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20話:ストレッチの仕方

さて、部室も出て今日も練習前の集合をする。(先ほどのコマネチの事は忘れた)

今日は俺も参加するために、Tシャツにハーフパンツになって、集合した。


ウララ先生の挨拶も終え、短距離と中長距離に分かれる。


「じゃ、俺は長距離にいくから」


「俺は今日も短距離だ。ヤス、また後でな」


ケンと別れ、中長距離が集まっているグループへいく。こっちにはウララ先生は来ないようだ。



先輩の一人が1年生に向かって挨拶をする。今日来てるのは俺も入れて2人だけだ。

中長距離の先輩は全部で7人いた。短距離は女子もいたが、長距離は男子だけだ。


「俺が3年生で、長距離ブロックの部長だ。今日もよろしく。今日初めての人もいるので、軽く説明しておく。

ウララ先生は短距離が専門だから、長距離種目の練習についてはほとんど知らない。俺たちは自分たちでメニューを組んで練習している。」


先輩までウララ先生になったか。いつか全校生徒がウララ先生と呼ぶ日が来るかもしれない。

ウララ先生は短距離専門だったか。ケンは短距離決定だな。


「といっても、見ての通りグラウンドは野球部、サッカー部、ハンドボール部、陸上部短距離、それにダンス部が使用していて俺たちが練習するスペースはない」


ダンス部はわざわざグラウンドで練習しなくてもいいんじゃないかな? むしろダンス部だったら体育館のステージ上で練習した方が、よっぽど上手くなると思うんですが。スペースを分けて下さい。


「だから、俺たちは道路を走る。幸い、この辺りの道路は道幅が広く、視界もいい上、あまり車が走らない。横に広がらない限りは基本的に大丈夫だ。」


長距離の練習は道路を走るだけなのか?


「走りに行く前に、まずは各自ストレッチをする事。15分後に行くからよろしく」


そう言って、長距離の先輩連中は散っていった。

残ったのは俺ともう1年生だけだ。


仕方ないので、昨日短距離で見たストレッチを行いながら、体をほぐしておく。

隣に突っ立ってる1年生は、おろおろしてて何とも頼りない。


「……あ、あの……」


俺に話しかけているのだろうか?15分後にスタートするんだから、もっと急いでやらないと、間に合わないぞ。


「……なんですか……?」


顔も向けずに、ストレッチしながら答える。


「え、と……同じ……1年生……?」


何でこんなにこわごわとしゃべっているのだろうか?俺はそんなに怖い顔してるのか?そいつからは見えてないはずだが。


「……そうですけど……」


「お、俺……山本武<ヤマモト タケシ>……」


これは、俺も自己紹介をしないとまずいのだろうか?

山本武と名乗ったやつに目を向けると、ぴくっと反応した後、びくびくと俺を見つめ続ける。

……俺、そんな怖い顔してんのかな。今まで言われた事ないんだが。


「……俺は、近藤康明<コンドウ ヤスアキ>、よろしく……」


「……う、うん!!」


激しく首を上下に振る。なんか首がちぎれそうだ。……想像してしまった……気持ち悪い。


「お、俺……昨日……1人……」


昨日は長距離参加者の1年生が山本武1人だったのだろうか?単語ばかりで分かりにくい。

それよりも、ストレッチはしないと……ウララ先生が言ってたが、練習前にきちんと体を伸ばして、あたためておかないと、怪我の元になる。


「……ストレッチしないの……?」


こいつをほっといて怪我をするのは寝覚めが悪いため、とりあえず聞いておく。


「……え、と……」


待たされるのはすんごいイライラするが、我慢して待つ。


「……何……?」


俺が聞きたい! 何ってなんだ! 何って!


「……わからない……」


「だから! 何ってなんだよ! 俺の方が分からないよ!」


しまった、つい怒鳴ってしまった。

うわ、めちゃめちゃびびってるし……ケンとかサツキならこれぐらい怒鳴っても、全然びびらないし、むしろ俺をいじって楽しんでるんだが。


「あー、悪かった。で、何が分からないんだ?」


びびりながらでも、なんとか俺に答えようとうなっている。


「……ス、ストレッチ……」


「……ストレッチやった事ないの? 体育の時間でも、初めに体操するでしょ? 分からなかったら、そう言うのをやればいいんよ」


「……で、でも……」


ちらちらと先輩達を見つめている。


「……あー、確かに先輩がやってるのとかは、体育でやるのとはちょっと違う事やってるよな。だったら、聞いてくればいいんんじゃないの? ってか昨日も来てたんだろ? 昨日はお前どうしてたんだよ?」


「……う、うー……」


あ、一度にいくつも聞きすぎたか?

