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183話:走順の考え方

今日は9月7日日曜日。新しい靴を買いにいく。

昨日、ユッチとポンポコさんに新しい靴を買いにいくのについてきて欲しいって聞いてみた。

ユッチは用事があるって事で来るのはポンポコさんのみ。

ケンも来れないって言ってたから、ポンポコさんと2人で行く事になるのか……。







今は12時45分、待ち合わせ時間まで後15分。

……ポンポコさんはまだ来てないな。


「ヤス兄ヤス兄、何でそんなに微妙な顔なの?」


「えっとだな……サツキには本当に分からないか?」


「んー……わかんない」


「前にもあったじゃん。何でみんなついて来たんかなって。靴買いに行くだけだからつまらないよ?」


ポンポコさんは既に父さん母さんとも面識あるから、ポンポコさんが居づらいって事はないだろうけどさ。


「We always say. Sunday is family's day.Because we cannot gather easily on the weekday. だよ、ヤス兄」


「……何言ってるかわかんねえ」


父さんと母さんはコクコクとうなずいてるから、サツキがなんて言ったか分かったんだろうなあ。


「あれ? ヤス兄もうすぐスピーチコンテストあるんじゃないの? 大丈夫なの?」


ああ、9月20日にあるやつな。


「あれはそもそも諦めてるし」


「『It is a game end there when giving it up. 』だよ。ヤス兄」


「……日本語で言ってくれ、なんて意味だ?」


「頑張って調べてね、ヤス兄」


……分かんないまんまかい。


「それより、もしかしてそんな事言うって事は私たち、お邪魔虫?」


「全然、むしろすごく助かる」


「……ヤス、どういう意味だ? 私と2人でいるのは嫌だと言う事か?」


……すごいタイミングやね、ポンポコさん。

同級生と日曜日に2人でお出かけとか、別にデートじゃないって分かってても緊張するんすよ。そんな経験ないんだよ。

ポンポコさんが決して嫌って訳じゃないんで、許してください。







「今日はヤスの新しい靴を買うと言う事でいいのか?」


「えっとですね……私もスパイクが欲しいなって思ってるんですが」


「サツキも買うの?」


「だってこれから毎日練習するんだし、来年のインターハイ予選に間に合うには今のうちからスパイクにも慣れておきたいじゃん」


まあ、そだな。


「私、来年のインターハイ予選は4継かマイルかどっちかのリレーメンバー狙ってるからね」


気が早いな……サツキ。

ま、その負けん気と言うか強気な姿勢は羨ましい。


「リレーと言えば……ヤス、4継の走る順はどうやって決めるか知ってるか?」


ポンポコさん、突然だな。


「えーと……クジ?」


「バカか?」


真面目に答えたつもりだったんだけど……。

今回の新人戦での走順『キビ先輩、ユッチ、アオちゃん、ゴーヤ先輩』ってクジで決めたんかと思ってた。


「走順の考え方は色々ある……だが、1走は想像つくだろう?」


「あ、私分かります。スタートが上手い人ですよね」


あ、なるほど。全然気付かんかった。


「そうだな。やはりスタートが上手い、下手で大きく左右されるからな。1走はスタートの上手い人がなる」


言われてみればその通りだよな……何で気付かんのだろ?


「後は1走と3走はカーブだから、コーナリングが上手な人を選ぶ」


ふむふむ……そういうもんなのか。


「2走と4走はストレートだから、スピードに乗りやすい。また2走はバトンパスの仕方で一番長く走れる。2走がエースのチームと言うのも多い」


……ユッチが女子メンバーの中でエースなのか?


「他は、後半にベテランを持ってくるというの考え方もあるな。後半にあの人が待っていると思うと、精神的に楽に走れるだろう?」


まあ……どんなに足が速くても後で待ってる人がドジな人だと、ちょっと心配になるかも。

……アオちゃん、ユッチ、キビ先輩がアンカーって何か心配になるな。アンカーがゴーヤ先輩というのが一番いいのかも。


「バトンパスの相性とかは関係ないの?」


「それはあるだろうな。実際1年以上もずっと一緒に練習を続けてきたゴーヤ先輩とキビ先輩でバトンパスをするのが一番スムーズだった」


ユッチとアオちゃんはまだ大山高校に入学して5ヶ月だから、そこで経験の差が出てくる訳か。

……ゴーヤ先輩とキビ先輩、お互いにバトンパスしないやん。


「バトンパスを考慮して1アオちゃん、2ゴーヤ先輩、3キビ先輩、4ユッチと言う案もあったのだが……アオちゃんはまだスタートがあまり上手くない。かと言ってエース区間の2、4走にアオちゃんと言うのはアオちゃんに負担が大きい」


確かに……どこも重要だと思うけど、それでもエース区間に選ばれたらすごいプレッシャーだろ。


「みんなで話し合った結果この走順になった。今の女子陸上部ならこれがベストだろう」


ふむ……いろいろ考えなあかんのだな。


「ヤス、他人事のように聞いているが長距離にも11月には駅伝があるのだぞ。その時、どの区間に誰を使うか……そろそろ考えていかなければいけないぞ」


そか、そうだよな。

……あれ?


「俺、長距離で誰が速くて誰が遅いとか全然知らねえ」


「……頑張ってくれ、ヤス」


ポンポコさん、今考えるの放棄しただろ!?

……全然思い浮かばねえなあ……。

おはようございます、ルーバランです。


途中のサツキの英語、私自身が苦手なので間違ってるかもしれません。

間違ってたらごめんなさい。


1つ目は

「いつも言ってるじゃん。日曜日は家族の日だって。だって平日中々時間とれないんだもん」


2つ目は

「諦めたらそこで試合終了ですよ」


と言っているつもりです。


それでは。

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カカの天下
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