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139話:耳をすませても

この話は映画『耳をすませば』のネタバレが混じってます。

また、『耳をすませば』が大好きな人は不快に思うかもしれません。

初めに謝っておきます、ごめんなさい。

『ごちそうさまでした!』


……と言う訳で、おいしくいただきました。

みんなで大体3000円。1人あたり750円。


この値段であれだけ食べれれば十分だろ。




















「んじゃまたね! ヤス、サツキちゃん!」


「また明日です、ヤス君、サツキちゃん」


「あいあい、またなー」


「合宿で会えたらいいですね!」


ユッチとアオちゃんと挨拶を交わして別れた。

ってもう17時か……。

ずいぶん遅くなったなあ。


「ヤス兄、私たちも帰ろっか?」


「や、ちょっと寄りたいとこあるんだけどさ」


「こんな時間に? どこ?」


「部活の同級生の家」


「あれ? ヤス兄の高校にいる友達ってケンちゃん、ポンポコ先輩、ユッチ先輩、アオちゃん先輩の他にいるの?」


事実だけど……失礼なやっちゃ。


「前に話した事あったっけ? ヤマピョンってやつ」


「ええと……覚えてない」


ま、そんなもんだろ。


「終業式の時から部活に来てないんだけど、別に風邪引いてる訳でもなさそうだし、旅行に言ってる訳でもないっぽいんだよね」


「あ、その人幽霊部員なんだ」


「そうそう、で、どうしてんのかなあと見に行こかと」


「わざわざその人の家まで? ヤス兄、場所わかるの?」


「住所は調べた! 地図でも調べた!」


これで道間違えたらもうどうしようもないな。


「そう言う事じゃなくて、どやって住所調べたの?」


「ん? ポンポコさんに聞いたら、こっそり教えてくれた」


……堂々と教えてしまうのはなあ。

一応個人情報だからな。


「ヤス兄、ストーカーと間違えられないでね」


や、男が男にストーカーするって何なんだろう?


「と言う訳で、サツキも行くか?」


「そだねー、行く行く!」


「よっしゃ、レッツラゴー!」


「おー!」









移動中の電車内ではその前にストーカーって単語が出たもんだから、とある映画の話でついつい盛り上がってしまった。


「や、あれこそストーカーだろ?」


「学校の図書館の本で、気にしてもらえるように先に本借りたって人?」


「そうそう」


「いいじゃん、あの映画。ありえなさっぷりに笑えるよ?」


「だよな、ありえないよな? そもそもきっかけがありえないし。学校の図書館に本って何冊あるんだよ」


「えっと、私の中学校は10000冊くらいって言ってたよ」


あの舞台の学校はもっと多そうだったなあ。


「んで、1年で何冊読めるんだ?」


「1日1冊って考えても、365冊だよね」


「それも無理そうだけど……まあそうしよっか。始まりは夏休みだったんだから、1年生のしょっぱなからいきなり一目惚れして読み始めたって思っても365×2+100くらいで840だろ? んで2人が全く同じ本を読むなんて、ほぼありえないじゃん」


主人公の女の子、人気作品だけじゃなくて、誰も読まなさそうなめっちゃぶっとい小説とかも借りてたし。

大体話した事も無いのに、その女の子の好きな小説がわかる訳無いんだから、男の方は無作為に読むしか無いわけだ。

それじゃやっぱり同じ本は読めんだろ。


「そうすると、2人のきっかけはそもそも無かった訳だよね」


「そうそう」


「……でもさ、ヤス兄」


「ん? 何?」


「あれは男の巧妙な手口に決まってるんだよ」


「どういう事だ?」


「読書カードなんて、借りてなくても書けるよ? それか、借りても読まなくても良い訳だよ」


「まあ、確かに」


「それで、とりあえず10000冊全部に自分の名前をせっせと書くわけだよ」


「くらっ! こわっ!」


誰も見て無い図書館の隅っこで、こっそり読書カードに名前を書いていく……怖すぎだ。


「で、後でばれないように日付も少しずつずらして書いておく訳だよ、ヤス兄」


「ふむふむ」


「実際にあの2人は読んだ本の話、してたっけ?」


「えっと……してたかなあ?」


してなかった気がする。


「でしょ? 男の方は図書館でこそこそっとすれ違ったり、隣に座ったりはしてたけど、本は読まずに女の子を見てたんだよ」


「中々怖いなー、それ」


「男の方は本の話をすると読んでない事がばれてしまうから、さっさと自分のテリトリーのバイオリンの話に変えていった訳なのだよ」


「ふむふむ」


「大体中学校行きつつバイオリン作りに情熱を燃やしてたら、授業中にこっそりくらいしか本読む時間無いよ。でも授業中ってあんまり読書って進まないんだよね」


「うん、確かに」


こっそり読書しててついつい没頭して突然当てられるときなんてたまったもんじゃない。


「そして、長い時間会ってるとボロが出るから、ある程度女の子に恋愛感情を植え付けたと思った瞬間にイタリアへ逃げる訳だよ」


「なるほどー」


「告白してオッケーもらったところで映画は終わってるけど、次の日に女の子の方が自分の書いた小説を読ませようと手渡しした瞬間、別れの始まりだね」


「な、なるほどー」


そこまで深読みはしなかった。


「ってか、こそこそっとすれ違ったり、隣に座ったりって……つきまといじゃん。やっぱりストーカーじゃないか?」


「ヤス兄、どんなにストーカー行為っぽくても女の子の方がストーカーだと認識してなきゃ、きっとストーカーじゃないよ」


そうなのか。


「あの映画はありえなさっぷりに笑うのと、歌に聞き入るのが楽しむ方法だよね」


「歌か。歌と言えば替え歌の『コンクリートロード』。全文聞いてみたいな」


「あれ、全歌詞作って欲しいよね」


「今度適当に作ってみよか」


「いいよ、やろやろ」


うん、決定。













道に迷いながらも、ようやく見つけた山本さん、ヤマピョンの家。

ってかもう18時半かよ……。

おそっ! 14時頃にはここにいるつもりだったのに。


やっぱり、二重跳びに苦労したからなあ。

ま、さっさとインターフォン押しますか。




おはようございます、ルーバランです。


こんな話書いといてなんですが、私『耳をすませば』大好きなんですけどね。


ちなみに中学校の平均蔵書数は現在9119冊(平成19年度調査)だそうです。


うち、小説だけなら規定上は全蔵書の4分の1程度だから2000〜3000。さらに、ヒロインは町の図書館の本の図書カードまで……毎日1冊読んでったとしても、やっぱりほとんどの本でヒロインの方より先に読むのはきつくないでしょうか?


……と、映画や小説の無理がある部分につっこみ入れ始めるときりがないので、この辺りで。


それでは、今後ともよろしくお願いいたします。

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