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144話:肉か野菜か……それが問題だ

うあ……ばてたばてた。

最初の練習でこんなにばてていいんだろか。












さてさて、昼食昼食。

部屋で服を着替えて、食堂へ行く。

……食べ過ぎろって言われたが、何食べよっかなあ。


「ヤス、午後はどうするんだ?」


「んー……ポンポコさんがメニュー、考えてくれたからそれを元に練習するけど?」


ケンの質問に適当に返事しつつ、バイキングからメニュ−を考える。

やっぱり昼は米だろ。


「午後のメニューって何て書いてあったんだ?」


「えっとな……確かずっとジョグしてろみたいな事が書かれてたぞ」


「何分?」


「2時間」


「は?」


「2時間だよ……とにかく走り込めってことらしい。んで、青年の家の中なら、どこ走っても特に問題ないから、好きに走れって」


但し書きがついてたな、普通の道を走るんじゃなしに、変な所を走れとか。

ええと、何何? 『どこがいいかと言うと、坂道、草っぱら、でこぼこ砂利道がいいぞ』

……トンネルと一本橋入れたらパクリやん。

まあいいけど、1人で2時間って嫌なんだけどなあ……誰かいねっかな。


「ケン、一緒にやらね?」


「2時間も延々と走りたくない」


……だよな、寂し。


米にみそ汁にトマト、キュウリ、ハム、卵焼き、リンゴ、ポテトサラダ……食べるのはこれくらいでいっか。後は、大根サラダでもねえかなー。

……ないな。キャベツでいいや。

盆を持ってうろついて、適当に空いてる席に着いた。


「やほ? ご一緒してもいいかな?」


ん? 珍しい……ゴーヤ先輩とキビ先輩だ。


「いいっすよ。 ヤスもいいか?」


「ん、俺も構わないですよ」


「ありがとね、では失礼しまーす」


キビ先輩がケンの方に、ゴーヤ先輩が俺の方に座る。

……話した事ないんだけど、突然なんなんだろう?


「いやいや、ヤス、そんな緊張しないでよ。こっちまで緊張するじゃない」


「や、ゴーヤ先輩、しますって」


「え? 私らそんなに怖い?」


別に怖くはないけど……話した事無いし。

そもそも、嫌われてると思ってたし。


「ううむ、由々しき問題だよ、ケン。ヤスからこんなに怖がられてるとは」


「大丈夫っす。人見知りだったヤスはどっかに消えましたから! 今はいじれば喜ぶんで、適当にからかってください」


ひでえ! 別に喜ばねえって!


「まあまあ、そんなに緊張しないで、まずは食べましょ!」


うい、了解です。キビ先輩。


『いただきます!』







まさか、ゴーヤ先輩とキビ先輩と一緒に食事とは……びっくりっす。


「ところで、一つ聞いてもいい?」


キビ先輩に話しかけられた。


「ヤスは何考えてるの? その食事」


「はい? 何か変ですか?」


「変だよ! ゴーヤもだけど、ヤスもすごく変!」


「んー……ゴーヤ先輩、俺の食事、何か変ですか?」


「いや? 普通だ」


だよな。うん、変じゃない。


「変だって! そのキャベツは何!? 君たちはウサギか!」


……そんなに多いか?

まるまる一皿分キャベツをのせたし、多いと思う人は多いかも。


「キビ、野菜は美味いのだよ。キビこそハムにベーコンにソーセージに卵焼き……野菜も食べるべきじゃないか?」


「肉も卵も、おいしいじゃない!」


「野菜だろ? 想像してみるといい。冬の寒い日に、家族でおでんをつついている時に食べる大根のとろっとした美味さを……」


「おでんと言ったら卵でしょ!」


「じゃあ別のを想像してみるといい……コトコト煮込んで、とろっとろになったキャベツやネギをぱくっと一口……」


「とろっとろに煮込んだものなら、牛すじ肉のがおいしいよ!」


どっちもおいしいでいいのではと思ってしまうコウモリな俺。


「野菜だ!」


「肉!」


「野菜!」


「肉!」


「野菜!」


「肉!」


「野菜!」


「肉!」


……そ、それで言い争わなくても。


「ふう……私とキビで食事に行くと、いつもここで平行線になるんだが……ケンとヤス、何か言ってやってくれないか?」


「だそうだ、ヤス。主夫として何か1言」


「や、俺主夫じゃないし。ケンの方こそなんか言えよ」


「俺肉好きだもん。キビ先輩に1票!」


「だよねだよね! アイラブ! 肉!」


や、キビ先輩。そこまで言い切らなくてもいいのに。


「……ケン、午後の練習覚えておけよ」


ゴーヤ先輩。そこ怒る所じゃないです。


「でもケンって俺んちで食べる時、野菜も普通に食ってないっけ?」


今のケンの皿にも普通にあるし。


「自分の家でも食ってるぞ。幼稚園の時は肉肉! って感じだったけど。そういやヤスの家で食べるようになってから野菜食うようになったな」


「ふふん、俺の料理の腕がいいからだな」


「……………………………………」


「ケン、突っ込み入れてよ!」


「ノーコメントで」


や、『何言ってやがるー』とか突っ込んでくれんと俺、ただの馬鹿じゃん。

くそう……恥ずかしい。


「ほらヤス、さっさと何か言えって」


「俺はまんべんなく好きなんだが……」


強いて言うなら卯の花とチャーハン?


「そう言う逃げの言葉はつまらんぞ、ヤス。さあ言え。肉か? 野菜か?」


ケン、何だその『生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ』みたいな2択は!?


「じゃ、じゃあ野菜で?」


「よしヤス! いい奴だな君は」


や、ゴーヤ先輩。それくらいでいい奴って言われても。


「やな奴やな奴やな奴!」


えええ!? それだけでやな奴って言われるんですか? キビ先輩!


「あれだな、恋愛シミュレーションゲームで、どっちの好感度をあげるか!? みたいな2択だったな」


そんな変な分析いらんから!


「ちなみにキビ先輩は野菜はとらないんすか?」


ケンがキビ先輩に聞いた。


「野菜、あんまりおいしいと思った事ないんだよね。そのキャベツとか、味しないじゃん」


ふむふむ。


「ゴーヤ先輩は肉、駄目なんすか?」


ゴーヤ先輩にも聞いた。


「いや? 肉も食べる。ただ野菜が好きと言うだけだ」


……なるほど、言い争っていたけど、実際の所はキビ先輩が野菜嫌いと言うだけだったのか。


「ヤスは今日から私の敵だからね」


キビ先輩! ひどいっす!


「……そうだそうだ、肉野菜論議は置いといて、ケンとヤスに1個言っときたい事あったんだ」


「ん? 何ですか? ゴーヤ先輩」


「自由時間自体あまりないが、暇あったら女子の部屋遊びに来るといい」


「へ? いいんですか?」


「もちろん! 是非来てね!」


キビ先輩も同意してくれた。


「ありがとうございます! 是非!」


ケン。そんな嬉しそうに言わんでも。

や、まあ、俺も嬉しいんだけどな。
















『ごちそうさまでした!』


これだけ食えりゃ満足じゃ。

次は午後練だ、頑張るべ。

メリークリスマス!


スーパー行くとチキンバスケットやケーキがぽんぽん置かれてたり、商店街行くと流れている曲がクリスマスソングだったり、街に出るといろんな家庭でイルミネーションがあったり、クリスマスムード一色です。


小5くらいまではサンタさん、本気で信じてました。


皆さんはいくつまで?


それでは!

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
うそこメーカー
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