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208話:少女漫画

今日は9月23日火曜日……昨日は球技大会だった。

サッカーをやっていたんだが、俺もケンも球技はとことんまで駄目なので、思いっきり足を引っ張ってました。


最下位決定戦で2人でゴール決めた時は歓声が上がったなあ……相手の応援席から。

クリアしたつもりのボールがケンの後頭部に当たり、そのまま自分のゴールへ……それが決勝点になったからなあ……。


という訳で少々落ち込み気味。昼休み、自分の机に突っ伏してぐだぐだしてる。


「ヤス君ヤス君! お待たせしました、ようやく持って来れましたよ!」


「……なんのこと?」


「忘れたんですか? ヤス君が少女漫画、どうしても読んでみたいって言うから持ってきたんじゃないですか」


アオちゃん……俺そんな事言ったか?


「……まあ、ヤスなら普通?」


「や、別に読んでもいいんじゃん?」


「そうそう、俺も読んだし」


お、今回は何か変な目で見られてないっぽい。


「そうか? ヤスが真剣な目をしながら少女漫画を読みふけってるところを想像してみ?」


「……まあ、漫画にもよるんじゃん? 『ときめきトゥナイト』と『フルバ』は俺も読んだぞ」


「俺は『姫ちゃんのリボン』と『赤ずきんチャチャ』読んだ」


ふるっ。


「……俺がおかしいのか?」


「適当な奴、お前も読んでみるといいかもよ。『スローステップ』とか少女漫画だけどとっつきやすいと思うぞ」


確かにとっつきやすいけど、『スローステップ』が読めても他の少女漫画が読めるかどうかは疑問だ。


「ん、わかった。そうしてみる」


……ふう、よかった。変人にならなかったな。


「以前、ヤス君から『ベッドシーンはエロ本で読みたい』と聞きましたので、そういったシーンが無いものを選びました! 『ベッドシーンのあるエロ本』は妹のサツキちゃんに買ってもらってくださいね!」


……。


……。


……。


……。


「なあ、ヤスって普段アオちゃんとどんな会話してんの?」


「アオちゃんが気にしないからってエロい言葉をかけまくってんじゃね?」


「捕まった方がよくないか?」


「しかも妹って何だよ」


「……義妹?」


「そんな漫画みたいなのはないだろ……やばっ」


……いいよいいよ、どうせこのクラスでの俺の評判なんて墜落寸前なんだから。

時々思うんだが、アオちゃんって本当に天然なんだろうか? わざとというか、狙って言ってないか?


「ってかアオちゃんの家ってそんなに漫画あんの?」


「母も読みますから。母が結構買ってくるんですよ」


ふーん、そうなんだ。


「で、何を持ってきてくれたの?」


「1つ目は以前サツキちゃんからリクエストがあった『桜蘭高校ホスト部』です!」


1つ目って……そんなにたくさん持ってきてくれたんだろうか?


「恋愛も多少ありますが、コメディ中心で楽しく読める作品です。まだ完結はしてませんが、サツキちゃんも好きだと思いますので、是非ご一読を!」


どもども……ってなんで10冊以上も一気にくれるんだろう?

これだけでも持ち帰るの大変なんだけどなあ。


「2つ目は学園コメディ『おちゃらかほい!』」


……聞いた事無いなあ。


「10年ほど前に『ちゃお』で連載されていた作品です。やぶうち優先生作です」


ええと……漫画家の名前を言われても分からない。というか10年前もの作品をよく見つけてきたなあ。


「ギャグ中心の作品ですから、サツキちゃんにもおすすめですよ。絶版になっちゃってますが、ネットで探してみると見つかるかもしれません」


ふむふむ、後2巻くらいならもらってもいいか。


「ありがとさん」


「3つ目は『花ざかりの君たちへ』!」


そんなに一気に渡さないで!


「以前ドラマ化されたそうですが、私の家テレビが映らないので見られなかったんですよ」


「ほおほお」


「ドラマ化する時に内容も所々変わったみたいですし、是非読んでみてください!」


「ありがと……って何この量!?」


「それはだって全23巻ありますし」


……いきなり全巻持ってきてくれなくてもいいのに。


「4つ目は」


「まだあるの!?」


もうすでに40冊近く持ってるんだけど……これ持ち帰るの一苦労だし。


「これが最後ですから、大丈夫ですよ」


「……それならいいんだけど」


あんまりよくないけど。


「ラストは『ラブ★コン』です」


「……あれ? それ映画化されたやつじゃない?」


「あ、知ってたんですか。残念です……」


「いや、映画は見に行ってないから中身は全然知らないんだけど……」


「それなら是非読んでください! ヤス君も読みましたらキュン死にしちゃいますよ!」


「……キュン死にって……」


「ヤス君が『キュン死にしちゃった』なんて言ったら私、キモ死にしちゃいますけど」


よく分からないがバカにされてる気がする……何かアオちゃんひでえ。


「それでは、どうぞ」


「ありがと……ってまた全巻?」


「それはそうですよ、一気に読みたくないですか? 私頑張って持ってきたんですよ」


勧めてくれるその心は嬉しいんだけど……。

どうやってもって帰ろう。

おはようございます、ルーバランです。


自分もすっかり忘れていた81話の続きです。


少女漫画レビューになってますね。

女子が少年漫画購入するのは抵抗ない気がするのですが、男子が少女漫画を買うのは抵抗がある気がします(私の偏見)。少女漫画も面白いので、もっと気軽に買えたらなあと思う今日この頃。


それでは。

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
うそこメーカー
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