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160話:あるある川柳

川柳考え中……考え中……考え中……終了。

おし、いくつか思いついた。

こんだけ考えればかぶりはしないだろ。


「ヤス、OK?」


「OKっす!」


誰から発表していくんだろ。


「まずは私から!」


キビ先輩からか。


「歯のすきま すじがはさまる とれないよ」


「あー、わかるな。ゴマとかネギとか、確かに全然とれない」


確かに、ゴーヤ先輩の言う通り、ゴマとかネギって歯にはさまって全然とれんし、あとガムとかキャラメルとかも歯に引っ付いてなっかなかとれなかったりするよな。


「そうなの! 牛肉とか鶏肉とかタコとか……この前は魚の骨が歯にはさまっちゃってさあ……」


キビ先輩、肉ばっかやん!


「わかるわかる、何とか舌でとれないかって口の中モゴモゴするんだが」


「でも、思いっきり舌を動かしてるのも恥ずかしいよね」


……まあ確かに肉のすじって舌をモゴモゴしてても全然とれないんだが。


「キビ先輩、そう言うときは爪楊枝っすよ! こう『しー、しー』って」


「ヤス兄、親父臭い」


「……傷つく事言うなよ、サツキ。でも爪楊枝ってすごいんだぞ。糸楊枝でもいいんだけど、とにかくシャカシャカするだけでもどかしいやつがすっきりするんだぞ」


「ヤス兄、親父臭い」


「連呼しないで! 何で駄目なのさ!? 爪楊枝!?」


「ヤス兄、親父臭い」


くそお……この爪楊枝のすっきり気分が分かってくれんのか?

……まあいいよ、次いこ次。


「次は私が言ってもいいか?」


次はポンポコさんか、どんなの考えたんだろ?


「『近頃の……』 言うおじいちゃん 横はいり」


「いるいるう! そう言うおじいちゃん、すっごいいるう! 行列のご飯屋でようやくボクの番って時にささっと横はいりして『ねえ……』って声かけようとしたらギロッと睨んできたおじいちゃん! そしてボソッと『近頃の若いもんは……』ってさあ……なんでえ!?」


「いますよね。『近頃の若いもんは言葉遣いがなっとらん!』と怒っておきながら、自分自身全然ちゃんとしゃべれてないおじいちゃんおばあちゃん」


ユッチとアオちゃん、すんごい同意してるんだけど……よっぽどやな事だったんだなあ。


「おじいちゃんおばあちゃんだけじゃなくて、おっちゃんおばちゃんでも多いよなあ……そう言う人」


「そうそう! 『電車で騒ぐな!』 って怒ってるおばちゃん達、バスの中で友達と『あっはっは!』 って騒いでたりするんだあ」


「『電車で騒ぐな!』 と怒る人とバスで騒ぐ人、同一人物とは限りませんけど、どちらにしても『近頃の若いもんは……』とひとくくりにしないで欲しいですね」


やっぱりユッチもアオちゃんもなんかすごい実感こもっていってるなあ……。

そんなにすごい人にぶち当たったんかな。


「ねえねえ! 次、ボク言ってもいい!?」


「駄目、やっぱり主役のユッチはトリだろ?」


「なんでだよお!? トリってすごい大変じゃんかあ! 誰かやりたい人に任せてよ!」


「トリやりたい人はいないって……」


「じゃあ多数決にしようよお! トリはヤスがいいと思う人!」


……。


「あれ? なんでえ?」


「残念だったな、今日はいじられ役は俺じゃない……ユッチだ」


「自分でいじられ役って言うなあ!」


確かに……何言ってるんだ俺は。


「……まあいい、トリはユッチガンバ!」


「くそお、ヤスのバカあ!」


トリにならなきゃバカでいい……最初が好きな人もあんまいないけど。

……でもケンはどんなにしらけた空気でもトップバッターが好きだよな。

先にやっておくと後の人のやつは気楽に見れるからって。


「それじゃあ、ユッチ先輩じゃなくて私が言ってもいいですか?」


「……どおぞお……ヤス、覚えてろお……」


さてと、拗ねてるユッチはほっといて3番手はミドリちゃんか。


「5枚以上 ひらがな増やして 行変える」


「……ん? 何それ?」


よく分からなかったんだけど。


「読書感想文みたいな作文書く時やりません? 『原稿用紙5枚以上書きなさい』って書かれていたら、『思いました』は『おもいました』にかえたり、『した所』は『したところ』みたいにかえて字数を稼ぐんですよ」


