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145話:嬉しい応援、ムカつく応援

「ヤス、午後練の意義、分かってるか?」


「あれだろポンポコさん、『探検しーよおー、林の奥までー』だろ?」


「……何言っているのだ? ヤスは」


「違うのか? ここに『坂道、草っ原、でこぼこ砂利道』って書いてあるから、てっきり山を散策してトトロを見つけてきて欲しいのかと」


「トトロがいたらいいだろうな……違うだろう!」


……ノリツッコミ?


「いいか? 青少年交流の家は車もいないし、いろいろな所走り放題だ」


「ふむふむ」


「そして芝生もいっぱいだ、でこぼこ道だっていっぱいだ」


「昼飯食べて?」


「腹一杯だ」


「心が満たされ?」


「胸いっぱいだ」


「みんなの歌であったのは?」


「『おっぱいがいっぱい』だ」


「今、総理は?」


「いっぱいいっぱいだ……だから違う!! 何を言わせるのだ」


や、ポンポコさんが自分で言ってるんです。


「えっとだな……私はどこまで話した?」


「芝生いっぱい、でこぼこ道がいっぱい」


「そうだどうだ、そう言った整備されていない道を走るとだな」


「足をグキッとひねる?」


「そうそう、この前木の根っこでグキッとやってしまって……だから違うだろう!!!」


今日はノリツッコミが好きだな、ポンポコさん。


「足がいろんな場に対応できるようになるのだ」


「でも、陸上競技場とか、道路って整備されてるよ?」


「アスファルトは綺麗に舗装されているように見えて、実はでこぼこと言う話を聞いた事は無いか?」


「いや、そうなの?」


「そうなのだ。だから、どんな足場でも対応できるようになるクロスカントリーの練習は勧められるのだな。他にもクロスカントリーは坂道を上ったり、下ったりと心肺強化にも役立つ。……普段の練習もそんな練習が多くできればいいと思うのだが」


「毎日ここで練習できたらなあ、って無い物ねだりだな」


「……そうだな。できないできないって嘆くのではなく、できない中で何ができるのかを考えてやらないとな」


うんうん、そうだよな。


「まあ、今は普段できない分、合宿中はとにかくクロスカントリーを走れ。楽そうな道は選ばず、楽しそうな道を選んでいけよ」


「了解」


「午前にせっかくフォーム修正の練習をしたんだ。きつくなっても背筋は伸ばしておくようにな」


「ラジャー!」










軽くストレッチをして、スタート。


まずは坂道……この坂道200mくらいあるだろ……すんごいながっ!


「よっと」


ふっ完走! ……きつかった。……よしっ、あっちの道を探そっ!


ここはキャンプ場か……。

ってか他の客も利用してるんだよな。

変なとこには入らんようにしないと。


「うおいっ!」


「ご、ごめんなさい!」


言ったそばから、バーベキュー中のどっかの団体に突っ込んでしまった。

……気をつけよ。


















きっつ……。

さすが富士の麓、山だけあって坂道だらけだ。

……今、1時間くらいか。


ちょうど陸上競技場の近くに戻ってきた。


「頑張れよ!」


あれは誰だっけ?

えーっと……長距離の先輩だったな、もう練習終わったんかい……お前が頑張れや。


「お、ヤス、頑張れよお!」


「ヤス、ファイト!」


「ヤス兄、頑張ってねー!」


お? あれは……ユッチ、ケン、サツキか。

あれ? さっきはムカついたのに……思ってた以上に嬉しいな。


「そっちもな! ユッチ、ケン、サツキ!」


おし、頑張りますか!



















お、終わった……いろんな所を散策しながらだったから飽きはしなかったけどきつかった……。

普段の道より、坂道だらけってだけでこんなにきついのね。


「お疲れ、ヤス!」


まだまだ元気だな、ユッチ。


「体が重い……歩きたくない……」


「私もー……ヤス兄ー、おんぶー」


サツキ、今の俺には無理。おぶってあげたいけど。


「2人とも、まじめにまだ1日目だぞ? 大丈夫なのか?」


「明日になれば大丈夫なもんさあ」


ほんとだなユッチ、信じるぞその言葉。


「そういえば、応援ありがとな」


「そっちこそありがとお!」


「不思議なんだけどさ……途中で長距離の先輩から声かけられたんだけど、ただただムカついただけだったんだよな」


「それで?」


「その後のユッチとケンとサツキの応援は逆に嬉しかったんだよな、なんでだろ?」


「ヤス兄が女好きなだけじゃない?」


いやいや、ケンの応援も嬉しかったって言ったじゃん!


「ボクも長距離の先輩から声かけられたけどムカついたなあ……言い方が適当だったのかなあ?」


そんなに適当な感じじゃなかった気がするが……。


「簡単な事だろ?」


「ケン、何?」


「信用してない人とか、嫌いな人からってさ、褒められても、励まされても、何言われてもムカつかね?」


「もちろん」


そんなもんだろ?


「その声かけてくれた先輩、ヤスとユッチはどう思ってるんだ? ……それだけじゃん?」


あ、そっか。


「ボク、よくわかんなかったあ。どういう事?」


ケンの説明ってめちゃくちゃ分かりやすいと思うんだが……なんて答えよう?


「ユッチ、アオちゃんの事は好きか?」


ケンが何か説明し始めた。


「大好きだよ!」


あれだけいじられてても好きなんだなあ。


「声かけてくれた先輩は?」


「嫌いだあ!」


そんな大声で叫ぶな! 誰が聞いてるか分からんぞ!


「で、さっきの話に戻るけど、嫌いな先輩からだと何言われてもムカつかね?」


「えっとえっと……そお?」


違うのか? ムカつかないのか?


「逆だよ! ムカつく事しか言わないから、嫌いになるんだよお。あの先輩は自分が頑張っても無いのに頑張れって言ったからムカついたんだよ」


……結局ケースバイケースって事だよな。


「いやいや、好きだったら、ムカつく事言われても気にならないって」


「ムカつく事を言ってくるのが先だあ!」


「嫌いになるのが先だって!」


『卵が先か、鶏が先か』議論なんだが……。


「ヤス兄、ほっといて先戻らない?」


「そだな」


戻ろ戻ろ。


「ヤス兄、おんぶ!」


「結局してほしいんかい」


少し動けるようになった事だし、ま、いいだろ。


「よっこいせっと……」


やっぱりサツキって軽いなあ。


「……なんか前に比べて甘えっ子になったなあ」


酒飲んだときからか? かわいいからいいけど。


「ヤス兄、おっちゃん臭いよ、そのセリフ」


「おっちゃんって言うな!」


俺はまだ16だ!

メリクリ!


昨日とか全く用事はなかったんですが、思いっきり残業をくらって、帰宅したら、夜飯食べて風呂入って寝るだけ状態になったのはちょっと寂しかったです。


でも、さっさと帰って1人でメリクリってしてるのもやっぱり寂しいです。


皆さんはいかがお過ごしでしょうか?


それでは!

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カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
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