さっきから一つの質問にすらまともに答えれてないのに、こんなに聞かれたら、混乱するか?


「じゃ、俺がついて行くから先輩に聞いてくれ。そうすればやり方分かるだろ?」


ここで先輩に引き渡して、俺の仕事は終わりだ。後は先輩に任せよう。


「……無理……」


「なんでやねん!!!」


うわ、めちゃベタなツッコミだ。こんなん使ったの初めてだ。そして……、


「……ごめんなさい……」


やってしまった。またびびってしまった。


「あー! もう、謝らなくていいから! じゃあ、ほら、俺が今からやるストレッチを一緒にやるぞ! とりあえず、やり方と効果を説明するから、きちんと聞いとけよ!」


「……ご、ごめんなさい……」


「怒ってる訳じゃないから! 謝るな!」


「……う、うん……ごめんなさい……」


「……っ!!!」


叫びそうになったが、ぐっと我慢する。

怒鳴れば謝り続けるのが分かったからだ。


「じゃあ、始めるぞ。まず両方の足を伸ばして座ってくれ。その後、片方の足だけ折り曲げるんだ。かかとが尻につく感じに曲げる。スライディングしてる格好になるだろ、いや片足だけ正座している感じかな……」


自分の体が硬い……受験期間でどんだけ硬くなってんだよ。きちんと風呂上がりにストレッチしとけばよかった。


「……こ、こう……?」


俺の真似をしながら、山本武が聞いてくる。


「そうそう、できたらだんだん後ろに倒していけ。無理はするな。……ってお前も体硬いな……ほとんど後ろにいかないじゃん。」


俺と同じくらい硬いやつがいるとは思わなかった。


「……ご、ごめん……」


「別に怒ってないから。で、このストレッチをしているときは、ゆっくりと呼吸をしてくれ。鼻から空気を吸って……口からゆっくりと吐く。ストレッチをしている時、ついつい呼吸が止まって力が入りすぎるが、それはあまり効果がない。ストレッチは体をほぐす事が目的なんだから、力を入れちゃ駄目だろ?」


「……え、と……」


「よくわからないなら、ストレッチするときは息を止めない。ってことを覚えておいてくれればいい。で、この体勢を最低でも10秒は保つ事、本当はもうちょっと長い時間やった方がいいが、時間が無いからな。焦って短い時間やってもしっかりと伸びないから、効果がないぞ」


「どこが伸びてるか分かるか?これは、太ももの前の部分を伸ばしてる。走ってる時、ここが筋肉痛になる事は無いか?野球部で長い時間走らされた時、この部分がよく痛くなった。十分に伸ばしておかないと、怪我しやすくなる。特に俺たちは体が硬いから、怪我しやすい」


「……うん……」


「これだけじゃなく、別の事前準備をしっかりしておかないと、駄目だぞ。次のストレッチを始めるぞ」


その後、10分程度かけて、ストレッチを終えた。最初に時間がかかったので、もう長距離の練習が始まる時間だ。


「おい、一年生! 練習に行くよー!」


呼ばれてしまった。仕方ない、行くか。


「ストレッチは一通りした。ほんとは2人組になってするストレッチとか、他にもしておいた方がいいが、今日の所はしょうがない。先輩達についてくぞ」


「……く、詳しい……」


「……昨日の短距離の練習でやってたストレッチだ。全部ウララ先生の受け売りだ。」


途中のドリルの部分は結構忘れてしまったが、ストレッチだけは野球部のときやっていたのもずいぶんあったおかげで覚えてた。よかった、覚えてて。


……なんで俺は、このおどおどした山本武というやつの面倒を見ているんだ?

うーん……まあ、今日これだけ説明したんだから、明日からは大丈夫だろ。

明日は俺、別の部活も見てみたいし。



こんにちは、ルーバランです。


東京に友人に会いに行ってカラオケです。


めちゃくちゃ眠いです。今から寝ます。


今後ともよろしくお願いします。

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
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