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191話:新人戦地区予選開始

9月13日土曜日、新人戦が今日から2日間。

天気は曇り、風もほとんどない。今日は天気予報によると1日中曇りらしい……走る分には暑すぎず、すごい好条件の天気だ。

場所取りのために6時半に家を出た。サツキも一緒に来てくれてるんだけど……よく起きれたなあ。

現在は競技場最寄りの駅を降りて、サツキとのんびり歩いてる。


「ヤス兄、緊張して眠れない事なかった? ちゃんと寝れた?」


「寝れた寝れた。ぐっすり寝れた」


「私が添い寝してあげたおかげだね」


「だな」


「……同意しないでよ。ヤス兄」


……まあ本当は2人とも自分の部屋で寝てたけど、つい同意したくなった。

ってか俺の試合、今日じゃねえもん。そんな緊張しててもしゃあえなあと思ってしまったんすよ。


「それにしても……いっくら俺が今日出場しないからってさあ……ビデオもブルーシートも俺が持てってどうなんだろうな?」


「いいじゃん、明日は誰かに変わってもらえばいいだけだよ」


ま、そりゃそうか。


「ヤス兄、今日はケンちゃん、出場するの?」


「出場するぞ。ケンは400だ」


「県大会、行って欲しいね」


「いきなり行けたらすごいよな」


「ケンちゃん、速いもん。行けるって!」


だな。精一杯応援しよ。

……うし、サツキと話してる間に愛鷹広域公園陸上競技場到着。インターハイ地区予選の時と同じ場所。

地区予選では県大会出場者3人だった……今回はもっと出場してほしい。

短距離陣のレベルがどんなもんか全然知らんからなあ……。


「ヤス、サツキ、おはよう」


「お、おはよう。もう来てたのかポンポコさん、早いねえ」


「楽しみだったからな。小学生の時、遠足前に眠れない心境になっていた」


そこまで楽しみだったんかい。


「でもヤス兄、まだ私たちしかいないっておかしくない? 他の人たち遅いね」


「ユッチ、アオちゃん、キビ先輩、ゴーヤ先輩の4継メンバーは今頃来てんじゃないかなあ……で、隣の土のグラウンドでアップしてると思うぞ」


「うそ、早いね! まだ8時前だよ?」


「予選開始が9時からだからな」


今日は朝の集合はなくて全員バラバラにやってくる。

ユッチ達に合わせようとすると、自分の試合はもっと遅くからなのにすごく早くに来なきゃいけなくなるとか文句が出たから……ってかチームメイトなら来いよ。












ダッダッダッダッダダダダダダダダダダダダアア…………。


「ヤス兄……あれ何? まるでバーゲンの開幕ダッシュだよ?」


「場所取り」


ポンポコさんいわく、陸上競技場開門の名物らしい。係のおっちゃんがどんだけ叫んでも止まる事の知らない高校生軍団。

いつからこんな風になったんだろう?


「……必要?」


「いらんと思う。場所くらいそこら中に開いてるし」


というか学校ごとに定位置が決まってるっぽくって、あれだけ慌てなくても大抵場所はとれる。


「……ヤス、あそこまで急ぐ必要はないと思うが、そこまでのんびりするのはどうなんだ? 早く来た意味がないだろう?」


「今日なんか曇りなんだから屋根がない所に陣取ったって平気じゃん」


日向にいると暑くてそれだけで体力が無くなる。休んでいる時は出来るだけ日陰に居る方がいいと昨日ポンポコさんから聞いた。


「万が一晴れたらどうするのだ?」


……急ごっ。





ふう、何とか屋根のあるとことれた……トイレの前だけど。


「ヤス、場所取りお疲れだったな。ウララ先生からプログラムをもらってきた。見てみるか?」


「うい、見る見る」


ついでに今日の出場者を書き込んでこっと。準決勝、決勝は行けるか分からんし、とりあえず予選だけ書いとくか。えっと……


9:00 女子 4×100mR予選

(3組1着+5)

3組7レーン、キビ先輩、ユッチ、アオちゃん、ゴーヤ先輩


9:20 男子 4×100mR予選

(4組1着+4)

2組2レーン、男4人


9:40 女子 400m予選

(5組2着+6)

1組6レーン、ゴーヤ先輩

4組8レーン、アオちゃん


10:10 男子 400m予選

(10組1着+14)

8組1レーン、ケン

その他2人


11:10 女子 100mH予選

(3組2着+2)

1組3レーン キビ先輩


11:35 男子 110mH予選

(3組1着+5)

3組4レーン ボーちゃん先輩


12:00 女子 100m予選

(9組1着+15)

9組8レーン ユッチ


12:50 男子 100m予選

(14組1着+10)

マー君先輩

その他2人


13:50 男子 1500m予選(4組4着+4)

男3人


……おし、書けた。


「ヤス兄、『男3人』とか『その他2人』って書き方はないんじゃない?」


「だってめんどいやん」


しゃべった事がほぼ皆無の人はこんなもんでいいんでないかと。


「ヤス兄、前言ってたじゃん。『一応仮にもあれでもなんとかぎりぎり上級生なんだから、表面上だけでも上下関係ってのはきちんとすべき』って。この書き方じゃヤス兄、とてもじゃないけど敬意を払ってないよ?」


「……最近、俺思うようになったんだ。上級生だからって敬意を払う必要はないんじゃないかって……」


「え、どうして?」


「振り返ってみると、俺下級生に敬意を払われた事がない」


「どんまいだよ、ヤス兄」


……言うんじゃなかった。

ん、後で書き直しとこ。


「ヤス、サツキ。そろそろ最初の種目の4継が始まるぞ。応援に行こうじゃないか」


『ラジャ!』


ユッチ、アオちゃんの初デビュー。しっかり応援しよ!


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