179話:1年2学期開始
今日は9月1日月曜日、長かった夏休みも終わってとうとう学校が始まる。
ま、今年は休みと言っても部活とバイトばっかりしてて、全然休みって感じはしなかったから夏休みボケってのは無いな。
今なっがい始業式も終わって、もうすぐホームルームの時間。
「ケン、無駄なあがきはやめようや」
「ヤス、話かけないでくれ。今日の提出分はギリギリで終わりそうなんだ」
「今日の提出分って……何の事だ?」
「ヤス、宿題の提出は全部教科担任だろ? って事はその教科の最初の授業までに終わってればいいんだ。今日集めんのはきっとウララ先生のだけだ」
ああ、なるほど。ウララ先生はこの後のホームルームで集めるだろうって事か。
「後何枚?」
「後1枚! 昨日バッグひっくり返したら30枚くらいプリントが出てきてさあ。まさかあんなに多いとは思わなかった。と言う訳でこれ以上話かけないでくれ」
ん、了解っす。
「みんな、お待たせ!」
タイミングよくウララ先生が来ちゃったぞ。大丈夫か、ケン。
「きりーつ! 気をつけー、おはよーございます!」
『おっはよーございます』
「着席!」
……俺、号令も慣れたなあ。
「はい、みんなおはよ。……みんな黒くなったねー、遊びすぎ?」
俺は部活とバイトで真っ黒になりました。
4月は白かったアオちゃんも今は真っ黒に日焼けしてる。
「さくっと2学期の日程を話したらすぐにホームルームは終わりましょうか……明日は課題テストもあるし」
やな言葉を……何で休み明けに毎回テストやるんだろ?
「明日課題テストなのはおいといて、まず9月20日、全国高校生スピーチコンテストの予選があります。みんなちゃんと夏休み中に考えておいた?」
すみません、何も考えてません。
俺の文章は『I love Satsuki , and I love my family.』で終わってます。
「次に9月22日、球技大会。今年は男子がバレーとサッカー。女子がバレーとバスケになりましたから。ヤス君とケン君、後で勝てるように決めといてね」
「はいっ!」
……すげえ、ケンのやつ、話を聞いてないと思ってたけどちゃんと聞いてたのか。
宿題をこなしつつ返事が出来るんだな。
しかし……勝てるようにってどやって決めればいいの?
「それから9月29日には校技があります、1年では茶道を学びますので、なんとなく茶道の雰囲気を味わってみて」
ん、了解。
「11月4日、マラソン大会。運動部のみんなはしっかり目立ってね」
うわ……めっちゃプレッシャー。
「12月には進路希望調査がありますから。大山高校では2年生から理系と文系に分かれるので、この時までに文系か理系か進路を考えておく事」
うわ、1年の時からもう進路の事考えなきゃいけないんかよ。
「また、2年生になったら特進クラスと言うのがありますから、興味ある人は特進クラスにすすんでください」
特進クラスねえ……興味ない。
「別に特進にすすまなくても、勉強はできるけどね。朝早く、放課後、昼休みに個別に先生に質問にきてもいいよ」
そこまで勉強熱心にはなれません。
「2学期はいろんな部活で新人戦やコンテストがあると思うから、頑張ってね!」
ういっす……何にも聞いてないけど。
「それじゃ、これでホームルームは終わり! 英語の宿題は最初の授業の時に集めるからね。まだ終わってない人は頑張って終わらせておく事」
「まじ!? 今終わったところなのに!」
残念だったな、ケン。
「でも、古典担当の学年主任から『最初の授業で返却するから明日までに集めといてくれ』って頼まれちゃったので、古典の宿題は提出してね。今日忘れた人はちゃんと明日持ってくる事」
「終わった……白紙っす……」
御愁傷様、ケン。
まともにやったら確実に明日までに終わる分量じゃない事は言わないでおこう。
「それじゃ、解散。ヤス君号令お願い。……あ、ヤス君は後で職員室の私のとこ来てね」
……また?
