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211話:授業参観、桃島姫

俺とサツキのコント『コンドコント』の後、サツキのクラスメイト達がどんな質問してきたか……。


心太(しんた)君からの質問

「あんたら兄妹で恋人?」


……『私たちに子供ができたら』のくだりでそう思ったらしい。

まったく、最近の中学生はませてんなあ。






他にもいろいろ質問されたけど、何とかのらりくらりと乗り切り、俺とサツキの発表は終わった。

まったく緊張する、人前で発表なんてしたくないな。

ちなみにサツキの発表は7番手。残り3人発表が残ってる。

さっきまで緊張しっぱなしだったもんだからここまでどんな発表があったかほとんど覚えてないんだよな……ここからはクラスの連中がどんな発表をするのかのんびりと見れる。ちょっと楽しみ。


8番手、英敏ひでとし君の発表。外見、がたいがいい。


「ども、こんな名前にされたけどテストの順位は下から数えてのヒデです。小学校のあだ名は『名前負け』でした。意味がわからず笑ってましたが、最近知ってものすごくむかつきました。この間、『名前負け』と俺の名を呼んだやつ、ちょっと殴っちゃいました。泣かれました。泣けばすむと思ってんのかともう一回殴りました。思いっきり泣かれました。今では俺の恋人です」


……のろけ? すごい馴れ初めですな……ちょっとムカついた、クラスの男子の半分以上がちょっとムカッとした。


9番手、大和やまと君の発表。


「宇宙戦艦ヤマト、合唱で歌うとすごくかっこいい。キンタの大冒険、独唱で歌ったら女子全員に白い目で見られた。正義の味方はあてにならないを歌ったら、『そりゃあんたにはできねえよ』と笑われた。かたくり粉を歌ったら、『たまにはまじめな歌を歌ってくれ』と命令された。じゃあとTSUNAMIを歌ったら、『うまくてむかつく』と怒られた。僕はどうしたらいいんだろう」


カラオケは楽しければいいと思います。頑張れ大和君。


10番手、トリ、心中ここなちゃんの発表。


「ご父兄の皆様こんにちは。今日は、私の考えた昔話を発表します! 題は『桃島姫』」


……桃太郎? 浦島太郎? かぐや姫?


「昔々、あるところにおじいさんとおばあさんがいました」


ふむふむ、すごく普通の入りじゃないか。桃太郎のプロローグと一緒じゃないか?


「おばあさんは川へ洗濯に、おじいさんは山へしばかれにいきました」


こわっ! 何でおじいさんしばかれにいくの!?


「おじいさんがぼこぼこにされていると、一本のきらきら光る竹がありました」


うわっ、ものすごく脈絡なく竹が光りだしたな。桃太郎の場面から一気にかぐや姫のシーンに移ったのか。


「『こ、この竹はなんだ!』ぼこぼこにされながらおじいさんは叫びました。そして持っていた斧で竹をパカンと割りました」


斧を持ちながらぼこぼこにされんな!


「すると、なんと竹の中になんとも愛らしい男の子がいるではありませんか。おじいさんは言いました。『なんともおいしそうな男の子だ。かえってばあさんと食べよう』」


こええよ! って竹の中にいるのはかわいらしい女の子!


「ぼこぼこにしていた亀が言いました『これ、小さな男の子を食べようとするのはやめなさい』」


亀はぼこぼこにされる役! いじめるのを助けるのは浦島太郎!


「おじいさんの魔の手から男の子を救い出した亀は、竜宮城へ男の子を連れて行きました。男の子を食べ損ねて悔しい思いをしているおじいさん、家に帰ってみたらおばあさんがなんとも大きな桃を持っているではありませんか」


……この話はどこへ収束するのだろう。


「喜んだおじいさん、包丁を持ってきて桃をパカンと割りました。すると、中から凛々しい女の子が出てきました。開口一番『キビ団子よこせ』」


……やな女の子だ。


「すくすくと育った女の子『桃島姫』。年頃になってきて、そろそろ結婚する相手がほしくなってきました。鬼退治という建前で結婚相手を探しに旅に出ます」


かぐや姫は天皇からも言い寄られていたのに……『桃島姫』、もてないのか。

頑張れ桃島姫。


「結婚相手を探しにとうとう竜宮城まで来てしまった桃島姫、そこで出会ったのは、かつて亀に助けられた竹から生まれた男でした」


……そか、竜宮城で物語の冒頭で出てきた男と女が再開するわけか。


「男は桃島姫を見て言いました。『ばぶー!』。めでたしめでたし」


めでたくないだろ!? それで終わっていいのか!?


……などなど、こんな発表会でした。






サツキと部活しに高校に行ったら、職員室に呼び出しをくらった。

実は先生から授業参観に行く事の了解はもらえず、高校を抜け出してサツキの中学校に向かったもんだから、けちょんけちょんに怒られた。

そんな規律に厳しくならなくたってちょっとくらい……ごめんなさい。


また反省文を書かされるはめになったのだが、そろそろ反省文に書くネタがないなあ……4月から合計でもう500枚以上も書いてるし……それだけ書けば反省することないっすよ。

こんばんは、ルーバランです。


笑いとは、素人が狙ってできるものではない。

と思った昨日と今日でした。

プロの芸人ってすごいなあとしみじみ感じました。


それでは。

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カカの天下
オーダーメイド
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