表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
174/442

174話:合宿最終日

ユッチの勉強最終日は結局、延々とポンポコさんがスパルタでユッチに漢字を教えていた。

ユッチ、お疲れっす。

これで漢字、嫌いにならなきゃいいけどな。




そして迎えた合宿最終日。


「晴れた晴れた晴れた晴れた晴れたあ!!」


や、そんなにはしゃがなくてもな。

今日は富士山もメチャクチャくっきり見える快晴。

しかも雲一つない日本晴れっす。


いやあ……まじ富士山が綺麗。

こういう日に富士登山すると、すっごい気持ちいいんだろうなあ。


「ヤスの言った通り、てるてる坊主に脅したらすっごい効果あったあ!」


「うん、そりゃよかった」


「これからはてるてる坊主にお願いする時は、まずは鈴あげて、その後酒を飲ませて、最後は脅す事にするう!」


……てるてる坊主にどうやって酒飲ませるんだろう。


「ありがとね! ヤス」


「ああ、どういたしまして」


ふう、めちゃめちゃ嬉しそうにしてくれるのはいいんだけど……。


「ヤス兄、昨日の天気予報では、今日の降水確率何パーセントだったの?」


「……0パーセント」


「やっぱりね」


そりゃな、降らないって言う自信がなかったらユッチにおすすめしたりしないっすよ。


「ちなみに言うと、この辺り一帯、東海、関東、甲信越は全部0パーセント」


「降らないの確定してたんじゃん」


「まあ、実はそうなんだけどさ。ユッチが喜んでんだから良いじゃん。嘘をついた訳でもないし」


「まあ、そうなんだけど……一歩ずれると詐欺な気がする」


「ああ、んじゃユッチがあれだけお願いしてたから、今日の降水確率が0パーセントになったんだって思っとこう」


「……ヤス兄? どういう事?」


ごめんサツキ、何が言いたいのか自分もよく分からなかった。









そしてグラウンドに来てみたら……。


「……ぐちゃぐちゃだあ……」


あれだけはしゃいでたのに。

まあ、昨日一日中ザーザー雨降ってたからなあ……。

どう頑張っても土のグラウンドはぐちゃぐちゃになっちゃうだろ。


「うーん……これじゃ練習できないね。これだけ水たまりだらけじゃ、練習しようがないもの」


やっぱりそうか……。

んじゃ、今日は何やるんだろ?


「それじゃ! グラウンドから宿泊所行くところに長い坂があるでしょ? あの坂で坂ダッシュをしましょう!」


坂ダッシュかあ……俺はどうしよ。

ポンポコさんの方をちらっと見てみる。


「そうだな……ヤスはまたクロスカントリーをしに行ってもいいし、短距離と合同で坂ダッシュをしてもいいかもしれん」


「坂ダッシュしてもいいの? スピード練習は今の俺じゃすると危険って言ってなかった?」


「いや、本来はそうなんだが……クロスカントリーの練習は多かったので、飽きてないかと思ってな」


「んー、平気。いろんな所走ってると飽きないもんっすよ。1時間過ぎるとすんごいきついけど」


「わかった、それでは1時間半行ってこい」


「何で!? 1時間過ぎたらきついって言ったじゃん!」


「ヤス、きつくない練習なんぞ練習と思うな。勝つためには楽しく、だが思いっきり練習して体を使わないと絶対に勝てないぞ」


……まあ、そりゃそうか。


「それでは、きちんとストレッチ、体操したら頑張ってこい」


「アイサー!」


さ、頑張るべ。













はあ、はあ、今1時間だ。

かなり足にきてるし、息もきっつい……でも、これで合宿最後なんだからな。

絶対最後までやりきってやる。

お? 坂ダッシュ始まってるじゃん。

ミドリちゃんが合図を出してるんだな。


「15本目、ヨーイ!」


パン!


ケン、ボーちゃん先輩、マー君先輩が走る。

……うわ、全力疾走じゃん。


「次、ヨーイ!」


パン!


次は2年の先輩2人と1年2人。頑張れー。


「次、ヨーイ」


次は女子か。

ユッチ、アオちゃん、サツキ、ゴーヤ先輩、キビ先輩が一斉にスタート。


……やっぱり現状だと、アオちゃんとサツキは遅れるんだなあ。

特にアオちゃん……中学時代は吹奏楽部だったし、スポーツそのものをこれだけやるようになって、まだ5ヶ月だ。

かなりしんどそう、初心者が経験者に追いつこうとしていくって大変だ。


「アオ、ちゃん、ファイ、ト!!」


「……ぜー……ぜー」


ん、ごめん。

答える余裕、ないわな。







は、は、は、は。


「お疲れ、ヤス」


「あり、がと、ポンポ、コさん」


「合宿、結局どれくらい走ったと思う?」


「さ、さあ?」


「初日2時間、2日目1時間、3日目3時間半、4日目1時間、5日目0、6日目1時間半、計9時間……朝練習込みでちょうど10時間くらいか……」


そ、そか。朝練習、きてなかったけどミドリちゃんからいろいろ聞いてたんかな。

5日目は雨だったから、雨じゃなかったらもっと走ってたって事か。


「1キロ6分くらいで走っているとして、単純計算100キロ走ったと言う事だな。多分もっと走っていると思うぞ」


そ、そんなに走ったのか。


「来年は200キロを目指すか」


おいおい……そんなに走れるんか?


「実力が確実に伸びているから大丈夫だ。どんどん走るぞ」


た、楽しそうっすね、ポンポコさん。


「49本目、ヨーイ!」


パン!


……短距離、まだやってたんかい。

やってるのはユッチとゴーヤ先輩、キビ先輩、ケン、ボーちゃん先輩、マー君先輩か。

サツキとアオちゃんはあそこでぶっ倒れてる。


「あの2人はもう限界そうなのに走ろうとしたからな、これ以上無理矢理やらせても危険と言う事でウララ先生が止めた」


そか。


「止めようとしても、まだ行けると走ろうとしてた。あの負けん気はいいな」


さすがサツキ! 俺の妹!

アオちゃんもお疲れっす!


「ラスト! ヨーイ!」


















「今日で合宿は終わりです、みんな、6日間お疲れ様」


今は帰りの準備万端になってウララ先生の話を聞いている。


「明日は完全休養にします。ユッチ、練習しちゃ駄目だからね」


「え、あ、はあい!!」


あやつ……走る気満々だったな。


「今度会うのは明後日、8月28日ね! 28、29日の2日は学校で練習します」


ああ、30日はタータントラックでの練習か。


「長々と話すのは面倒だから、これで今日は終わり! ちゃんとまっすぐ家に帰ること!」


『はい!』


……つい返事したけど……俺らは小学生か。


「みんな、お疲れ様でした」


『お疲れ様でしたー!!!』


合宿、乗り切ったー!!!

おはようございます、ルーバランです。


一年の合宿編、終わりです。

141話〜174話。

34話かあ……長かったなあ。


夏休みも後5日。

そろそろ2学期編の話ですね。


それでは!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
うそこメーカー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