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240話:お弁当作戦

今日は10月23日木曜日。


今は午前中の授業が全部終わって、お昼休み。

さてと、昨日ユッチとポンポコさんと作ったお弁当。かなりの量を作っちゃったんだよな。

父さん、母さん、サツキの分プラス、ケンの分までお弁当を包んでもまだ余った。

余った分をなんとなく学校まで持ってきちゃったんだけど、この量を一人で食べるのは絶対に無理。


どうしよっかなあ……。










このお弁当を食べてくれる人を探しにただいま2年生の教室へやってきました。あの人たちならきっと食べてくれるだろうし……しかし、知らない人だらけの教室に入っていくのはとても勇気がいるもんだなあ。

こそこそと教室の後ろのドアから入ったんだけど、上級生の先輩たちからなんだあいつ? みたいな目で見られて、とても居心地が悪い。


ええと、お目当ての人物は……あ、いた。


「こんちはっす、先輩方。一緒に食べましょう」


声をかけたのは、なんだかとってもお久しぶりな気がするゴーヤ先輩とキビ先輩。


「突然どうした? ヤス」


「昔、お弁当を作ってきてくれとゴーヤ先輩に頼まれた気がしましたので、今日作ってきました」


えっと、正確には夏休み4日目の事だったな。

お弁当を作ってきたと言うよりも余ったから食べてくださいってだけなんだけどね。


「……ああ、ようやくヤスも綺麗な先輩2人と一緒に食事したくなったんだな」


「ええ!? ほんと!? 私綺麗? いやあ、口がうまいね、ヤスは」


……誰もゴーヤ先輩もキビ先輩も綺麗だなんて言ってません。


「ヤスさあ、思った事すぐ顔に出すのやめてよ。結構傷つくんだよ」


「俺何もいってないっすよ!?」


「今ものすごく、『別にあんたら2人なんて全然綺麗だなんて思ってねえよ、はっ』って顔したもん」


「それじゃ俺最低じゃないですか! そこまでは思ってないです!」


「ちょっとは思ったってこと? うわあ、ヤスってひどいなあ」


うわ! 口が滑った。


「ごめんなさい! 『私綺麗』って言葉をきいて『口裂け女』を想像しました! 『化けの皮をはぐとすごい顔になるんだあ、あははあ』とかほんの少し思いました! でも、ほんの少しだけです!」


「……ゴーヤ、私時々思うんだけど、ヤスの心ってものすごく黒いよね」


うわ、さらに口が滑った!


「ごめんなさいごめんなさい! 『もしも俺が魔法の鏡だったら『私綺麗?』って聞かれた瞬間に割れるなあ』とか心の底でちょっぴり思いました! でもほんのちょっとだけです!」


「……うん、すごくひどい。どうやるとこんなに真っ黒になるのだろうと時々考えてしまう」


ごめんなさい! でもきっと俺はまともな人間!

前も思ったけど、キビ先輩はかわいい、ゴーヤ先輩はかっこいいって感じで、綺麗ってイメージじゃないからそんな事を考えただけです!


「それでですね! ご飯を一緒に食べませんか?」


「ヤスってば、強引に話を変えたね。ま、いいよ。ところでヤス、お肉ある?」


「……ええと、ウインナーがありますよ」


「ウインナーだけ? もっとお肉ないの?」


「ええと、ハムと卵ならありますけど」


「うーん、それぐらいあればいっかな」


キビ先輩、まだ肉ばっかり食べてるのかなあ。野菜も食べてほしいなあ。


「ヤス、野菜は何がある?」


「ほうれんそうの胡麻和えがあります」


ゴーヤ先輩は相変わらず野菜好きだし。キビ先輩の分まで野菜食べちゃ駄目ですよ?

机を引っ付けてお弁当を広げる。


「おお……ゴーヤ、サッカーボールだよ! タコさんウインナーだよ! こっちのおにぎりなんて目玉引っ付けて目玉の親父を作ってるよ! あ、これポニョじゃない?」


「そですよ、映画を見てからポニョが好きになりまして作ってみました」


ポンポコさんがサッカーボールおにぎり作っている間に、なんか面白いの作れないかなあと試してみた。意外とポニョに見える。

目玉の親父おにぎりはCOOKPADの中のレシピに載ってた。ご飯にねり梅、海苔を適当に載せたらほんとにできてしまった。COOKPADって面白いレシピも結構載ってるよな。

きゅうりにハムを巻いてつまようじをぷすっとさしただけの料理ともいえないようなものも、つまようじを赤白黄色のカラフルなものにしたら、突然綺麗なものになった。


ユッチの言うとおり、色ってすばらしいな。


「凝ってるなあ。いつもこんな感じなのか?」


「今日は特別です。いつもはもっと適当な感じですよ」


「ねえね、ヤス、早く食べよ。私この目玉の親父おにぎりが食べたい!」


どぞどぞ。


『いただきます!』













「もう一個タコさんいただき!」


「キビ先輩、ウインナーばっかり食べてないで、ほうれんそうとかも食べてくださいよ!」


「ほうれんそう、うまいな」


「ゴーヤ先輩! ほうれんそうばっかり食べてないでほかのも食べてくださいよ!」


「ちゃんとポニョを食べてるぞ」


「私も目玉の親父食べてるじゃない」


「その言い方怖いです! やめてください!」


「何言ってる。ヤスも猫を食べてるじゃないか」


「猫じゃないです! 『猫まんま』おにぎりです!」


くう、おにぎりが食べづらくなったじゃないか。


「ああ……おいし。ヤス、また明日もお願いね!」


……え?


「これから毎日作ってきてくれるんでしょ?」


「そんなこといってないっす!」


「明日はキティちゃんが食べたい」


人の話を聞いて!


「私はおむすびマンでいいぞ」


ゴーヤ先輩まで!?


「楽しみにしてるからね、よろしく!」


……え? 決定事項?


…………………………………………まじで?

こんばんは、ルーバランです。


何とか間に合いました……。


それでは。

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
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