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138話:海派? 山派?

「で、結局ヤスは合宿に来るの?」


ユッチが答えを催促してくる。

……どうしよ?


……。


……。


……。


……。


……。


……。


……。


……。


「どうしよ?」


「ヤス兄! そんなに悩んで結局結論でないの!?」


や、だってサツキ置いてきたくないし。


「そんなに悩むんでしたら、サツキちゃんも連れてったらどうです?」


「え? いいの?」


「さあ……今から申し込んで大丈夫なのかわかりませんけど。女子の部屋ってウララ先生、ゴーヤ先輩、キビ先輩、ユッチ、ポンポコさん、私、私の妹の7人なんですよね」


おい、アオちゃん……俺に対してどれだけ妹好きなんだとか言っときながら、自分はちゃっかり妹連れてってるんかい。


「確かウララ先生が8人部屋借りたって言ってましたから、1人入れるんじゃないですか?」


「そうなんか……明日ウララ先生に聞いてみよか」


「サツキちゃんはいいんですか?」


「家にいても寂しいですから、ついていけるなら、ついてきたいです」


……明後日出発なのに、大丈夫なんかな?















最後に出てきた『ほうれん草のオーブン焼き』をつついてる。

うむ、ほうれん草うまい。


「ところで、合宿ってどこ行くんですか?」


ありゃ? 言ってなかったっけ?


「富士山ですよ」


「また? 今年で3回目じゃない? ヤス兄」


「そうなんだよ。なんか、ウララ先生がすんごい低予算合宿を実行したいらしい」


「はあ? なにそれ?」


「去年、他の部で3泊4日にもかかわらず、4万円とかすごい額を払った部があるんだって」


「うわ、すごいね。それ」


「で、低予算で実行するならって事で。宿泊施設は青年の家」


「ふーん、ヤス兄っていくら払ったんだっけ?」


「10000円」


「あれ? 何泊?」


「5泊6日だけど?」


それは言った気がするんだけど。


「だよね? 安すぎない?」


「高校の合宿で、研修が目的だから宿泊費ただだし」


「あ、そうなんだ」


「現地集合ですし」


……近いからできることだよなあ。

最寄りの駅まで定期の範囲内だから、必要なのはバス代だけで往復720円なり。


「食費が1日1600円だったかな? んでスーツ代が160円」


「1600×5+160×5?」


「ユッチ、いくら?」


「へ? えっとえっと……1、2、3、4……」


……ユッチ、指じゃ足らんと思うぞ。


「ああ、もうわかんないやあ! 1600円と160円で大体2000円ぐらいだから10000円集めたんだろお!?」


「そうですね、ユッチ。えらいねー」


「今、アオちゃん馬鹿にしてるだろお!」


「してませんよ? ユッチが今やった概算は小学校6年生で習う科目ですよ、ちゃんと小学校の頃の勉強が身に付いてるじゃないですか」


……小学校6年生って……ユッチ高校生じゃん。

すごい馬鹿にしてる気がする。


「が、がいさん? なんだった?」


……頑張れユッチ。小学生に負けんな。


「余ったお金は保険料とか雑費とか」


「安いねー、5泊6日で10000円って」


「だなあ」


何かこれだけ安いと一瞬詐欺にでもあった気になってしまうな。


「でもさあ」


なんだ? ユッチ。


「ボク、山より海がよかったなあ」


「そか? 合宿が山でもいいじゃん」


ユッチは海派なのか。


「何言ってるんだよ! 海だよ海! せっかく夏なんだし、泳ぎたいだろお!?」


「別に山も悪くないと思うけど。 夜とか涼しくて過ごしやすいじゃん」


「暑くてこそ夏だあ! そして思いっきり泳ぐんだあ!」


「それは合宿の趣旨から外れてるだろ!?」


「ヤス、何言ってるんだあ!? 泳ぐのは全身運動なんだから、陸上競技にもいい影響出るんだぞ! 特にヤスの長距離は余計だぞ!?」


「……そなの?」


「水の中だから怪我しにくいし、心肺機能はあがるし、全身に筋肉つくし、長距離にとってはいい事尽くめじゃん」


そうなのか。


「ね? アオちゃんも海がいいよね?」


「私は山派ですけど」


「くそお! アオちゃんの裏切りものお!!」


「だって山は星が綺麗ですもん」


「海だって綺麗だよ!」


「富士山でしたら御来光の瞬間が素敵じゃないですか」


「海の日の出だって素敵だよお!」


「後、緑が多い方が好きですし」


「富士山は火山だあ!! てっぺんは木なんか生えて無いじゃんかあ!!」


「……ユッチは私を山嫌いにさせたいんですか?」


「え? え? そ、そんな事無いよお?」


「じゃあいいじゃないですか。山が好きでも」


「でもでもでもでも!」


残念、ユッチ。説得失敗。


「……サツキちゃんは?」


「私、海好きですよ?」


「だよねだよね!」


「山のがもっと好きですが」


「くそお!! みんなみんなボクの敵だあ!!!」


……頑張れ、ユッチ。

……実は俺もユッチと一緒で海派だったりするんだが、面白いから黙っとこ。

おはようございます、ルーバランです。


PV100000アクセス突破しました!

皆さんが読んでくださっているおかげです。



ちなみに青年の家に関する情報はこちら。

http://fujinosato.niye.go.jp/


正式名称は『国立中央青少年交流の家』です。


ご家族でも空きがあれば利用できる(宿泊費250円)ようですが、夏休み、春休みはかなり埋まるみたいですね、ほとんど利用できなさそうです。


ただ、夏休みでもキャンプ場は結構空いているようです。



それでは!

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