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194話:お昼休み、双子理論

その後、100mハードルと110mハードルでキビ先輩とボーちゃん先輩がそれぞれ決勝進出を決め、

100mではユッチが13秒40を出して準決勝進出、その後ゴーヤ先輩が400mで61秒57の自己ベストを出して決勝進出を決めた。ゴーヤ先輩はまだまだいいタイムが出せると意気込んでる。

マー君先輩の100mは11秒99と、マー君先輩自身初めて12秒切りを果たしたけれども、全体で27番目のタイム、惜しくも準決勝進出はならなかった。

他のメンバーは……散々な成績なので割愛。


現在、グラウンドでは女子の3000mウォークが行われてる。うちの高校が誰も出場してないので、この時間を利用してサツキ、ケン、アオちゃんと昼食中。

今日のメニューはご飯にミックスベジタブルを入れて、ケチャップかけてじゃっじゃっと適当に炒めたなんちゃってチャーハン、鳥の唐揚げ、ほうれん草を入れた卵焼き、ポテトサラダ、そしておやつにバナナ。

楽しみにしていたバナナはユッチのお腹の中に。『バナナは元気が出るから食べたいんだあ!』って言われてついあげちゃった。

3本も持ってきたのに全部食べられたのがちょっとショック。


「ヤス兄、もう県大会出場が決定してる先輩って結構いるんだよね」


「ああ、結構多いぞ。……えっと、今んとこ県大会出場は女子が4継、100mH、400mの3種目、男子が110mHの1種目か」


インターハイ地区予選の時は全日程が終わって4種目しか出場できなかったのに対し、今回の新人戦ではすでに4種目出場してる。


「ケンちゃんもコースアウトしなかったらきっと県大会出れてたのにね」


「サツキちゃん、その事は忘れてくれ……すっげえショックを受けてんだから」


……レースから戻ってきたとき、全然しゃべろうとしなかったもんなあ。

別に他の競技者の走路妨害をしたわけでもなく、内側に入ってショートカットをしたわけでもないんだから……と言っても審判いわく、隣のレーンにかなり入り込んだらしいので仕方ないのかも。


「そういや、ポンポコさんが言ってたぞ。ケンは短距離より中距離のが向いてんじゃねって」


「なんで?」


「体力がある。400m走ってもなおスピードが落ちない」


「……俺、もともとは100m志望だったんだけど」


「それじゃあ何で今回、400mに出る事になったん?」


「ウララ先生の勧め。俺は最速になるまで時間がかかるから100より400の方が向いてるだろうと言われた」


最速になるまで時間がかかるのに50m走は6秒3か……うらやましい。


「ウララ先生もケンは長い距離走った方が向いてるんじゃないかって思ってんじゃん。ケンさ、400だけじゃなくって800とか1500に挑戦してみない?」


「800、1500じゃ短距離で練習できねえじゃん! ウララ先生に教えてもらえないじゃん!」


……ケンは煩悩の固まりだ。俺も人の事は言えないが。


「ケン君、よく考えてみてください」


お、アオちゃんが何か説得に入りだした。


「好きな人にアタックする場合は押してばっかりじゃ駄目なんですよ。いつもすごく近くにいたら、恋愛感情は生まれません。よく言うじゃないですか。『押して駄目ならひいてみろ、それが駄目なら横に開けろ』ですよ」


……ドアの話になってるやん。


「えっと、つまりは短距離で練習してたら存在が近すぎて相手にしてくれないけど、中距離に移ればちょっと存在が離れるから意識してもらえるって事か?」


「そうですそうです!」


……ありえないだろ。


「確かになあ……」


ケン、納得するな!


「や、でも俺短距離のが上位狙える気がするんだけど。長距離の才能はあんまりないかと」


確かにケンの足の速さなら短距離向いてる気がする。


「ケン君、長距離は才能じゃないですよ。なぜなら短距離より長距離の方が遺伝子に左右されないんですよ」


「……アオちゃん、遺伝子って何?」


ここで遺伝子が出てくる理由が分からん。


「東京大学は東京大学教育学部附属中等教育学校で双生児枠と言うのを設けていまして、そこで双子の研究と言うのしているんですよ。その研究によりますと、双子で学力とか運動能力の差を双子で比較した時に、短距離は双子でそんなに変わらないそうですけど、長距離の場合は短距離より差が出るらしいんですよ」


ええと……同じ遺伝子を持っていると、短距離の実力はそんなに変わらないが、長距離は変わってくる。つまり、短距離はもって生まれたものが結構関係してくるが、長距離は頑張りゃ強くなるって事かな?

……なんでアオちゃんは東大の研究を知ってるの?


「もちろん、短距離でも練習すれば強くなると思います。ですけど、中長距離に転向してみるのも面白いかもしれませんよ」


「練習量がすっごい多いケンちゃんなら、長距離って向いてるかもね」


「800m以上ならクラウチングスタートでスタートしなくてもいいですよ。1500mからならコースアウトの失格もないですよ」


「……考えさせて」


俺的にもケンが一緒に練習してくれるってなら嬉しい。

ケン、長距離に転向してくんねえかなあ。


「そういうアオちゃんは中長距離に転向しようとかは考えないの?」


「私が中長距離転向したらリレーが組めないじゃないですか。それにリレーってすごく面白いんですよ」


……単純に自分が好きな種目をやればいい気もするな。










『ごちそうさまでした!』


ケチャップライス、簡単で上手い。また今度つくろ。


「ヤス兄、そろそろユッチ先輩の100準決勝だよ。応援いこ」


「そだな。行くか」


……ユッチが県大会出場できますように。

こんばんは、ルーバランです。


今日は熱出してぶっ倒れてました。1日寝ていたら回復しましたが……3ヶ月に1回熱を出すなんて……どれだけ体弱いんだって気がします。


双子理論、短距離の方が差がないとは言いますが、なんだかんだ言って練習量で変わってくると私は思います。

ちなみに長距離以上に差が出るのは球技だそうです。

技術的なものは遺伝より練習が大きく関係するみたいです。


参考にさせていただきました。

http://www.eps4.comlink.ne.jp/~aasaka/twin7.html

http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/blog/node/2356


それでは。

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カカの天下
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