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214話:県大会、女子4継

女子4×100mリレー……第一走者のキビ先輩がスタート位置に着いた。

大山高校は7レーン。前方の8レーンの走者を追っていくポジションだ。


「位置について……よーい」


パン!


各走者が一斉にスタート。キビ先輩もきれいなスタートを切る。


「キビ先輩ファイト!」


「キビ先輩、ガンバ!」


キビ先輩の走り、やっぱりめっちゃきれい。

けど、すごくいい走りをしてるのに、やっぱり県大会は地区大会とはレベルが違う。

地区大会の時は8レーンの選手にグングンと追いついていっていたのに、今回は中々追いつけない。


「キビ先輩! ラスト!」


第1走者のキビ先輩から、第2走者のユッチへとバトンがつながる。

すごくスムーズなバトンパス。バトンパスの時に他のレーンの選手達より、かなりタイムを稼いだみたいに見える。

……ここ1ヶ月、すっげえ練習してたもんな。


「ユッチ、ファイト!」


「ユッチ、負けるな!」


いつものユッチのちょこまかした走り。他の人が一歩足を踏み出す間にユッチは2歩すすんでいる。

まさに風を切るって表現が正しい感じ。 風を切ってユッチが走る。

第2走者は他の高校もエースが勢揃いしている区間のはずだけど、ユッチは全く見劣りする事なく走っている。

さすが大山高校の小さなエース。自分で自分の事、黒の弾丸って言うだけあるよな。




第3走者、アオちゃんにバトンが渡る。

ユッチとアオちゃんのバトンパス、地区予選ではもたついてかなりのブレーキになってたけど、今回の県大会ではスムーズに渡った。

アオちゃんへは他のレーンの走者より、ちょっと速くバトンを渡す事が出来た。ひいき目が入ってるかもしれないし、ほんとに一瞬の差だったけど、多分大山高校が一番にバトンを渡したように見えた。

おし! この時点で、大山高校はトップに立ってるって事だろ。


「アオちゃん! 行けえ!」


……やっぱりアオちゃん、陸上始めてからまだ半年だからな。キビ先輩やユッチに比べて、走りが少し遅く見える。

実際、ユッチからアオちゃんに渡ってから、他の走者に追いつかれ、そのままスーッと追い抜かれていっている。


「アオちゃん! 踏ん張れ!」


「アオちゃん! 頑張れ!」


くそお……アオちゃんが半年間どんだけ頑張ったって言っても、今までの積み重ねとか、経験って言う大きな差があるよな。




コーナーを回ってゴーヤ先輩にバトンが渡った。

この時点で大山高校は6位。アオちゃんの所で5人に抜かれてしまった。ゴーヤ先輩が頑張って3人を抜かないと準決勝にはいけない。


「ゴーヤ先輩、ファイトです!」


「ゴーヤ先輩、抜いてー!」


無茶な応援だとは思うけど、やっぱり3人追い抜いて、準決勝に残って欲しい。

6レーンを走っている5位のランナーとは少しづつ差を縮めていっている。


「ゴーヤ先輩、負けんな!」






…………。


「……負けたかあ」


「負けちゃったね」


ゴーヤ先輩、5位の選手に限りなく切迫はしたけれど、結局追い抜く事は出来ず、6位のままゴールした。

タイムは速報で52秒51。地区予選の時より、0.29秒速くなっている。

それでも準決勝にすすむ事すら出来ないなんて、県大会のレベルの高さを思い知らされるな。


「……言っちゃいけない事なんだけど、大山高校のリレー、東海大会出場できるかどうかってアオちゃんのレベルアップにかかってるよな」


前にポンポコさんに女子1人1人の100mのベストタイムを聞いたとき、ユッチが一番速くて12秒台の記録を出した事があるって聞いた。

ゴーヤ先輩とキビ先輩も13秒台の記録を持っているって聞いた。それに対して、アオちゃんは未だゴーヤ先輩やキビ先輩のタイムより、1秒以上も遅いタイムの記録しか持ってない……。


「それはそうだよね。でもそんな事アオちゃん先輩に聞こえるように言っちゃ駄目だよ、ヤス兄」


それくらい分かってるよ。そんな事言われたらきっと責任感じるだろうし。

アオちゃんも自分自身のレベルアップにかかってるって事は自覚してるだろうし、そんな事言われなくてもきっと頑張るだろう。


「けど、来年は私も入るし、他の1年生も入るよ。もしかするとアオちゃん先輩がリレーメンバーから外されるって事もあるかもしれないけどね」


「……シビアな意見っすね、サツキ」


聞きようによっては、アオちゃんを落として私が入ってやるから、アオちゃんいらないよって聞こえる。


「そっかな? 私もリレーメンバーにはいって一緒に走りたいって言ってるだけなんだけど」


……言い方によって、こっちの聞こえ方が全然違うもんだな。

サツキも来年あそこで一緒に走っていられるよう、頑張ってな。


「ヤス兄も、ユッチ先輩やアオちゃんに負けないよう、頑張ってね」


「あいあい」


今日はなんだか、サツキが何故か俺を頑張らせようとせっつく……。

サツキと指切りげんまんもしたし、俺も今日からまた気持ち切り替えて頑張ります。

こんばんは、ルーバランです。


……また遅くなりました。すみません。

日曜日に書き溜めしておかないと、今週みたいにぼろぼろです。


明日は1日書く事に費やそうかな。


それでは。

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