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134話:ぶきっちょヤス

さて、いよいよサーキットトレーニング開始だ。


「今日はヤスは初めてだからな、1セットだけにしとけ」


「ん? 普段ケンは何セットやってんの?」


「3セットから5セットくらい」


……えーと、そんなにケンと俺って運動能力の差があんの?


「気にするな、ヤス。初めての場合はどうしても肩に力が入ってしまうからな。疲れやすくなる」


「ありがと、ポンポコさん」


……しかし、サーキットトレーニングは何をやるんだろう?


「では、始めるぞ。まずは縄跳び」


「……へ? 縄跳びってなにすんの?」


あや跳びとか交差跳びなら……。

どうかあれだけは止めてくれ。


「二重跳びだ」


……………………………………………………………………終わった。


「どうした? ヤス」


どうしたっていうか……ポンポコさん、言えないっす。


「もしかして、ヤスは二重跳びが出来ないのか?」


「……………その通りです」


……くう、何でこんなみんながいる中で恥ずかしい事を言わなきゃならんのだ。


「小学生の頃は出来てないの知ってたけど、まだ出来てなかったんか。中学校では出来るようにならんかったのか?」


「や、中学校になってからはそもそも縄跳びやってないから」


「まあ、確かにやらんくなるよな」


もうやらなくなった事をいい事にできないまま放置してたら、まさか高校になっていきなりやれって言われるとは……どっかでもっと練習しとけばよかった。


「それならもしかすると出来るようになっているかもしれないぞ」


「え? なんで?」


ポンポコさん、理由を教えてくれ。


「小学生はまだ体が未発達だろ? 運動神経も比例して低いではないか」


「ふむふむ」


「成長して運動神経があがれば、今まで出来なかった事も自然と出来ているようになるかもしれん」


「ほほお」


それだったら嬉しい。


「まあ、小学校1年生の運動神経でも出来る人は出来てるが」


励ましてから落とすな!

余計へこむ!


「とりあえず、やってみたらどうだ? 実は出来ると言う事もあるかもしれんぞ」


「ラジャー」


ポンポコさんに縄跳びを手渡されて、挑戦開始。










1回目。


「よっと」


まずは何回か普通に跳んでみる。


ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん。


「ヤス、いい加減にやってみろよ。見てる方が飽きる」


「や、だって、こう、たい、みんぐ、が、つかめ、なくて」


ぴょんぴょんしながらしゃべると言葉が途切れる。


「いつまでも一重跳びやっててもしょうがないぞ」


「わかって、るんだ、けどな」


しょうがない、そろそろチャレンジだ。


「よっと!」


びゅんびゅん!


「あれ?」


一回跳び終わった時点で既に着地してしまってて、地面に足をつけながら2回目をまわしてる。


『……』


うう、そんなかわいそうな子を見るような目で見ないでくれよう。


「あるある探検隊! あるある探検隊! 今だに 二重が できません! はい!」


「……ヤス、できないからって何かでごまかそうとすると惨めだぞ」


「……」


そんな事言われたって……。










その後も何度もチャレンジしてみたけど、全く出来なかった。


「くそう、なんでだろうなあ……」


みんなはサーキットでこれをやってるって事は二重跳び出来るって事だよな。


「みんなはいつ頃出来るようになったん?」


何となく聞いてみたい。


「……私も実は出来なかったりするんだよね」


「え、サツキも!?」


兄妹そろってか。


「出来てたらヤス兄に話してるよ」


そっか。


「家で練習しよっか、サツキ」


「そだね」


うん、1人でやるより2人でやった方が、何となく張り合い出るしな。

サツキは今はあんまりスポーツできるような格好じゃないから、練習出来ないし。


「俺は小2で出来るようになったなあ、ってヤスは知ってるか」


確かにケンは小2で出来るようになったなあ。

出来るようになった瞬間を見てたけど、羨ましかった。


「私は小学校のいつかは忘れましたけど、できてましたね」


うん、アオちゃんもか、羨ましい。


「ボクは小5で出来るようになったあ!」


「へえ、ユッチって運動神経よさげだからもっと早くできるようになったんかと思ってた」


思ってたより遅い。


「ボク、別に運動神経良くないよ?」


そうだっけ?


「ユッチは結構運動神経いいですよ」


「何言ってるのさあ!? 全然だよ!」


いいって言われてるのに。謙遜のしすぎは嫌みだぞ。


「確かに何かが出来るようになるまでは時間がかかりますから、そう言う意味では悪いですよね、バレーボールでもアンダーサーブが入るようになるのに1月以上かかりましたし」


「アオちゃん、ボクの事話さないでよお!」


ああ、うん。

やだよね、昔の悲しい事暴露されるの。


「ユッチはコツつかむと、そこからの上達は早いんですけどね」


「ふふん、今ではハヤブサ跳びも三重跳びが出来るんだぞお!」


おお、すげえ、三重跳びかよ。


「どうやってできるようになったんだ?」


「ん? 練習」


……。


すごい端的な説明ありがとう、ユッチ。


「こう、そうじゃなくてコツとか」


「ええと……出来るようになるためのコツは、ちゃんとジャンプして速くまわすことだよ?」


ものすごく当たり前の事じゃん!


「ええと、後は猛特訓あるのみだあ! ヤス!」


説明それだけ!?


「まあ、ヤス。今日はサーキットトレーニングは止めて、縄跳び訓練にしようか。他のメニューだけこなしてもいいが、縄跳びできないのも悔しいだろ?」


そりゃそうだ、みんなの生暖かい目がすごく悔しい。

まあ、他の部活のメンバーはもうとっくに練習終わって帰ってるのに、俺に付き合ってくれてる事には感謝してる。


「では、やってみるか」


「ラジャー! ポンポコ教官殿!」


「……ヤスの中では今変な返事がブームなのか?」


「ん、何となくマイブーム」


変なブームだとは自分でも思うが。

こんばんは、ルーバランです。


投稿遅くなりました、申し訳ないです。

起きたら14時でして……昨日22時に寝たのになあ。


……16時間か、幼稚園児でももっと起きてるよ……。


ちなみに途中の


「あるある――」


は『レギュラー』というコンビのネタです。


こんなネタです。

http://jp.youtube.com/watch?v=Fc1CKQ6MQrE&feature=related


それでは、今後ともよろしくお願いします。

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
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