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173話:ユッチのおべんきょ、ラストステージ

豚のシッポもしっかり楽しんで、とうとう合宿最後の夜になった。

雨は相変わらず降り続いていて、多少小雨にはなったけどとても花火をするような天気じゃないな。


「ま、最後の夜って言ったって、することはおべんきょだけどなあ」


「何言ってんだよヤス。勉強した覚え、あるか?」


……そう言われれば……2日目からユッチに勉強に興味を持ってもらうって言って始めたけど、2日目は昼ドラ劇場、3日目はあるある川柳、4日目は空気砲対抗戦……あれ?


「俺らって実は遊んでばっかりじゃね?」


一応は少しだけ勉強、入れてるけど。

まあ、ユッチがこう言う感じで何かに興味を持ってくれると成功なんだけどな。


「ちなみに今日は何をして遊ぶんだ?」


「んー……何も考えてない」


アオちゃんかポンポコさんが考えてくれる事を祈ろう。












合宿最後の勉強時間。

今日はなんだかポンポコさんがすごく張り切ってる。

なので、俺とアオちゃんはもう口を出さずぼけっと見てる事にしてる。


「最後くらいは私も何か考えないとな……なので、私は漢字について教えようと思うのだが」


「ええ!? ボク、漢字くらい書けるよお!」


「本当か? それでは『かんぺき』と言う字を書いてみるか。これが書けたら別のを考えよう」


「そんなの簡単だよお!」


キュッキュッとホワイトボードにユッチが『完壁』と書いた。


「どうだあ!」


「……おしい」


ホントに惜しい。こうやって間違える人、よくいるんだよな。


「ユッチ、『かんぺき』の『ぺき』は下が『土』じゃなくて『玉』だぞ」


「ええ!? そうなの!?」


そうなの。完璧に間違えてたな。


「残念だったなユッチ、今日は漢字の勉強と言う事になった」


「……めんどくさあ」


「……嫌そうだな。漢字の成り立ちの説明などを考えていたが、ただの漢字の書き取りだけにしようか」


「もっといやあ! 漢字の成り立ちでお願いい!」


「そうだな、初めからそう言えば良いのだ」


ポンポコさん、怖いっす。

そしてユッチ、簡単に話を持っていれすぎな気がするぞ。












「まず、漢字には象形文字、会意文字、形声文字、指事文字の4つがある、他にも2つあるが、それは置いておこう」


「……」


「象形文字は物の形をかたどった物だな。代表的な物には『人』『田』『川』『大』などがあるな」


「……」


「会意文字とは、象形文字を組み合わせて新たな文字を作る物だな。代表的な物には『森』『男』『名』『林』がある」


へえ、『名』もそうなんだ。どんな意味があるんだろ?


「……」


「形声文字というのは、片方に音を含み、もう片方何に関係するかを示す物を付けた物だ。漢字の7割以上は形声文字だ。代表的な物には『青』『先』『草』『村』などがある」


「……くー、くー」


ポンポコさん、ユッチが寝始めてるぞ。説明だけじゃなくて、手を動かさせようよ。


「指事文字と言うのは、物の形を見せるのが難しく、このような字で、物事を表すよって漢字の事だ。代表的な物には『一』『二』『三』などがあるな」


「ざ、べすとはうす」


「『1、2、3!』」


「お嫁サンバ」


「『いち、に、サンバ! に、に、サンバ! お嫁、お嫁、お嫁さんばー♪』」


「アントニオ猪木」


「『1、2、3、ダー!!』」


「……」


「……」


「……ああ、びっくりしたあ」


「……」


「……」


「今のってポンポコだよねえ?」


「……ヤス、チャチャを入れようとするな!!」


ええと……今のチャチャか?


「ポンポコ、モノマネすっごく上手だねえ!!」


「……ユッチ、それは言わなくていい。忘れてくれ……」


ポンポコさん、悪のりしすぎたかな? ……ごめん。


「……それでだ、普段使われている漢字というのは大体500くらいだろ?」


そんなにあったかな? もっと少ない気もする。


「うそお!? もっと使ってるよお! この前読んだ小説、分からない漢字たくさんあったもん」


「そんな小説は読まんでいい、わざわざ難しい漢字を多用して読みづらくするのはバカな奴のする事だ」


うわ、過激な発言。


「三国志はいいの? 普段使わない漢字まで使いまくってる気がするぞ」


「あれはいいんだ。面白いから」


……矛盾してんじゃん。


「話を戻すが、500文字程度で本来なら十分な気もするのだが、小学校で1000程度、中学校でも同じぐらい覚えさせている」


そやね。


「こんな教育である事をなげいてもしょうがないからな。覚えよう」


「ええ……」


「これを覚えるだけなら、ただひたすら書き取りすれば、覚えてしまえる物だが」


「ええ……」


うわ、すごい嫌そう……そりゃそうか。


「しかし、それでは面白くはないだろう? だからついでに、漢字の成り立ちも覚えてもらおうという訳だ」


「ええ……」


ほんと嫌そう。まあ、今日のはホントに勉強っぽい話だしなあ。


「3日間、勉強と言っても遊びみたいな物だったからな、ビシバシやるぞ」


「いやだいやだいやだあ!!!」


……まあ、ユッチ、頑張れ。

今日は俺は隣でぼーっと見てるだけにしよ。

おはようございます、ルーバランです。


漢字の成り立ち、面白いのもありますがこの覚え方より書き取りたくさんすれば覚えますよ……自分はそう覚えました。ただ、成り立ちは調べると面白いです。


以下、使った会意文字の由来紹介。


男:『田』んぼで『力』仕事をするのは『男』

林:『木』がいっぱい。

森:『木』がもっといっぱい。

名:『夕』方、自分の姿が見えない時に『口』から声を出して『名』を名乗り、自分の存在を示す。


こんな感じです。

他にも色々ありますので、興味のある方は調べてみては(^^


↓参考にさせていただきました。

漢字家族:http://ww81.tiki.ne.jp/~nothing/kanji/moji_2.html


それでは!

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カカの天下
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