259話:ラブレター?
今日は11月10日月曜日。
先週の部活は休みをもらったり、カンケリとか、キックベースボールとか、ポートボールとか、フリスビーをしたり、いっぱい遊んでリフレッシュした。
ポンポコさんいわく、秋は時々リフレッシュしたほうがいいんだって。
特に短距離は春まで競技がないから、目標を見失うことも多いそうだ。そんな中単調な繰り返しの練習ばかりをしていると、先週の自分みたいに気抜けすることが多いらしい。で、気抜けした状態でどれだけ練習しても効果は上がらない。
いったんいろんな事して遊んで、心身ともにリフレッシュして、『走りたいなあ』という気分になってから走ると効果が高いのだとか。
……なるほどなあ……奥が深い。
今日からまたリフレッシュ期間は終わり、気分を切り替えて練習開始。
授業も終わりケンととぼけた会話をしながら下駄箱に向かう。
上履きを脱いで外履きの靴に履き替えようとしたとき、なんやら見慣れぬものがひとつ……。
……なんだこれ? 手紙?
手にとって裏表をぴらぴら見てみる。花柄のかわいらしい封筒に、裏側にはリボンのシールでとめられている。
「おお! 変人なヤスにも、春が来たぞ。なんと……ヤスにラブレターが!」
のぞきこんできたケンが大声でさけぶ。
「……」
いやちょっと待て。何かがおかしいだろ。
「誰に?」
「ヤスに」
「……何が?」
「ラブレターが」
「……………………………………………………………………………………はあ?」
「反応鈍いな、ヤス」
いやだって何で俺に? 自慢じゃないがこの高校で俺、めっちゃ評判悪いよ?
どこかで誰かにほれられるタイミングなんてあったかなあと思ってしまうよ?
明らかにケンのいたずらだろ。きっとそうだ、そうに違いない、そうに決まってる。
「言っとくが俺のいたずらじゃないからな」
なぜ俺の思考が読める!?
「ってか誰がこんなのをくれるんだよ? 高校で俺のことよく思っているやつなんてほとんどいないだろ?」
反省文500枚以上も書いた自分。最初の印象であいつは何かをやるやつと思われてしまったようで、俺の顔を見るとものめずらしそうに見てくるやつまでいる始末だ。
「何でそんなに自虐してんだよ? ヤスに手紙をくれるぐらいヤスのことをよく思ってる人も何人もいるって」
「ふむ……だれ?」
「ユッチ」
「友達やん」
「他にもアオちゃんとポンポコさん」
「いやいや! そのあたりの陸上部メンバーにまで嫌われてたら俺学校これないっす。めっちゃへこむ。って他にはいないの!?」
「…………………………………………」
「黙るなよ!」
「ううむ……」
「悩むなよ!」
なんだよ。いつもしゃべる人以外は俺のことよく思ってないって事じゃんか。
「ってことはこの手紙は俺に恨みを持った誰かが、この手紙をもらうことであたふたする俺の様子を見て喜んでんだろ」
「……小学生じゃあるまいし、そんなめんどい嫌がらせするやついないと思うんだが」
「そんなことはない! こういうのの中にこしょうを入れておいてくしゃみをする俺をどこかで笑うんだよ! それを見るのは結構快感だぞ」
「ヤス、ネクラだぞ」
いやあ、悪いことを考えるとどんどんと連鎖してしまう。悪い癖だと思うんだけど。
「ヤス、どうでもいいからさっさと開けろよ」
「いや、こしょう爆弾が」
「入ってないから! さっさと開けろ!」
ケンにうながされて恐る恐る開ける……うむ、こしょう爆弾は入ってない。手紙が一枚入っているだけだ。
「ヤス、さっさと読んでみろって」
あいあい。2つに折りたたまれた手紙を開いて中身を見てみる。
「…………」
「なんだよ。黙るなって!」
俺が黙って手紙を見てるのに痺れを切らしたケンものぞきこんできた。
「…………………………………………」
うん、まあ、ケンも黙るよな。
これをもらって、俺はいったいどうしたらいいんだろう?
---
今日の交換日記 やすあき
どーも、ヤスでやんす。
今日はびっくりな事があった。
なんと、俺の下駄箱の中に手紙が入ってた。
いやもうほんとびっくり。誰が俺の事好きなんだろう? とちょっとだけドキドキしながら手紙を開けました。
で、開いたときに書かれていたのがこれなんだけど、俺とケンで頭をひねらせたけどさっぱりわかりませんでした。
誰かわかったら教えてください。手紙の中、ひらがなばっかりだったんだけど、ユッチじゃないよな? ユッチだったらもうちょっと字が下手だし。
----
さささかかだだだださささ。
----
最初の一文がこれ。ちょっとびびった。
----
じ│ね│き
─┼─┼─
え│て│く
─┼─┼─
ご│に│ま
┐┘Пコ└┌コП└□
----
ほんとに何が書かれてるんでしょう? ちょっと不気味なんだよ。
誰か解いてほしいっす。
んで、最後の一行がこれ。
----
09451136021217193017184023.
----
分かったら教えてください。アオちゃんとサツキ、ついでにユッチもよろしく。
んじゃまたー。
おはようございます、ルーバランです。
よくある、「読者への挑戦!」というのをやってみたくなりました。
そんなに難しい暗号文じゃない(と思います)。
それでは今後ともよろしくお願いします。