212話:ケンの小説書き方講座
「ケン、改行ってどう思う?」
今日もケンが俺の家に遊びにきてる……ほぼ毎日の事だが。
明日は新人戦県大会って言うのに、自分らが試合に出ないと思うと、泊まりにきて夜更かしだ。
「なんだ薮から棒に」
「うーん、俺ってさ、紙になってる本ならまだ字が詰まってても読めるんだよ」
「そういやヤス、この前『レベル7』を真剣な目で読んでたな」
「ああ、あれは面白かったぞ……ってそうじゃなくて」
「ん? 結局なにが言いたいんだ?」
「や、ネット小説で字が詰まってるのは読むのがつらい、だんだんと目がチカチカしてくる」
「ふむふむ」
「で、ネット小説書く場合ってどれくらい改行を入れるのがいいんだろ?」
「さあ?」
……なんだそりゃ。
「ヤス、ヤスの場合は改行が多い方が好きって事だよな」
「そうそう」
「でもだな。人によってはメチャクチャちっちゃい字で、とにかく1画面にすごく情報が入ってる方が好きって人もいるんだよ」
……まじか。目、痛くなんないんだろうか?
「ってか10代、20代の方が傾向としてパソコンのちっちゃい字に抵抗が無いって聞くんだが……」
「そんな奴ばっかじゃないって。目の前に俺と言う例外もいるだろ?」
「そだな。だからネット小説を書く時は字の大きさは設定しないのがいいって聞くぞ」
「そのままの大きさがいいって事?」
「そうそう。携帯の設定とか、インターネットエクスプローラの設定で字を大きくしたり小さくしたりできるからさ。読んでいる人に任せる訳だ。同様に改行も読みづらくならない範囲内なら、書く人の好きずきでいいんじゃないかな? 他にも書く作法はいろいろあるらしいけど」
「どんな作法があんの?」
「3点リーダやダッシュは2個並べて使う」
「ああ、よく聞く。文を書く時の基本じゃね?」
「3点リーダの使いすぎは厳禁」
「なんで?」
「テンポが悪くなるらしい。3点リーダを書いてる時は読者も1拍おく訳だ。1文に1個3点リーダがあったら読みづらいんだって」
そうなのか。知らなかった。
「んじゃ次にいこか。エクスクラメーションマークやクエスチョンマークの後はスペースを1個入れるらしい」
「そうなん? 読みやすくなるのか?」
「そうらしいぞ?」
あんまり意識した事なかったなあ。
「段落を変えた時はスペースを1個入れる」
「それは知ってるけど……前そうやって書いてるネット小説、携帯で読んだらすんごい読みにくかったんだけど」
「それはあるな。ヤスがさっき言ってた改行? あれも改行が少なくて字が詰まってると、パソコンで読みやすくても携帯だとかなり読みづらくなってると思うぞ」
確かに。延々と文字だらけで、切れ目を見つけにくい。
「ただ、携帯で読みやすくしようと思うと、パソコンでは物足りなく思えるかもしれないけどな」
「どういうこと?」
「例えばだ、1話が2万字の小説、携帯で読むのはしんどくないか?」
「それはそうだな」
「けど、1000字の小説、携帯で読む分にはお手軽でいいけど、パソコンで読むのは物足りなくないか?」
「それもそうだな」
「どっちに読みやすくするかは書いてる内容にもよるんじゃない?」
「そっか……なるほどなあ。文法注意ってそんなもん?」
「文字の統一もそうなんじゃん?」
「えっと、どういう事?」
「例えば、『サツキ、好きだ、だいすきだ、すごくスキだー!』みたいな文の時に、ひらがなとカタカナと漢字を混ぜると読みづらくね?」
「何でサツキを例文に持ってくるんだよ!?」
「こう言う時はどれか1つに統一しないとな」
無視すんな!
……って文字の統一、それ全部やるのすごくめんどそうだな。
でも、ラノベでも統一されてるよなあ。売られる物ってやっぱり文章校正されてるんだな。
「後、どうとでもとれちゃう表現は避けるべき」
「ええと……例えば?」
「最近やったゲームで『男達が漁に出ていないから大変だ』ってセリフがあったんだよ」
「そりゃ大変だろ、漁師が仕事にいかずにグータラされたら妻達は、大変でしょうがないじゃん」
「いやいや、これはそう言う意味じゃなかったんだ」
……どういうこと?
「『男達が漁に出てて、村にいないから、女手だけでいろいろ生活していかなきゃいけないもんだから大変なんだ』って意味だったんだよ」
……わかんねえ。それは分からん。
「こういう表現はやめような」
「ラジャ」
「他には『の』は使いすぎない」
「えっと……『のっぽなノンノンとのんびりやなノノののんきなのうさぎょう』とか?」
「いや、そう言う事じゃなくてだな」
なんでだよ、今『の』を9つも使ったぞ。
「例えばだ、『俺の妹のサツキの白のパンツを洗うとき、胸の奥のどこかの部屋が突然鼓動を始める』とか」
「だからなんでサツキを例文に使うんだよ! しかもそれじゃ俺変態じゃん!」
「違うのか?」
「んなわけないだろ! 大体毎日洗ってたら見慣れるわい!」
「初めて洗った時は?」
「とてもドキドキした……って違うだろっ!」
「そうだな。話を戻すと、これは結局『妹のパンツでドキドキした』だけでいいって事だろ」
「端折りすぎだろ! 変態度があがってねえか!?」
「いいじゃん、ヤスは変態なんだから」
「それもそうか……って違うから!」
全く、俺のどこが変態だ。
「でも、一緒に寝たりしたいだろ?」
「それはそうだ! サツキと一緒に寝たい! 一緒に風呂に入りたい! 普通だろ!?」
「ヤス兄の変態」
……えっと……サツキ?
「……サツキ、どこから聞いてた?」
「『サツキと』って聞こえたから入ってきたら『一緒に風呂に入りたい!』って」
何でそんだけピンポイントなのさ!?
「ヤスに近づくと食われるぞ、サツキちゃん」
「そだね、離れてないとね」
「ごめん! 俺が悪かったから!」
サツキは自分の部屋に逃げてった。
くっそ、ケンの奴、ちゃっかりサツキの部屋に入り込みやがって。
うわ、開かねえ。つっかえ棒でもつけられたか?
「俺も部屋に入れてよ! サツキ!」
「だーめ、煩悩を無くしてからね」
「ヤスには無理だろ」
「そだね、ヤス兄エロエロだしね」
サーツーキー……仲間に入れてください。
こんばんは、ルーバランです。
最近、仕事が帰れなくて、書く暇がないです……言い訳です。ごめんなさい。
他にも『ドカーン』みたいな擬音語は使わないとか、会話文を続けず地の文を上手く使うとか、いろいろ文法作法はあるみたいなのですが……ぶっちゃけまだまだです。
読みやすく、楽しく読んでいただけるよう今後も頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いします。