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167話:空気砲の原理

さて、一通り遊び終わって今はケンとユッチとアオちゃんで雑談中。


「ヤス、この空気砲って別に煙を溜めなくても打てるんだよね?」


「打てるぞ? 煙を溜めた方が打った方向がよく分かるってだけだ」


「そうなんだあ……すごいねえ、これ」


だな。初めに思いついた人はすごいなあ。


「ねえねえ! なんで空気が吹っ飛んでくの?」


「ユッチ、段ボールの中には何が入ってると思う?」


「ええと……何も入ってないよねえ?」


「いやいや、何か入ってるだろ? 出てく物が」


「ええと……気合い?」


「確かにユッチは気合い入れてるな。……って違うだろ!?」


「愛情?」


「『愛しのあなたに飛んでけー』」


……俺はバカだ……。


「怒りと憎しみ?」


「……ユッチは何を思って空気砲を打ってるんだ?」


「じょ、冗談だよお……ええと……煙だよね」


「そうそう、煙。煙の他にも入ってるぞ」


「……わかんない」


「名前を見ると書いてある、これは『空気砲』だぞ」


「……空気?」


「正解! それでだな、空気砲の横を叩く事で、中の空気を外へ押し出す訳だ」


「どうして空気が出てくのさあ? 叩いただけじゃ出て行かないんじゃないの?」


……変なツッコミを。ここで納得してくれればいいのに。


「よし、この図を見てみろよ?」


カリカリ……。


┌────┐

│◯  ◯

│ ◯  ◯

│ ◯

│  ◯

│◯  ◯

└────┘


「空気砲はこんな感じだな。丸は空気だと思ってくれ。閉じられてない方が段ボールの穴な」


「うん」


   ↓

┌────┐

│◯  ◯

│ ◯  ◯

│ ◯

│  ◯

│◯  ◯

└────┘

   ↑


「で、両側から叩いて、圧力をかける訳だ。中の空気はどうなると思う?」


「ええとお……空気って動くの?」


「空気が動くと風になるんだぞ、日常的にも空気は動いてる訳だ。んで、空気もボールと一緒だぞ。力を加えられたら、同じ方向へ動く」


「ふうん、それじゃあこうなるのかなあ」


   ↓

┌────┐

│◯  ◯

│↓◯ ↓◯

│ ↓  ↓

│ ◯↑

│↑ ◯↑

│◯  ◯

└────┘

   ↑


「そうそう、そんな感じに動く訳だ。それで、その空気達が真ん中についたらどうなる?」


「真ん中にきて……」


   ↓

┌────┐

│◯◯◯◯

│◯◯◯◯ 

└────┘

   ↑


「こうなるんだよね? これで終わり?」


「いやいや、ボールとボールがぶつかり合ったら、ボールはどうなる? 止まるっけ?」


「ええとお、跳ね返ったり別の方向に飛んでったりするよねえ?」


「ボールの場合はそうだよな。でも、実はこの空気達は後ろからもどんどんと空気が迫ってきてる訳だ」


   ↓

┌────┐

│↓ ↓

│◯ ◯←後続の空気

│◯◯◯◯

│◯◯◯◯ 

│ ◯ ◯←後続の空気

│ ↑ ↑

└────┘

   ↑


「すると、どうなるんだろう?」


「左には壁があって……後ろには戻れないからあ……右方向へ行くの?」


お、ユッチが書き始めた。

どれどれ?


   ↓

┌────┐

│↓ ↓

│◯ ◯

│    →◯◯◯◯

│    →◯◯◯◯ 

│ ◯ ◯

│ ↑ ↑

└────┘

   ↑


「そう言う事! それで空気が飛んでく訳だな」


ふう……何とか説明できた。


「じゃあさあ、なんで煙はドーナツになってるのさあ?」


……まじ?

俺もそんなに詳しくないんだよ。きちんと説明できる自身が無いんだよ。 


「まずさ……段ボールの中には空気が入ってるって言っただろ?」


「うん」


「いま、空気は右方向へ飛んでいった。でも、段ボールの大きさは変わってない訳だろ。じゃあ中に入ってる量も一緒だと思わないか?」


「ええとお……そうかもお」


「って事は、出てった空気の分、どこから空気を入れよう?」


「段ボールであいてるとこって穴の部分しか無いよお?」


「って事は穴の部分から空気が入ってくる訳だな、さっきの図で説明するぞ」



   ↓

┌────┐

│↓ ↓

│◯ ◯←後続の空気

│     ●←

│   →◯◯◯◯

│   →◯◯◯◯ 

│     ●←

│ ◯ ◯←後続の空気

│ ↑ ↑

└────┘

   ↑


「黒い丸が入っていく空気な」


「駄目じゃん。ドーナツにならないよ?」


「説明が前後しました……ごめんなさい。こういう空気とかを効率よく出し入れする時、渦をつくるのが一番効率がいいんさな」


「うずう?」


「そうそう、後続からどんどん『はやくいけやあ』と言われてるから、出来るだけ速く出ようとする。その時に内側は入る空気、外側は出てく空気って整列して空気は出入りする訳だ」