「あ、それ私もしたよ! 5枚以上なんて何書けばいいの!? って感じだもんね!」


「……サツキ、お前は小学校4年の時に全てひらがなで提出しただろ」


担任の先生がびっくりしてた。


「あははー、気にしない。ヤス兄」


ちょっとは気にしてくれ!

せめて自分の名前くらいは漢字で書いとけよ。


「それで、句点とか読点を増やしたり、『と思いました』って部分を『私は思わされたかもしれない事もないんですが、どうなのでしょうか?』みたいに変えて、なんとか文の最後を一番上に持っていくんですよ」


何か無理矢理字数を増やした感がバレバレなんだが……。


「やるやる! 原稿用紙って20文字だから、まるまる19文字ぐらいそれで稼げるんだよね! 後さ、『何何すべきだ』って文ってさ、『何何しなければならない』って変えるとすごい字数増やせるよね」


「ですよね! 『しなければならない』って言葉、お得ですよね!」


多分そう言う事考えるより、『と思いました。だから僕たちはこれからこうしていかなければならないんだ!』とか新たに適当に1文作った方が行数は稼げるんだが……まあいいや、小学校の頃、俺もよくやったし。


「そろそろ俺が言っていい?」


今のうちに言っとかないと、アオちゃんやケンとかぶるかもしんないし。


「どぞ、ヤス兄」


「いいぞ、ヤス」


おし、何故かサツキもケンも親切。


「58(ごじゅうはち) 3個まとめて 198(いちきゅっぱっ)!」


「……? さっぱりわからないぞ、ヤス」


「ボクも分かんなかったあ……」


「ケンとユッチは分からないか……分かりにくかったかな? えと、サツキはわかるよな、よく一緒にスーパーに買い物に行くし」


「わかるけど、わかりにくいよ。ヤス兄、この川柳じゃ解説が必要だね」


そか、分かりにくいか……5、7、5にまとめようと思うとこうなっちまう……もうちょい上手く詠めんかなあ。


「スーパーでよく見かけん? 先週だと、人参が1本58円でまとめ売り3本だと198円になってたんだ。あとしめじも1つ98円で売られてて、2つで198円だったんだよ。もちろん産地も大きさも一緒だぞ」


「ヤス、それのどこが変なんだあ?」


……気付けユッチ。


「ユッチ、58×3っていくつですか?」


「ええと……だいたい200円くらい?」


何でだいたいになるんだよ!? 間違っちゃいないけど! 確かに買い物のときはそうやって計算するけどさ!


「正確には174円なんですよ」


「うんうん、それでえ?」


「と言う事は、人参を個別で3個買えば174円になりますよね。3つまとめ売りで198円……まとめて買う方が普通は安くなるんですけど、高くなってますね」


「あ、ほんとだあ! おかしい! そのスーパー!」


「私が見た事あるものですと、キャベツ1/2玉が108円、キャベツ1玉98円というものや、白菜1/2玉168円、白菜1玉150円というものがありましたよ」


「だよな、あるよな! なんで安くなるんだ!? って思っちまった」


「私の家ですと、白菜1/2玉あれば十分なのですけど……1玉買うかすごく悩むんですよね、結局買っちゃいましたけど」


そうか、買ったのか。


「その後、毎日白菜でしたね、お姉ちゃん」


「帰ってみたらお母さんも白菜1玉買ってましたからね」


あ、それもよくある! 安いと思ってついつい買ったら、家族みんな買っちゃってたって事。


「それにしてもヤス兄、それ高校生の川柳じゃないよね。どっちかって言うと主夫の川柳だよ」


「確かにそうですね」


「ヤスはいつでも家計を考えているのだな、えらいぞ」


「うん、えらいよ! ヤス」


……なんかみんなして俺を主夫にしたがってないか?

