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155話:よくわかる解説

「どうでした、ユッチ?」


「どうって……浮気はだめだよねえ?」


ああ、うん。この話見てればそう思うだけかも。


「いえ、それはそうなんですが。 もっと他の事思いませんでした?」


「ああ、あれだよね……ヤス!」


「へ? 俺?」


なんかやったっけ?


「もっとちゃんと演技しなよお。『ほぎゃほぎゃ』、すっごい棒読みだったよ」


「やだよ。あれでもすっごく恥ずかしかったんだ」


これ以上は恥ずかしくて出来るかい。


「でも、ゴーヤ先輩までが熱演してる中、浮いてたぞお! ああいうのはまじめにやったほうが恥ずかしくないんだぞ!」


「ユッチだって演技するの下手じゃんかよ! すっげえ棒読みだったじゃん!」


「え? ボクいつ演技なんてやったっけ?」


「『小説家になろう』の小説談義したとき」


「あの時ボク、ものすごく一生懸命演技やったよお!!」


まじか……それはごめん。


「そういえば、ヤスってO型でいいの?」


「ああ、俺O型。だからおおらかだろ?」


「……ええと……どこが?」


「これだけいじられてても怒らない!」


「………………えと」


「……ごめん、何も言わないで」


自分で言ってちょっとむなしかった。


「……話がずれましたがこれは生物の遺伝の話ですよ」


「ええ? ……どこがあ?」


「AB型とB型からはO型が生まれないって部分です」


ま、実際その部分だけだからな。


「そりゃ生まれてこないでしょ? だって血液型って親と一緒になるんだろお? AB型とB型の子供だったら、それもらってAB型かB型になるもんじゃないの?」


「違いますよ」


「……そうなの?」


「子供は母と父、両方から半分ずつ遺伝するんです。人間は誰でも血液型の遺伝情報を2個持ってるんですよ。そしてそのうち1つを親からもらうんです」


「2個?」


「たとえば血液型で言えば、私はABですよね。Aという遺伝情報とBという遺伝情報の2個持ってるわけですよ」


「ボクはOだけだよ? A型とかB型の人も1個だけじゃん」


「ユッチはOとOの遺伝子を持っているんですね。A型やB型の場合はAA型という場合とAO型という2種類がありますね」


……ややこしい。


「……?」


アオちゃん、ユッチもきっとわかってない。


「……ええと、表にしてみましょうか」


そういって、アオちゃんがホワイトボードに書き書き。


血液型|遺伝子型

A  |AA、AO

B  |BB、BO

O  |OO

AB |AB


「こんな感じです」


「……AOってのはOにはならないの?」


「Oは劣性って言って、AやBがいると表面に出てこないんです。Oは自分が2個集まったときだけ、表に出てくるんです」


「そうなんだあ」


「子供が生まれる時、親の遺伝子型から1個ずつもらって血液型が決定するんです。血液型の問題が出たときはこの表を覚えておけば大丈夫ですよ」


「……ふーん」


わ、すんごい興味なさげ。


「うーん……ユッチ、いろいろ組み合わせましょうか」


「なにを?」


「第1弾! ユッチとヤス君の間に子供が出来たら」


「何で俺!?」


「何でボクとヤスなのお!?」


人を使うな!


「いいじゃないですか。遊びですよ」


や、遊びでもいろいろ恥ずかしいっす。


「しかし、ユッチとヤスの子か……ユッチに似て小さくなるのか? ヤスに似て大きくなるのか?」


「そうだな……どっちになるのだろう?」


そこ、ケンとポンポコさん! 考えなくていいから!


「ええと、ヤスがO型でボクもO型だから……O型しか生まれないんじゃないかなあ?」


「その通り……簡単すぎましたね。何でヤス君、O型なんですか?」


知らんがな! 神様にでも言ってくれ!


