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149話:サーキットリレー、パート2

俺達のチームの走順は俺、キビ先輩、ケンになった。

ボーちゃん先輩チームの走順はサツキ、ゴーヤ先輩、ボーちゃん先輩。マー君先輩チームはユッチ、アオちゃん、マー君先輩だ。


サツキとユッチと勝負か……。負けん!


「じゃあいきますね! よーい」


パン!


ウララ先生が手を叩いてスタート!


「ケン! 行くべ!」


「まかせい!」


手押し車は中学のときからやってたからな、さくさく行ける。


「……ってユッチもサツキもめっちゃはやっ!?」


お前ら、ありえんだろ!?


「ユッチもサツキちゃんも軽いからな、んで2人とも筋力あるし」


そか、自分の体重を支えながら行く訳だから、軽いと負荷が少ないのか。


「ほらヤス、負けんな」


「当たり前だ!」


妹には負けたくねえ、兄の偉大さを見せてやる!






くう、手押し車はほぼ同時か。

次はタイヤ押しだ。


「3人とも、くじを引いてくれ」


「くじ?」


3本割り箸をもってこっちに差し出す。

……ポンポコさん、何言ってんの?


「タイヤの大きさに違いがあるのだ。アタリをひけばあのでかいのだな」


……なるほど、確かに3個のタイヤのうち1個だけめっちゃでかいのあるな。

あれはきついだろ。


「ボク1番にひくう!」


く、先とられた。


「えと……これだあっ! ……あれ?」


……ああ、割り箸のさきっちょに真っ赤な印がついてるな。


「ユッチ、おめでとう。アタリだ」


「うそお!?」


「ナイスユッチ! 俺らは軽いタイヤで先に行く!」


「ありがとうございます! ユッチ先輩!」


「えええっ!? ボクがあれ!? リタイヤしちゃうよお!」


どんまい、ユッチ。







うあ、きっつい!

だが、タイヤ押しのところでサツキを引き離した! ユッチはさらに後ろ!

このまま独走だ!

えっと、次はジョグと……。


「おし……ここで50メートル!」


次は腕立て、足あげ腹筋、ひねり腹筋、背筋、スクワット。

えっと腕立てはあごつけて、最後まで腕を伸ばすと……。


「んがっ!」


腕立てって丁寧にやると本当にきつい……。


「やっとヤス兄に追いついたっ!」


「ふっふ、追いついてないぞ。すでに俺は腕立て終わってるし」


「妹のために、ちょっと待っててよ!」


「駄目、いくら可愛いサツキと言えどもその願いは受け入れられません」


「……ちぇっ、買収失敗か」


そんな簡単に買収されません。











筋トレゾーンを過ぎて、スキップ完了!


「おし、二重跳び!」


まだまだサツキとユッチは後ろだ。

この差を維持したままキビ先輩にバトンタッチだ!


ていっバシッ!


あれ? 一重跳びで失敗?


もう1回挑戦!


ていっバシッ!


……なんで?


「って短いだろ! この縄!」


明らかに小学生用じゃん!

……ユッチ専用か?


「くそう、時間ロスした!」


別の縄……これなら大丈夫だな。


「ヤス兄、今度こそ追いついたね!」


「くそ、追いつかれたか!」


サツキめ、筋トレゾーンのクリア速いな。


「二重跳びで追い越しちゃうもん!」


「……俺は知っている。サツキの二重跳びの下手さを」


「ヤス兄に言われたくない!」


まあな、俺とサツキ、同レベルだし。

ユッチに追いつかれんためにも、急ぐぞ!


てやっ!


ぴょんぴょんぴょんぴょんぴょんぴょん……。

よし、この縄ならできるな。


ひゅひゅん、ひゅひゅん、ひゅひゅん、ひゅひゅん、ひゅひゅん、ひゅびしっ!


「くそっ、5回か」


後15回。


「私6回いったもんね! 私の勝ち!」


「サツキ、そう言うのは『ドングリの背比べ』と言うんだぞ」


「ヤス兄、そう言うのは『負け犬の遠吠え』と言うんだぞ」


うわ、ムカつく。

次は勝つ!