俺は主夫じゃないってば!


「さて、次は誰だ?」


「次は私が詠ませてくれ」


……ゴーヤ先輩か。どんなの詠むんだろ。


「頼れると 付き合ってみたら 頼りない」


……きっつう。聞きたくねえなあ。


「ありますよね。付き合う前と付き合った後ではイメージが全然違ってたって事。最初は優しい人だったんですけど、付き合うといきなり偉そうになったりするんですよ」


「そうなんだよ。頼れる人と思ってたら口先だけで全然頼りなくて、幻滅だった」


「ああ、あの3年の先輩ですか?」


……名前が出てこない。今頃どうしているんだろう。


「そう、3日で別れた。成田離婚より速いな」


「他にも、2人っきりのときと人前のときですごく態度が変わる人いません?」


「それくらいなら普通じゃないか? 人前ではカッコつけたいものだし、アオちゃんだって2人っきりになるとちょっと甘えたくなったりしないか?」


そんなものなのか……将来の参考に……。


「あ、確かにそうですね」


「それより私は四六時中メールとか電話してくる彼は駄目だったなあ……そこまで束縛されたくない」


……サツキにしまくってるけど、実はサツキには嫌がられてる?

うん、そんな事無いよな。兄妹の場合には関係ないな。そう思っとこ。


「用事もないのに電話してくるんですよね」


「そうそう、最初は楽しかったんだが、内容の無いメールのやり取りに飽きてしまって」


「ありますあります! それで返信するのやめましたら、何で返信しないんだよって言ってきて、めんどうになっちゃいました」


「友達同士でも私の場合は無意味メールを何度も送ってきて欲しくないな。ただそう言う事が好きな人も結構いるな」


そうなのか? サツキに無意味に日記みたいなメール送ってるのまずい?


「そうですね、返信を求めてこなかったらまだましなんですけど」


おし、俺はまだましだ…………………………………………でも、日記メールは自粛しよ。


「……ところでゴーヤ先輩は彼からの絵文字、顔文字はOKですか?」


え!? 駄目なん? 俺使いまくってるけど。


「ありなんじゃないか? 私は全然気にしてないが?」


「彼じゃないんですけど高校入学した時にアドレス交換した男子からこんなのが送られてきたんですよ……ええと……これです」


お、見てもいいんか?

どれどれ……?


------


入学ぉたがぃにぉめでとヽ(゜・^*)^☆.。.:*・゜☆祝☆゜・*:.。.☆^(*^・゜)ノ

これから(*・.・)ノ ヨロシクニャン・:*:・゜'★.。・:*:・゜'☆♪

それじゃぉ(=^o^=) や(=^O^=) す(=^。^=) みぃ(=^-^)/~~ ♪


バビブベボー ヾ(◎皿◎)→ バイバイキーンまたぁしたぁ!!


------














……すげえな、顔文字でここまでやるのか。これ誰がだしたんだろ? 文面から行くと大山高校1年の男子の誰か……知りたいけど知りたくないな。


「……私は男子からこれもらったらひく」


「私もひきました」


……ゴーヤ先輩とアオちゃんで盛り上がってるけど……。

……話についてけずぽかーんと聞いてる人はと……ケン、サツキ、ユッチ、ポンポコさん、キビ先輩……おし、俺だけじゃない!

しかし……ミドリちゃんがウンウンうなずきながら聞いてるのが気になる……付き合った経験あり、もしくは今付き合ってんのかな。……はええな、小学6年生。







「……そろそろ次言っていいか?」


ポンポコさん、ちょっと不機嫌だ。

完全にアオちゃんとゴーヤ先輩、ミドリちゃんの3人の世界に入ってたからなあ……。


「あ、いいですよ。次私が言いましょうか?」


「ああ、よろしく頼む」


「ええとなんでしたっけ……そうそう『あしたやろ あしたになった あしたやろ』」


「なるほどな……」


「確かに、めんどい事ってそうするよな」


「ケン君もですよね」


「やるやる、夏休みの宿題なんて母ちゃんに『あしたやるぞ』って言っておきながら明日になってみて遊びに誘われたらそのまま遊びにいって、家帰ったら『めんどい、あしたやろ』って思うんだよ」