「第2弾! そこで話してるポンポコさんとケン君に子供ができたら」


「……ヤス、これ言われるのやだな」


だろ? ケンもたまには俺の気持ちを分かってくれ。


「えっと……ポンポコがB型で、ケンがA型なんだよね」


「そうですよ。今回はポンポコさんはBO型、ケン君はAO型と言う事にしましょうか」


「ええと……ポンポコからはBとO……ケンからはAとO……組み合わせるとBとA、BとO、OとA、OとOの4つ……ヤス、これであってるのかなあ?」


「あってるぞ、あと少し」


「えっと……表を見ると……BとAだとAB型、BとOだとB型、AとOだとA型、OとOだとO型……全部生まれる?」


「その通りです! ユッチ、大正解です」


「……えへへえ」


はにかむユッチの顔、ちょっとかわいらしい……うん、飴をあげたくなるな。


「遺伝は高校ではメンデルの法則を覚えておけば大丈夫です。エンドウ豆とか色々ありますけど、今のと考え方は全部同じですよ」


「ほんとお?」


「ほんとです。性別のとかはややこしいですが一緒です」


「性別ってどんなのさあ?」


「XXが女性で、XYが男性ですね。さっきと同じように考えるだけです」


「えっとお……女のXと男のXって一緒なの?」


「一緒ですよ」


ユッチ、細かいところを聞くなあ。


「YYってのはないの?」


「雌雄同体の生物、カタツムリ等ならありえますが死んでしまうそうですね。例外はあるかもしれませんが、よく知りません。人間にはありませんよ?」


「人間にはないの? なんでえ?」


「女の方にYが無いからですよ」


「……よくわかんない。何でYYは無いんだあ?」


「……えっと……」


アオちゃん、どう回答すればいいか困ってる……。


「ユッチ、想像してみろ」


「ヤス、何を?」


「女の方にはXしかないんだぞ。つまりYを持ってるのは男だけって事だ」


「それでえ?」


「今、XXとXYしかいないと言う事はだ、子供を生んで、YYを作るんだぞ」


「それでそれで?」


……もうそろそろ察してえ。


「子供を作るには夜の運動をしなきゃいけないんだ。Yを持っているのは男だけ、つまりは男と男、例えばマルちゃんとノンキで夜の運動をしても、子供はできないぞ」


「……」


「……」


「……」


「……」


「……」


……。


「おえええええ……すごいの想像しちゃったじゃないかあ!! なんてこと言うんだあ!」


「ってかユッチこそ途中で察してくれよ!!」


「わざわざマルちゃんとノンキとかいうなあ!! これからあの2人を見る度に想像しちゃうじゃんかあ!」


「俺のせいか!?」


「ヤスのせいだよお!!」


まじか……身近な例の方が分かりやすいと思ったんだが……。


「わかった。別の話で忘れさせてやる」


「ちゃんとした話にしてよお?」


えーっと……。


「分かった。ちゃんと勉強の、しかも遺伝の話だ」


「うんうん」


「さっきのXX、XY、どっちが女でどっちが男か、分からなくなるかもしれんだろ?」


「うんうん」


「こうすると絶対忘れない」


「どうするのさあ?」


「Yの字をじーっと見てみろ……」


「じいーっ……見たけど、何?」


「Yと言う字には棒がある、そして男にも棒がある。XXとXYで、Yという棒がある方が男って事だあ!!」


「……死ねえっ!!!」


ボカッ!


「いてっ! 殴るな!」


ポカポカ!


「痛いから! ほんとにこうするとだな!」


ボカボカ!


「痛いって! 忘れないんだぞ!!」


「うるさいうるさいいっ!! ヤスのドエロッ!!」


「痛いっ! やめいっ! 誰かユッチ止めて!」


「無理です。ユッチ、そうなると止めれませんもん」


アオちゃん、今俺を見放しただろ!
















ウララ先生が来る直前にユッチの怒りは収まった。

……体中が痛い。


「ヤス君、明日もユッチに何か教えましょうね」


「……まじ?」


「まじです。ユッチの勉強嫌いの半分は私のせいですし。毎日やりますよ」


アオちゃん……俺が勉強嫌いになりそ。

こんばんは、ルーバランです。


よく分からなかった方、ごめんなさい。

下ネタが苦手な方、ごめんなさい。

でも、言い訳ですけど、遺伝の話って絶対下ネタはいりますよね?


でも自分が高校生の時、生物の授業で下ネタ無かったなあ……まじめだったなあ……先生。


……あと、何にでも例外はあります。

AB型とO型からは普通はO型は生まれませんが、生まれる例もあるそうです。


それでは、今後ともよろしくお願いします。

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
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