「きりーつ!」
ガタガタッ。
「気をつけー、礼!」
『さよーなら!』
で、何故か呼び出されたので職員室へ。
「失礼しまーす」
えっとウララ先生の机はと……学年主任の机の上、いつの間にかぬいぐるみでいっぱいだなあ……手作り感でいっぱいだ、何となくいい感じ。
全校生徒にバレた時点で開き直ったな。
……ま、それは置いといてウララ先生のところへ……何か資料を作成してるみたい。
「ウララ先生、ヤスです」
「はーい、待ってたよ」
くるっとこっちに向き直る。
「えっと、何の用でしたっけ? 7月終わりにある先生の授業で天井からムカデが落っこちてきて、『ム、ム、ム、ムッカデーー!?』って叫んで、授業妨害になった事ですか?」
「それは聞いたけど、それは不可抗力でしょ?」
あ、それはおとがめなしか。
「桜の木にタオルが飛んでって取ろうと木登りしたら太い枝をバキッとやった事でしょうか?」
「ううん? その事じゃないよ?」
あれ? それはバレてないのか。
「んじゃ今日の始業式のとき、退屈で輪ゴムをいじって遊んでたら、ピューンって吹っ飛んでって眠ってる教頭先生のでこにパチンと当たった事ですか?」
「あれはお前か! 痛かった、痛かったぞー!」
……………………あれ?
「ヤス、桜の木の話と輪ゴムの話は後でしっかりとみんなで聞きますからね」
……先に言っといて謝れば、罪は軽くなると思ったのに……黙っとけばよかった。
ええと……それじゃ何だろ?
「ウララ先生、お待たせいたしました」
あれ? 何でポンポコさんも来てんの?
「ヤス、ごめんねー、まだ新人戦の話なんにも聞いてないでしょ。短距離と他の中長距離には話してたんだけどね」
……何故俺だけ仲間はずれ?
「ヤスは他の長距離と別に練習してるから忘れられたのだ」
あ、そっか。……でも忘れないでほしい。
「と言う事でヤスは何に出たい?」
「えっと……ポンポコさん? どうしよ?」
「別に何でもいいぞ。ヤスの好きにしたらいい。ただし、中長距離は800、1500、3000障害、5000、5000ウォークの中から選ぶ事だな」
「……んじゃ5000メートルで」
「1種目でいいのか?」
「ん、スピード練習なんもしてないし、障害飛ぶ練習もしてないし、歩く練習もしてないから。5000しかないでしょ」
「了解した。……ウララ先生、よかったです」
「だねー」
……何が?
「実はもう種目のエントリー、終わっちゃってるんだよね。ヤスの希望聞かずに5000メートルで出しちゃったからさ」
何で勝手にすすんでるの!?
「他の中長距離の希望聞いたら、5000メートルしか空きがなかったんだよね。じゃあ聞いてないけどヤスは5000メートルでいいかなって。1500メートルって言われたらどうしようかと思ってた。ヤス、5000メートル希望者だし」
うん、そうなんだけどさあ。
それなら最初っから『あんたは5000メートルだから』って宣言しといてくれればいいのに。
「ヤスにとって、初めての大会だからね、気楽に行ってね」
ういっす。
「それじゃ……この話は終わりにして、ヤス? 周りを見てご覧?」
周り?
グルグルッとな…………周りに厳つい教育指導の先生方&教頭先生。
「ええと……なんでしょうか?」
「桜の木」
「……ごめんなさい」
「輪ゴム」
「……ごめんなさい」
「まあ、ちょっとこっち来ような、ヤス」
ねね、ごめんなさいで許して! これぐらいなら警察もきっとごめんなさいで許してくれるよ!
「ウララ先生、ヘルプミー!」
「Sorry isn't good enough. Good luck! Bye!」
ウララ先生! 帰らないでー! ポンポコさんも行かないでください!
いやあ、久々の反省文だあ、75枚……きっついなあ。
今日の教訓……口は災いの元。
おはようございます、ルーバランです。
どうでもいい話ですが、
「紙のリサイクルをしよう!」
と書かれた紙が燃えるゴミに捨てられていました。
何となく笑えました。
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どうでもいい話ですが、
「今日はそんなに寒くないですね」
と会議室で先輩に会議前に話しかけたら
「そんなことねえよ、寒い!」
とどうでもいい言い争いになりました。
その後、続々と会議するメンバーが入ってくるのですが、全員
「うー、さみいさみい」
と言いながら入ってきました。
勝ち誇った先輩の顔が悔しかったです。
……自分の感覚はおかしい。
参考にさせていただきました。
↓
謝ってすむ問題じゃないよを英語で言うと?
http://success-english.net/canyousay/sorry.htm
それでは今後ともよろしくです。