「ですよね」


「それで8月31日、しんどい思いするんだよなあ……9月1日が土曜日とか日曜日だと宿題が何とか終わるから大喜びしてる」


「あ、それボクもボクも!」


お前ら、まじめに進級してくれよ。

高校からは留年もあり得るんだからな。来年後輩になってるとかいやだからな。


「今年は大丈夫ですか?」


「……………………………………」


「ケン、目を逸らすなよ!」


「ボクは大丈夫だもん、切り抜けるもん」


「ユッチ、開き直るなよ!」


……9月2日はテストだったりするんだが……大丈夫かな。


「後言ってないのは誰でしたっけ?」


「ええと……ケンとサツキとユッチかな」


「そだね。えっと、私とケンちゃんは同時進行!」


「ああ、似た感じのだったからな」


ふむ、似た感じの……どんなのだろ。


「それじゃあまず私から! 『5分だけ 布団の中で 3時間』」


「次は俺! 『後5分 ゲームをしてて 3時間』」


「ああ、サツキもケンもよくやるよな。土日は特に」


「そうなんだよね、布団の中ってポカポカしてて気持ちいいから、1回起きても『5分だけ寝とこ』って思って結局3時間以上寝ちゃうんだよね」


「俺も、後5分やるとセーブポイントが見えてきて、キリがいいとこまで行くよなって思ってたら、結局次の町まで行こって思ってついつい3時間も……」


「ってかサツキもケンも……3時間じゃないだろ。そこは6時間って言うべきじゃん?」


「ヤス兄、言わないでよ! せっかく控えめに言ったのに!」


いや、6時間でも十分控えめに言ったつもりだったんだが……。


「実はもう1個あるんだよね、ケンちゃん」


「そうそう、もう1個あるんだよ」


……なんじゃらほい。


「それでは発表! 『ごめんなさい プリンを食べたの 私です』」


「『ごめんなさい スイカを食べたの 俺でした』」


「お前らかあ! 俺の食後の楽しみを奪った張本人達は! この前は『知らない』って言ったじゃんか!」


「こう言う事よくあるよね、ケンちゃん」


「そうなんだよな、心の中でやましい事があると、つい知りませんって言っちゃうよな」


「サツキ! ケン! そこになおれ! 説教タイムだ!」


『すみません 心の中で 舌を出す』


「謝罪の気持ちゼロじゃねえかあ! 反省しろやあ!」










はあ、はあ、はあ……。


「ヤス兄、そんなにプリンが大事だったんだね。ほんとにごめん……」


「ヤス、スイカ食べちまってごめんな……」


なんか、俺がものすごくけちくさいやつみたいだ。

もういい……過去の事は気にしない!


「さあトリだ。ユッチ、派手なやつを頼むな!」


「は、派手って何さあ? ハードル上げないでよお……」


「そんなに困るな、十分楽しんでるんだから気楽に行け」


「うん、わかったあ……えっとね……」


うん。


「ええと……」


うんうん。


「えっとお……」


溜めるなよ。余計に期待が高まるぞ。


「い、いくよお? 『どうしよお? 身近な人の カミングアウト』」















「あれ? ねえ! 誰か返事してよお! そんなに『ないない』な内容だったかなあ……?」


……いや、『あるある』な事なんだけど、その川柳にどうしよう……?


「これ、思ったのボクだけなのかなあ……」


カミングアウトの内容にもよるけど……ユッチ、最近誰か身近な人に衝撃の事実をカミングアウトされたのか?

おはようございます、ルーバランです。


読んでくださった方、「ああ、あるある」「いるいる」「やっちゃうやっちゃう」と思っていただけたでしょうか?


どれか1個でも「あるある」と思ってもらえたら嬉しいです。


「あるある川柳」、今後も募集したいです。

小説内でポロリと紹介させていただきます。


↓顔文字、お借りしました。ありがとうございます。

http://www.facemark.jp/facemark.htm


それでは今後ともよろしくお願いいたします。

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
うそこメーカー
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