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168話:空気砲対抗戦

空気砲対抗戦、まずは最初にケンのルール説明。

とりあえず、寝てるメンバーを起こすのは悪い……というかここでやろうとすると寝てる人が邪魔なので場所移動。


「じゃ、まず簡単にルールをおさらいするぞ。これは空気砲サバイバルゲームだ。段ボールにひっついたビニール袋が落ちた時点でその人は退場。ただし、相手の手で落ちた場合はセーフ。空気砲を自分で振り回して落っことしたら失格だからな」


「はい、わかりました」


「3回戦ある。最終的に勝ち数が多い方の勝ちな」


「わかった」


「一応制限時間を設けるか? 長引いて3回戦終わんなかったらなんとなく気持ち悪い」


「10分でどうだ?」


「うーん……ポンポコさんの言う通り、何も無ければそれで終わるんだけど。もう一度ビニール袋を膨らませたり、ティッシュを付け替える時間が必要だろ? 10分で回そうとすると、終わらなくないか?」


「それでは5分でどうでしょう?」


「んー……それなら時間内に終わるし、その後の罰ゲームも出来るな。5分でいこか」


よし、決まったな。


ついでに制限時間を決めてる間に、チーム名を何となく改名してみた。

チームパーマンズ(旧ハーパン):ゴーヤ先輩(1号)、ケン(パーヤン)、ユッチ(ブービー)、サツキ(パーコ)

チームジャジーズ(旧ジャージ):キビ先輩(木村拓也)、アオちゃん(仲居将大)、ポンポコさん(蚊取信号)、ミドリちゃん(否餓鬼語呂)、俺(臭無強)


……なんかすんごい当て字をしてしまった。特に蚊取信号からはメチャクチャだな。『夜露死苦』を思い起こされるなあ。


「こらあヤス! 何でボクがサルなんだあ!」


「一番ちっこいから」


「チビって言うなあ!」


「一番猿っぽいから?」


「どこがだあ!」


「ええとだな……動物占いの猿は、じっとしている時間がないほど活動的。オダテてほめまくれば、実力以上の力を発揮。お調子者と言われるほどの盛り上げ上手。好奇心いっぱい。異常に信じやすく、だまされやすい。早合点でおっちょこちょい。子どものような無邪気なプライドがある。ささいなことで感情的になりやすい。らしい」


「それのどこがボクだあ!?」


ええ……自覚ないの?


「そもそもボクは動物占いは黒ヒョウだあ! ガオー、何だぞお!」


ええ……占い当たんねえなあ。


「そういえば、ヤスこそどこがクサナギだあ! 全国のファンに謝れ!」


「だからちゃんと字を変えてみただろ? 悪いか」


「なお悪いわあ! ヤスなんてよわしで十分だあ!」


うわ、むかつくわあ。


「見てろよユッチ、一瞬で葬り去ってやるからな!」


「返り討ちにしてやるう!」


「いいか? 始めるぞ?」


「OKだ。ケン、始めよう」


「んじゃ開始!」


よし、負けねえ!










1回戦、開始。


「いっくぞお! ヤス!」


おいユッチ、そんな風にアホみたいに1人で突っ込んでくるとだな。


「一斉射撃!」


「ラジャ! キビ先輩!」


ポンポンポンポン!


「……あ、あれ? 落ちたあ!!」


そりゃ落ちるだろ。狙い撃ちされるんだから。


「よし、数の上では5対3。めっちゃ有利になったぞ」


「くそお、ジャジーズめえ、覚えてろお」


……パーマンズごときには負けん。


「単騎突入!」


今度はパーコ(サツキ)か。

ってかさっきのユッチの二の舞になるぞ。


「あれ? そんなところで止まってどうすんのさ?」


届かねえよ?


「ふっふ、発射!」


……何言ってんだ?


