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185話:ヤスの小説紹介

9月9日火曜日、みんな新人戦に向けて調整に余念がない……はずなんだけど、今日もみんな思いっきり練習してた。もちろん自分も。……何でだろ?


部活も終わってちょっと雑談中。


「なあユッチ、ネット小説でおすすめの短編小説って知らね?」


「何でボクに聞くんだあ?」


「確かユッチもネット小説、読んでたじゃん」


「ボクも読むけどさあ、ケンに聞いた方が良いんじゃない? ケンの方が詳しいよきっと」


「ケンにも聞いた、そしたら泣けた」


「そんな感動作だったんだあ!? なんてタイトルなんだあ?」


「違う違う、短編小説を教えてくれって頼んだのに、4万字以上の短編を紹介された」


「……お疲れ、ヤス」


ほんと疲れた……ケンは長い小説のが好きだというのがよく分かった。

通学中のちょっとした時間にチョコチョコッと読む小説を紹介して欲しかったのに。


「と言う訳で、今回はケンに聞くのはやめとこうと思って。どんなんがいっかな?」


「ええとお……ヤスの趣味ってどんなのだったあ?」


「バトル物で主人公が最強と言うのは駄目、仲間に最強キャラがいて、そいつがばんばんやっつけるってのもあんま好きじゃない、特にインフレしてく話はやめて。恋愛要素はあってもいいけどそれが中心で回らない事が条件、もしくはコメディ中心の恋愛ならありかな。異世界に吹っ飛んでもいいけどいきなりすごい力が使えるのは嫌、笑いでも涙でも感動が欲しいなあ……うん、基本的には何でもOKだぞ」


「どこがだあ! むちゃくちゃ条件厳しいじゃんかあ! ファンタジーもの、たくさんあるけどそんなのないわあ!」


「……そうか? これくらいの条件、文庫本とか書籍ならゴロゴロしてね?」


「そ、そおだっけえ?」


「そりゃそうだ。例えば大長編作品『フォーチュンクエスト』とか、ものすごく平凡な能力の集まりじゃん」


個人的にはそこがいいんだが。


「え? 読んだ事ない、聞いた事ない」


残念、知らないか。


「主人公最強物でも、『スレイヤーズ』ならいいと思わね? インフレもないし」


「し、知らない……」


「不思議な雰囲気を醸し出してるのだったら『キノの旅』とか『モモ』とか」


「知らないよお……」


「恋愛ファンタジーだったら『はにかみトライアングル』とか」


「し、知らないよお……」


「バトルファンタジー物だったら『ブレイブストーリー』とか『ドリームバスターズ』とか『バトルロワイヤル』とか『指輪物語』とか。他にも恋愛ファンタジーなら『月と貴方に花束を』とか『いぬかみっ!』とか。ほのぼのホームコメディっぽいファンタジーなら『狂乱家族日記』とか『吉永さんちのガーゴイル』とか……後何があったっけ?」


「……ボクが知るかあ! ボク、ネット小説しか読んでないもん!」


ええ? ネット小説でもいいけど本も読もうよ。特に本は出版社のお眼鏡にかかった本しか出版できないんだから、誤字脱字みたいなのはほぼ無いし読みやすいのが多くて探しやすい。……なんでこれ出版できたんだろうってのも結構混ざってるけど。


「ネット小説読むだけじゃなくて、本の小説読んだ方がいいと思うんだが」


ネット小説への冒涜だろうか?


「そうかなあ……ネット小説の方が手軽だよお?」


「確かに手軽だなあ……携帯あればいつでも読めるし」


「でしょお? それに文庫本って分厚いんだもん。中学校の頃に『リアルバウトハイスクール』って言うのをお勧めされたんだあ。借してくれたのは何でか6〜8巻だったんだけどさあ。分厚いよねえ」


「……」


「ヤス、何で黙るんだあ!」


確かに短いのを見つけたくてユッチにおすすめ短編を聞いたんだけど……『リアルバウトハイスクール6巻』の薄さはびっくりもんなんだけどな。あれを分厚いと言われると『屍鬼』とか絶対におすすめできんじゃん。


「ちなみにユッチはどんな小説が好きなんだっけ?」


「すぐ読めるやつ」


「……」


「だから何で黙るんだあ!」


だって困るやん。すぐ読めるやつって……どれだけすぐ読めればいいんだろう?


「んじゃ全然本を読まないユッチにおすすめの本の小説を3冊紹介するぞ。みんなスラスラ読めるのを考えるから」


「ええ!? 別にいいよお」


そんな事言わない。

普通の本にも面白いのがたくさんある事を教えたいじゃん。


「まずは1冊目、『魔女の宅急便』」


「はえ? それなら映画で見たよ?」


「もともとは本なんだよ。本から映画になったの」


「もう映画で見たからいいよお」


「映画化されたのはごく一部だけだぞ。他にもたくさんあるから是非読んでみるといいと思う。本自体は分厚いけど、1話1話はネット小説並みに短いし」


「分かった。読んでみるう!」


「2冊目は『雨やどりはすべり台の下で』」


俺が小学生の時に夢中になった作品の1つ。


「……聞いた事ない」


「小学校って家が近く同士で一緒に学校行ったりするじゃん。そのメンバーで遊んでたら、急に雨が降ってくるんだよ」


「ふんふん」


「すべり台の下で雨宿りをするんだけど、暇でする事がないんだ……そこで、みんなでお話をするんだよ。みんなみんなが不思議なエピソードを持っててさ。何となく心がなごむんだ……」


今でも大好きな本。


「これも1話1話、すっごく短くてスラスラ読めるから、ユッチも好きになると思うぞ」


「わかった……ありがとお!」


「3冊目は『天井うらのふしぎな友だち』」


「ボク、これも聞いた事ないなあ……全然知らないなあ」


まあそれが普通だろ、有名な話以外は聞いた事ないもんだし。


「小さい頃はあんなに大切にしてたのに、大人になったら忘れてしまった……そんな大事な物を思い出させてくれるほのぼのとした話だぞ……これもそんなに長くないからすらっと読めると思うぞ」


ユッチなら何となく『天井うらのふしぎな友だち』を見る事が出来るんじゃないかなあって思ってしまう。


「普通の本にも色々あるもんなんだねえ。普通の本は大人とか、ませた子供が読む物だったと思ってたあ」


今まで本当に本読む機会なかったんだなあ。読書感想文はどうしてたんだろ?

……紹介した3冊は全部児童書だと言う事は黙っとこ。


おはようございます、ルーバランです。


……小説レビューになってます。


『はにかみトライアングル』は『乃木坂春香の秘密』を書いてる人です。

個人的には『乃木坂春香の秘密』より『はにかみトライアングル』のが好きです。


それでは。

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