ぴょんぴょんぴょんひゅひゅん、ひゅひゅん、ひゅひゅん、ひゅひゅん、ひゅひゅん、ひゅひゅん、ひゅひゅん、ひゅひゅん、ひゅひゅびしっ!


「どだ! 8回!」


「残念! 私9回!」


なに!? また負け!?


「今度こそ見てろ!」


「返り討ちだよ! ヤス兄!」


ぴょんぴょんぴょんぴょんひゅひゅん、ひゅひゅん、ひゅひゅん、ひゅひゅん、ひゅひゅん、ひゅひゅん、びしっ!


「6回か、サツキは?」


「私は5回だった」


「やった! 勝った!」


次も勝つからな!


「残念ヤス兄、私はこれで20回だもんね」


……そうか、二重跳びは20回するんだったな。

俺は現在5+8+6=19回。


「……負けたあ!!」


「あいあい、頑張ってね。次はバービージャンプだったよね」


「やり方分かるか?」


「さっきケンちゃんに実演してもらったから大丈夫」


よし、それじゃ俺は二重跳び後1回をやるぞ。


「や、やっと追いついたあ……」


ち、ユッチにも追いつかれたか。


「ヤスとサツキちゃんは今どこまでやった?」


「俺は二重跳び後1回」


「私は今からバービージャンプです」


「そっかあ。……ボクはこっから挽回してやるからあ!」


自信満々だな。


「ええと……ボクのは……これこれ!」


あ、やっぱりあの短いのはユッチ専用なんだな。


さ、後1回やるか。


ぴょんぴょんひゅひゅびしっ!


「げ、1回も出来んで失敗?」


「慌てたなあ、ヤス」


そうかも、サツキがバービージャンプ始めてるし。


「ボクがお手本を見せてあげる」


「や、別にいい」


さっさとやりたいし。


「ヤス! ちゃんと見てよお!」


「……えっと」


「見てよ! やるからね!」


「……はいはい」


なんか子供を見守る親の気分。

……考えがおじさん化してる。


ぴょんぴょんひゅひゅんひゅひゅんひゅひゅんひゅひゅんひゅひゅんひゅひゅんひゅひゅんひゅひゅんひゅひゅんひゅひゅんひゅひゅんひゅひゅんひゅひゅんひゅひゅんひゅひゅんひゅひゅんひゅひゅんひゅひゅひゅんひゅひゅひゅんひゅひゅひゅひゅん!!


はやっ! 何その速さ! 途中から三重跳び! 最後四重跳びしてたし!


「どうだっ! すごいだろおっ!」


四重跳び、初めて見た……。


「ねえ、すごいだろお?」


どうやればあんな風にできるんだろ? やっぱ年季の差か……練習しよ。


「すごいよねえ?」


……ん?


「すごくないのかなあ……」


うわ、ユッチ落ち込んでる。


「あ、ごめん! びっくりして声が出んかっただけ、すごいすごい」


「だろおっ! 最後の四重跳び、見てた?」


「見た見た、ちゃんと見てた、ほんとすごい」


うむ、ほんとすごいわかりやすい、反応が素直だ。


「バービージャンプってすっごく大変だね、ケンちゃん楽そうにやってたのに……でも終わりっと」


「げ!? サツキバービージャンプ終わったの!?」


「終わったよー、私のチームが一番だね! ユッチ先輩、ヤス兄の足止めありがとうございました!」


くそ! ユッチが俺にお手本見せてたのはそう言う魂胆だったんかい!


「え、ボク?」


……ユッチ、素でやってたのか。

ってか俺が最下位になってるじゃん!


「急がんと!」


二重跳び早く終わらせないと!


ぴょんぴょんひゅひびしっ!

ぴょんぴょびしっ!

ぴょびしっ!


「あれ? あれ?」


「ヤースー! あーわーてーんーなー!!」


ケンが遠くからエールを送ってくれる。

そだな、深呼吸深呼吸。


「ヤス君! 突っ立ってないで早くー!!」


キビ先輩、落ち着かせてよ!

















「んじゃキビ先輩、頑張ってください!」


「ヤス君、お疲れさま!」


このサーキットリレー、1回だけでもかなりしんどいな。

……しかし、結局最下位でバトンタッチかあ。

次の順番の時に挽回してやるっす!

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
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ええじゃないか
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