ポン、ポン、ポン。


「げ、吹っ飛んだ!?」


「私のも吹っ飛んじゃいました」


「私のもです!」


げ、3人一気にやられた訳か。


「ヤス兄達が雑談してる間に作っておいたんだよね、長距離ゴムゴム空気砲」


くそお、ゴムの力を使った訳か。

ってかサツキ、いくら俺らがぼけっと立ってたからって狙いよすぎだろ。

こっちの残ってるのはポンポコさんとキビ先輩か……。


「あははは! ヤス、一瞬でやられてるう!」


「それより一瞬でやられたユッチに言われたくないな」


「うるさいやい、次は生き残ってるもんね」


「また最初に死ぬんじゃね?」


「何おお!?」


「何だよ?」


「ユッチ、ヤス君、負けた物同士でけなしあってるって空しくないですか? なんて言うんでしたっけ? 傷のなめ合い?」


……。


「そだな、空しいな」


「そだねえ」


「応援しようか」


「そだねえ」


「負けんなジャジーズ!」


「返り討ちだあ! 頑張れ、パーマンズ!」








1回戦、あのままサツキの長距離砲が功を奏してパーマンズが勝ってしまった。


「ねえみんな、作戦会議をしたいと思うんだけど」


「キビ先輩、なんですか?」


「さっきは相手が攻めて来るのを待ってたでしょ? でも、それで負けちゃった訳じゃない」


「ふむふむ……」


「今度は全員でなだれ込んでやるの!」


「確かに、サツキのは遠くまで届くけど、速射は出来ない感じだったから、近くで取り囲んでやれば勝てるな」


「でしょ? 次は責めていくよ!」


オッケーっす!








2回戦


「ゴーゴーゴーゴー!!!!」


叫びながら俺もキビ先輩も一緒になって突っ込んでいく。


「ええ!? ちょちょちょちょっとまってよお!?」


慌てるなよユッチ、慌てるとだな。


「ああ、落ちたあ!?」


自分で振り回して落としただけだからな。


「またボク参加できないのかあ……」


ええ……なんか悪者みたい。


「ヤス兄、ひどいねえ」


「ヤス、ひどいな」


ふん、サツキもケンも、俺はそんな事言われても動揺しないからな!


「サツキちゃんは近づいたら脅威じゃない、まずはめんどいケンを狙うよ!」


『ラジャ!』


アオちゃんとミドリちゃんがコンビになってまずはケンの背面に回り込む。


「ポンポコ、ヤス、左右に分かれて!」


「了解!」


俺とポンポコさんでケンの左右に分かれる。


「おい……5人同時ってどうやって対応するんだよ!?」


知らん。


「さらばケン!」


ポンポンポンポンポン!


「ちぇっ、相打ちか……しゃあないよな、ゴーヤ先輩、サツキちゃん、後頑張って」


「すまん、ケンにやられた、ジャジーズ、後はよろしく頼むぞ」


さすがケン、ちゃっかりポンポコさんをやってやがる。


「アオちゃん、ミドリちゃん、ヤス、後2人だよ! どんどん囲んでいこう!」


ういっす!










2回戦はあのまま押し切って、俺らの勝ち。

ラスト勝負に持ち込んだな。


「キビ先輩、ラストはどうしますか?」


さっきみたいにはいかんだろ。

パーマンズも対策を組んでくるだろうし。


「さっきと基本的には一緒でいいと思うんだけど……ところで、勝負は非情にいくべき?」


「なんのことっすか?」


「確実に勝つんだったら、人数減らした方がいいんだよね。って事は最初に狙うのはすぐに慌ててくれるユッチなんだけど」


ああ、1回戦も2回戦も最初にやられてほとんど参加できないのに、また狙うのは可哀想って事?


「でも、ユッチ手を抜かれると怒るんですよね。自分が狙われないとその事を察知して『こらあ!』って怒るんじゃないでしょうか?」


「ううん……んじゃタイマンにしたら? 囲まれなかったらユッチも慌てないだろ?」


「多人数戦の意味が無いけど、楽しむって意味ならそれがいいかもね。じゃあ私がゴーヤを狙うね」


キビ先輩がゴーヤ先輩か。


「私とお姉ちゃんでケン先輩狙います」


ケンは手強いから、アオちゃん、ミドリちゃんの2人で狙うってのはいいだろ。


「んじゃ俺がサツキで」


「ヤスがサツキを狙ったら、勝負にならないだろう? 『ヤス兄……ひどい』とか言われて慌てるのがオチだ」


「いやいやポンポコさん、そんな事無いってば!」


ゲームの場に私情は持ち込まないっす。


「そうか? それでは私がユッチを狙うか」


おし、作戦が決まった。

今回こそ勝って罰ゲームは食らわないからな!