   ↓

┌────┐

│↓ ↓

│◯ ◯

│   →◯◯

│   ●●←入る空気

│   ●●←入る空気

│   →◯◯

│ ◯ ◯

│ ↑ ↑

└────┘

   ↑


「何で整列するのさあ?」


「人間だって出てく方、入ってく方って分けるだろ? 出入りする分けずに入り乱れたら、全然前に進んでかないさ」


バーゲンなんか、ぐちゃぐちゃになってるせいで全然前に動いてかないし。


「整列すると、空気は渦になってる訳だ。だから煙は渦上になってる訳だ」


「なるほどお!」


「効率よく出てくために並んだ格好なんだから、そりゃよく飛んでくと思わね?」


「そうだよね……よくわかったあ! ありがと!」


ふう……ちょっとごまかしたところもあるけど、まあ納得してくれたようでよかった。


「ヤス、そろそろ何か対抗戦でもやらねえ?」


「対抗戦? それ、何やるんだ?」


ケン、面白いやつ頼むな。


「ええとだな……3つくらい考えてみた」


その瞬間に3つか、すげえな。


「まず、ろうそくが10本あるじゃん」


「ふむふむ」


「ろうそくを縦に1直線に並べて、はじっこから空気砲を打って、どこまでろうそくが消えるか挑戦」


なるほど。


「2個目は空気砲ボーリング、鉛筆を10個ボーリングとおんなじように並べて、いくつ倒せるか挑戦」


それも結構面白いかも。


「3個目はサバイバルゲーム。ひとりひとりの空気砲に吹っ飛びやすい物をくっつけて、それを空気砲で吹っ飛ばす。くっつけたもんが落っこちた時点でその人は負け。個人戦でも団体戦でもOKだぞ、団体戦の場合はチーム全員がやられた時点で終わりかな?」


「おお、それが一番面白そうじゃん! ……けど、吹っ飛びやすい物って何がある?」


「風船とか? ……持ってないなあ」


そりゃ合宿に持ってきてたらすごい。


「スーパーのビニール袋で代用できるんじゃないですか?」


……出来るんだろうか?


「こうやって息を吹き込んで空気を詰めて、上の部分をしばって閉じるんですよ」


おお、何となく吹っ飛びそう。

アオちゃん,すげえ。


「それで、細かく切ったティッシュを濡らして、これで段ボールにはガムテープでくっつけて、ビニール袋は軽くしばります」


「ほおほお」


「段ボールの上にくっつけて、空気砲でポンっとやってみましょう」


……おお! 吹っ飛んだ!


「アオちゃんすげえ!」


「いえいえ……」


「てれるなてれるな! すごいすごい」


「そんなに褒めないでくださいよ……」


「いやだって、すごいじゃん! ビニール袋が風船代わりになるなんて大発見だろ? すごいすごい」


「ヤス、しつこいぞ」


……ごめんなさい。











と言う訳でチーム分けをしてみた。


透明のビニールチーム(チームハーパン):ゴーヤ先輩、ケン、ユッチ、サツキ

白のビニールチーム(チームジャージ):キビ先輩、アオちゃん、ポンポコさん、ミドリちゃん、俺


「いきなりやられたりしたら可哀想だから、3回戦な」


『OK!』


「例によって、罰ゲームはありだろ?」


またか……ケン、お前はなぜ罰ゲームをつけようとする?

そして何故みんなはそう言うのにノル?


「ヤスは昔から大ドジをしているとよく聞くからな。罰ゲームは負けたチーム全員が過去の恥ずかしい思い出を言っていくという事でどうだ?」


ゴーヤ先輩、やめて! そういうので勝てた事無いんだよ!


……くそお、一致団結しやがって……結局罰ゲームはそれになってしまった。

まあいい、勝てばいいんだ。勝てば。

おはようございます、ルーバランです。


今日は何とか朝のうちに投稿できました(^^


空気砲の原理はこんな感じです……きっと。

分かりにくかったり、間違ってたら教えてください。


それでは今後ともよろしくお願いします。

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
うそこメーカー
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