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228話:人の気持ちを考える

「ヤス兄、最低」


「……えと、なんで?」


「ヤス君、それはヤス君が悪いですよ」


「……だから何で?」


「ヤス兄、それぐらい自分で考えてみてよ。考えたら分かるでしょ?」


……考えてみた。さっぱり分からない。


「……」


「ヤス君、分からないんですか?」


「……分からないっす。何で俺、ポンポコさんから『死ねばいいのに』なんて言われなあかんの?」


「本当に分かんないの? ヤス兄?」


……さっぱり分からん。ポンポコさんを怒らせるような発言をした記憶が無い。


「ヤス兄、今すぐポンポコ先輩の家に行ってきちんと謝ってきた方がいいよ」


「……」


「ヤス君、黙ってないで何か言いましょう」


……言ったら絶対ぼろくそに反論するだろ。そんなんはごめんっす。


今は練習が終わってサツキ、ユッチ、アオちゃんと帰宅途中。今日はポンポコさんからメニューを与えられなかったので、先週と同じ15キロ、キロ4分で走ってた。先週はポンポコさんが応援してくれたから張り合いがあったけど、今日は一言も声をかけてくれなかった……寂しい。


ポンポコさんから『死ねばいいのに』って言われた事と、ポンポコさんがそう言って怒るまでの会話を話したら、サツキとアオちゃんからけちょんけちょんにおとしめられ、やや落ち込んでます。


「ヤス君、ヤス君の言い分もきっとありますよね? 聞きますから、どうぞ話してください」


俺の言い分は、さっき話した所で終わりなんだが……もう一度話すか。


「ええとだな、駅伝って1人で走る訳じゃないじゃん、7人揃って走る訳じゃん」


「そうですね」


「7人の仲間ってマルちゃんとかノンキとか、やる気の無い先輩とか、そんな人ばっかりなんだよ。やる気が起きないんだよ」


「そうだね、その通りだと思うよ」


「俺は、そんなやる気ないメンバーとは一緒に走る気がおきないなって思うんだよ。だったら走らなくてもいいじゃん」


「ヤス兄、最低」


……なんで最低って言われるの?


「ヤス兄、周りの人の気持ちになって考えてみようよ」


「俺は全ての物事を主観的にしか見る事が出来ないんです! あなたとは違うんです!」


……。


……。


……。


あなたとは違うんですを何となく使ってみたくなった。

だが、周りの白い目を見ると使っちゃダメだったのかと後悔。


「ヤス君、今はふざけるのはダメですよ。それで周りの人の気持ちになって考えてみてください」


「人の気持ちなんて分かんないっすよ」


「ヤス君、分からなくても考えるんです」


……ええと、どう考えればいいかな。


「ノンキとマルちゃん、先輩の立場に立って考えてみる。今まで一緒に練習をしてこなかったヤスとか言うやつが、突然駅伝メンバーに入る事になった。その時のみんなの心『何あいつ』『邪魔やなー』『いいよいいよ、無視してればいい事やん』」


……考えなければよかった。みんなしてそんな事考えているんだろうか。激しく落ち込む。


「そんなメンバーどうでもいいんです、忘却の彼方にいってください」


ノンキ、マルちゃん、先輩方……アオちゃんの中ではみなさん忘れ去られようとしています。


「ヤスう、それ誰だったあ?」


そしてユッチの中では既に忘れ去られています。


「私は覚える必要の無いものは覚えないよ」


サツキにいたっては覚える気がありません……お前らはお前らでひどくないか?


「もっと大事な人の気持ちを考えてください」


…………分かりません、誰の事言ってんの?


「ヤス兄、ポンポコ先輩の気持ち、考えてみようよ」


ポンポコさんの気持ちがわからないから相談しているのであって、分かったらきっと怒らせてない。


「ポンポコ先輩って夏休みあたりから、ヤス兄のためにメニューを考えて、この練習をするとこんな効果があるって意義を教えて、時にはヤス兄1人の練習に自転車に乗ってつきあって、練習ノートの書き方も心構えもヤス兄のために考えて……ポンポコ先輩の気持ち、わかった?」


「わからん」


「えっとね、それぐらいヤス兄の事を手塩にかけて育ててるわけなんだよ。ポンポコ先輩にとっては、ヤス兄は弟子みたいな気分じゃないのかな」


なるほど。俺はポンポコさんにとって弟子と言う立場に置かれていたのか。


「やっぱり師匠にとって、弟子の成長をみるのはとても楽しいものでしょ。だから、頑張って育ててる弟子の成長を試合でみたいって気持ちがポンポコ先輩にはあると思うんだよ。にもかかわらず、弟子から『やる気ありません』『走る気はありません』なんて言われたら、弟子の活躍をみる事を期待してた師匠の気持ちに立って考えると、裏切られた気持ちになるんじゃない?」


……なるほど。


「『ポンポコさんは俺にとってはただの同級生で、師匠でもなんでもない。勝手に期待して勝手に裏切られた気分になって、そんな気持ち知ったこっちゃない』って言っちゃったらそれまでだけど、それだけヤス兄に期待してくれてるポンポコ先輩の気持ちも分かろうよ、ヤス兄」


「……すみません」


「謝る相手はポンポコ先輩だよ、ヤス兄」


……すみません、今は心の中で謝る。今度あったらきちんと謝ろう……いや、今からポンポコさんの家に行こかな。

おはようございます、ルーバランです。いきなり昨日投稿できずにごめんなさい。


人の気持ち……私は人の気持ち、さっぱり分からないんですよね。相手の立場に立って、自分だったらこうして欲しいと思う事、人にとってはどうでもいい事だったりします、逆に自分にとってはどうでもいい事が、普通の人には嬉しい事だったり(T_T


自分にとっちゃどうでもいい事だけど、人はこうしてもらえると嬉しいって考えながら行動するのって、とても疲れます。何かいい方法は無いでしょうか。


それでは。

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カカの天下
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