3回戦


「それじゃ、みんな負けちゃ駄目だよ!」


らじゃ!


「サツキ! 行くぞ!」


「返り討ちだよ、ヤス兄!」


ポン。


「遠くから狙われたって当たんないぞ! サツキ」


ポン、ポン、ポン。


「そんな精度が低かったら当たんないよ? ヤス兄」


ポン。


「近づいたら速射できる速射型のが有利だぞ」


ポン、ポン、ポン。


「空気のスピードはこっちのがあるもんね!」


ポン。


おっとあぶねえ。今のかすってたな。

サツキ、狙うのはまじ上手いな。


「ヤス兄、どうしたのかなあ? そんな風に空気砲を上向けてたらヤス兄も狙えないんじゃない?」


やらしい奴め、下におろした途端に狙う意図がすごく感じられるぞ。


「タイムアップを狙う戦術なんて面白くないよ? 当たって砕けてよ、ヤス兄」


「……砕けはしないけど、当たってやるよ」


要はサツキより先に袋を落とせばいい話だろ。

さっと落として1発打って、またさっと上げる。


サッ、ポン、サッ。


「残念ヤス兄、そんな適当な打ち方じゃ当たんないよ?」


「ふふん、今狙ったのはビニール袋じゃないのさ……」


「じゃあどこ狙ったの……わっ!?」


「狙ったのはサツキの顔だあ!」


ひるんだ好きに突進! そして超至近距離で空気砲発射!


ポン!


「おし、サツキ打ち取ったリー!」


「ちぇっ、負けたかあ……ジャジーズJrに負けるなんて」


サツキ、チーム名が変わってる。ジュニアをつけるな。


「さてと、他のメンツはと……」


キビ先輩 vs ゴーヤ先輩。


「負けたらキビの真夏の海岸のあの話を暴露してもらおうか……」


「そっちこそ負けたら、桜の下で起きたあの事件を暴露してね……」


「ふふふ……」


「あはは……」


……なんかこええ。近づかん方がいいなあ。

アオちゃん&ミドリちゃん vs ケン。


「ふふふ、アオちゃん……ミドリちゃんもやられた事だし、これで終わりだ!」


「ミドリ、目を、目を開けて!」


「お姉ちゃん……今までありがとう……」


「そ、そんな、ミドリ? ミドリーーー!!」


「ふははは……別れはすませたかな?」


「よくもミドリを……許さないです!!」


……なんかうぜえ。何あのミニ劇場。

関わりたくないなあ。


残るは……ポンポコさんとユッチか。


「これ面白いねえ。1、2回戦ももっとやりたかったなあ」


ぽん、ぽん。


「だからな。狙うのはビニール袋だがなんで後ろのカーテンしか当たらないんだ?……聞いてるのか? ユッチ」


「狙ってるよお……定まらないだけだもん」


「……よほど下手だな」


「ポンポコだって当たってないじゃんかあ」


「ユッチが動くからだ」


「くそお……当たらないなあ」


……なんかしょぼい。

突入してったら一瞬で終わらせられそうだ。でもそれはユッチが可哀想か?


「ヤス兄、どこかに突入していかないの?」


「……なんか全部関わっちゃ駄目な空気が流れてないか?」


「そだね……それじゃ見てよっか?」


「そだなあ」


……ラスト勝負なのに盛り上がらんなあ。

おはようございます、ルーバランです。


結構どうでもいい話ですが、いつの間にかこの作品、物語の長さでは小説家になろうで100位以内にランクインしてました。

うん、長いなあ。読んでくださっている方、感謝です。


↓空気砲サバイバルゲームについて、参考にさせていただきました。

http://sc-smn.jst.go.jp/8/bangumi.asp?i_series_code=C073301&i_renban_code=023


それでは!

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
うそこメーカー
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