言ったとおりだね」


親子っぽい30代前半くらいの父と、ちっちゃな娘2人がとわいわいやってるけど、まああれじゃないよな。……ってか父親っぽいほうどっかでみたことある気が……。


「……ああ、キキ先生。何やってんですか?」


キキ先生、本名西森貴樹、理科の先生。授業をやると面白くクラス全員がおきているけど、雑談をするとクラス全員が寝始めると言うどこかおかしい先生。


「違う、私の名前は貴樹タカキ。お前のクラスのせいでだれも本名で呼んでくれなくなったんだ。」


「いいじゃないですか。親しみがあって」


「妻にまでキキって言われるのは嫌なんだ……貴樹ってよばれたい……」


……ええと、とりあえず、ごめんなさい。

でも、どうして奥さんにそのあだ名がばれたんだろ?


「キキ先生、誰か待ってる人いませんでした? ここで待ってるって手紙もらったんですけど見当たらないんですよね」


「それムム! ムムが書いたー!」


「……」


あれ? うそ?


「ええと、ムムちゃん?」


「そー! にしもりむむ! よろしく、ヤスおにいちゃん!」


「……え?」


えと、思考がおっつかないんですが。ええと、幼稚園児が手紙くれたって事? 高校の下駄箱の中に?


「パパにいれてもらったんだー」


ああ、キキ先生がねえ……ってキキ先生何やってんすか!?


「……ええと、ムムちゃんって何才?」


「6さい! ねんちょーさんなのー」


あ、さいですか……何がどうしてこうなったのかさっぱりわかんなくて、キキ先生に説明してくれと目で訴える。

自分の目線の意味が伝わったのか、キキ先生が口を開いた。


「絶対にお前に娘はやらんぞ」


伝わってなかった! そんなこと考えたことないです! 大体俺今16才! 6才に手を出したりしたら犯罪です!


「ロリコンヤスなんかを娘が気に入るなんて……私はなんて不幸なんだ」


キキ先生、俺ロリコンじゃないです! どこからそんなデマが流れたんですか!?


「ヤス、今日だけだからな、明日以降ムムに会える日はないと思え!」


や、まあ会わなくてもいいんだけど。西森先生はムムちゃんを抱っこすると、そのまま抱きかかえて帰ってく。


「ああ、パパー、ムムもっとヤスおにいちゃんとしゃべるー!」


「今日は変えるの、ママもミミもご飯待ってるんだから」


「はーい……それじゃヤスおにいちゃーん、またねー!」


「またねー」


抱きかかえられたムムちゃんが俺に向かって手を振りながら小さくなってく。

……ええと、結局何がなんだかわからないまま時間だけが過ぎていったんですが。幼稚園児に告白されたって事なのか?

しかも断るの忘れたし……何しに来たんだ俺。


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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
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