166話:作って遊ぼ!
さてさて、勉強の時間。
さすがにユッチも2日連続で何かしたから、今日も何かするもんなんだろうと待ってくれてるな。
「ユッチユッチ、今日は俺がネタを考えたぞ」
「ふーん、ヤスかあ」
……なんだそのどうでもよさそうな声は。
「そだよね、一昨日がポンポコ、昨日がアオちゃんだったんだから、今日はヤスの番だなあ」
一昨日、別にポンポコさん作じゃないんだけど。
「それで、今日は何するのさあ? 図画工作?」
「いや? 立派な理科の実験っすよ」
「うそお!? 理科あ? 図工にしか見えないよお?」
……そこまで言われる筋合いはねえ。
ちなみに今俺が持ってきたのは段ボール、ガムテープ、コンパス、カッター、ろうそくとチャッカマン、あともう一つ、蚊取り線香。
そんなにこの組み合わせは変か?
「まず、完成系を見せてやろう!」
ドン!
後ろに隠してた完成品をユッチの目の前に置く。
「ただの段ボール箱じゃん、そんなの作りたくないよお」
「何を言ってるんだよ、これを見たらボクも作りたいって言いだすに決まってるから」
「ホントかなあ?」
「まずはチャッカマンで蚊取り線香にチャッカ」
チャカチャカ。
「ふんふん、どうするの? ワクワクさん」
こら、誰がワクワクさんだ。
「よくみてろよ、ゴロリ。この穴に蚊取り線香から出てくる煙を入れていくんだ」
モクモク、モクモク、いっぱいになったな。
「ふんふん、それでえ?」
「この穴の方をゴロリに向けるんだぞ。そして段ボールの側面を手のひらでポンッと叩いてみるんだ」
ポンッ。
「ブワッ………………ケホッケホッ、何するんだよう?」
「すごいだろ、これが空気砲だ!」
「な、何でボクに向けたんだあ?」
「……なんとなく? よいこのみんなは真似しちゃ駄目だぞ」
「誰に向かってしゃべってるんだあ!」
「テレビでワクワクさん、最後らへんでカメラ目線になって言いそうじゃん」
「まだ終わりじゃないだろお!? 作って遊ぼおだよ? ボクまだ全然作ってないよ」
たしかにそだ。自分がつくったもんだから作った気になってた。
「でも、すごいね! それ、どうやって作るの? ボクも作りたいなあ」
お、ほんとに作りたいって言ってくれたじゃん。
「まあまあ、慌てなさんな。まずは原理解説しないとべんきょにならないだろ?」
「えええ!? ワクワクさんはそんな事言わないよお」
ええと……そうだったっけ? んじゃあ。
「ゴロリ、これはすごく簡単だからね。一緒に作ってみよう!」
「やったあ!」
……あれ? 原理の説明はどこに行った?
「ヤス君、ただの遊びになってるじゃないですか」
……ごめんなさい。
あれえ? 勉強のつもりだったのになあ。何か上手くユッチにのせられた気がする。
……と言う訳でみんなで作成。今日のメンバーも昨日と一緒。
「さ、んじゃ作っていくよ? まずはこのたたまれた段ボール、もう一度組み直そう」
『はーい』
なんだか保父さんになった気分だ
「できたかな? そしたら、箱の内側をガムテープで貼ります」
「なんで内側にはるのさあ? 外側だけでも十分じゃない?」
「確かに別に外側だけでも十分なんだけど、内側と外側、両方貼っておくと空気の漏れが少ないぞ、そしたら勢いの強い空気砲が出来るぞ」
「そうなんだあ! じゃあ内側にもちゃんと貼る!」
「それで、手で持つ部分とか、穴があいてる段ボールもあるから、そう言うところもガムテープで貼っておこう」
…………おし、できたかな?
「次に、コンパスを使って、段ボールの真ん中に円を書こう。円が大きすぎると全然空気飛んでかないから、直径10センチメートルくらいの小さめの穴にしといて」
「ヤス、何で丸なんだあ? 三角でもいいじゃん」
「三角でも大丈夫だ。でも、一番飛ぶのが丸だぞ」
多分だけど。自分が試したときはそうだった。
「んで、出来た円にそってカッターを刺して、のこぎりで切るように切ろう。手を切らないように注意してな」
「よし、切れたよ。ヤス兄、次はどうするの?」
「これで完成! 簡単だろ?」
おしおし、サツキ以外の人も全員できたな。
「ホント簡単だったね。これでどうやるの?」
「あとは側面をポンッと叩けば空気が飛んでくぞ。思いっきり叩くより、ポンポンと軽く、はねるように叩いたほうが空気が飛ぶから、試してみ?」
「ヤス……それ言うの遅いよお」
ユッチ……思いっきり叩きおったな。
何で1回たたいただけで段ボールが潰れるんだよ。
「ユッチ、作り直しだな」
「ええええ!? みんなもうできてるのにボクだけまた!?」
他のメンバーはもう遊び始めてっからなあ。
お、ケンはすげえな。部屋の隅っこから一番隅っこのろうそくに当てて消しちゃった。
「まあ……しょうがないじゃん、手伝うから」
「ありがとヤス! ボクが組み立てるから、ヤスはガムテープきってえ!」
ういうい、了解。
「急いで急いで!」
いそがすな!
「ヤス、そんな短くきるなあ!」
分かるかそんなもん!
……やっと出来た。
今、ユッチが煙を入れてる。
「ありがとおヤス。 一発目は決めてたんだ」
「何を?」
「……くらええ! ヤスう!」
「……プハッ……ごほごほっ」
突然何をする、ユッチめ。
「さっき仕返しだあ! わかった? ワクワクさん。煙を人に向けたら駄目なんだぞ!」
なるほど……ごめんなさい。
こんばんは、ルーバランです。
最近投稿時間が不定期になりまして、申し訳ありません。
朝に投稿できるよう頑張ります。
空気砲、簡単に出来ますので、やってみたいと言う方は是非。
細かい作り方はこのページを参考にしてみてください。
http://www.j-muse.or.jp/tamatebako/kousaku/cb11/index.html
それでは。