133話:マネさんのお仕事
さてと、今日の掃除はこんな所でいっか。
お、みんなも来たな。
まあ、俺が話す人なんて限られてるけど。いつもと一緒。
「おは」
「おはようございます! みなさん!」
……サツキにとられた。
「あれ? サツキちゃんじゃん? 何で高校に来てんの?」
だよな、ケン。まずは普通それを聞くよな。
「ヤス兄に無理矢理……」
嘘をつくな、サツキ!
「ヤス! 嫌がるサツキちゃんを無理矢理連れてくるつもりなんてどういうつもりだあ!」
ほら……ユッチは絶対真に受けるんだぞ。
「頼み込んで連れてきてもらったんですよ、ユッチ先輩」
「……え? あれ? どういう事?」
「…………サツキ、ユッチをからかうなよ。絶対何でも信じるんだから」
素直ってことだよな。
そこがユッチのいいとこなんだけど。
「今、ボクの事バカにしただろお!?」
「してないしてない!」
「嘘だ!!」
お前はひぐらしのレナか!?
最近、ユッチ絶対に被害妄想が激しい!
1学期の頃、そんなにユッチいじってたかなあ……いじってたな。
「ところで、サツキちゃんは今日はどうするんですか?」
アオちゃん、ナイス!
ユッチとの話は置いとこう。
「ええとですね、とりあえずみんなの見学でもしてるつもりなんですけど……」
「なら、マネージャーをやってみないか?」
「マネージャー……ですか?」
ほうほう、ポンポコさん、不思議な事を。
「ただ単に練習見てるだけよりも、きっとどんな練習をしているかよく分かるぞ」
「そんなもんですか?」
「そんなものだ、見学では参加した気にならないだろう? マネージャーというのは練習を共にしている訳ではないが、参加しているからな」
「でも、何すればいいか知らないですよ?」
「今日は暑いからな、まずはそこのスポーツドリンクの粉末を溶かして飲み物を作っておく」
ほお、ポンポコさんそんな事してたんだ。
「今日はミニハードルを利用するからあそこの倉庫から持ってきて、並べておく」
ほうほう。
「その後、短距離はドリルと言うフォームを矯正したりするためのメニューがあるからな、私はケンのフォーム等を注意してたりするが、サツキはとりあえず見てみたらどうだ?」
ポンポコさん、そんな事までしてんのか。
「流しをやった後は、本練習に入るからタイム計測だな、長距離と違って短距離は自分でタイムを測る事は難しいから、やはり誰かが計らないと駄目だ」
ふむふむ。
「後は、練習後のサーキットトレーニングのかけ声だな。サツキは声がよく通るから、みんな喜ぶぞ」
ポンポコさんも十分声とおるけど。
「そうだ、ヤスもサーキットトレーニングやってみなよ! サーキットトレーニングは体全体の運動だから、腹筋だけ、背筋だけみたいな運動にはならないから、すっごくいいんだぞ!」
「ほお、そんなにいいのか?」
「うん!」
「じゃあ、やってみるか?」
「……ヤス、やってもいいが、初めは回数は少なめに設定しろよ。間違ってもケンと同じだけやろうとするなよ」
「ポンポコさん、なにそれ!? ケンと同じだけできないって言うんか!?」
「それはそうだ、ケンは4月に入部したときからやっている、今日初めてやろうと言うヤスとは5ヶ月も違う」
……それはそっか。
「短距離と長距離では必要な筋肉も違うからな、短距離のケンと同じ回数出来なければならないと言う訳でもない」
「そっか」
「ちなみに今日のヤスの練習は何だ?」
「ええと……20キロ」
8月に入ってから、風邪でぶっ倒れた時以外は毎日10キロ以上走ってるなあ。
体力、ついてんだろうか?
「サツキに短距離を任せるから、私がまた自転車でつこう。その方が飽きないだろ」
「ああ、1人で走るよりすごくいい。……ありがと、ポンポコさん」
「よし、では始めるか」
「サー! イエッサー!」
「……私は女なのだが」
あれ? 何か間違えたか?
「ヤス君、サーは『sir』ですよ? 『sir』は男性に対する敬称ですから、ポンポコさんに言うのは変ですよ?」
……アオちゃん、学校の先生みたい。
でも、ごめんなさい、ポンポコさん。
……ふう。
結構しんどかったけど……。
「……よし、完走できたではないか」
「や、やっぱり隣でポンポコさんがずっと並走してくれたからかな。1人で走るよりずっと短く感じた」
「だが、いつも私が並走できると言う訳でもないしな……やはり、1人で練習し続けると言うのは難しいな」
「じゃあ、ポンポコさんから見て長距離メンバーで一緒に練習してくれそうな人いる?」
「……来年に期待しようか」
駄目じゃん! 全くいないの!?
「その空気に慣れ親しんでしまうと、抜けるのが難しいと言うのはよくあるからな」
そっか……1年半ものんびりした環境でやってきた先輩方にいきなり本気で練習しようと言っても無理な所はあるかもしれん訳か。
「それはそうと、俺も少しは進歩した?」
「いや、まだまだ全然だ」
ちぇ、少しくらい褒めてくれてもいいのに。
「ヤス、お疲れさん!」
「ありがとさん、ケン」
「ヤス兄もちゃんとやってたんだね。家事ばっかやってて練習できてるのかちょっと心配だったんだけど」
「すごいだろ!」
「うん、ヤス兄って本当にすごい」
……そんな風に素直に褒められると照れる。
「それでは、サーキットトレーニングを始めるか? 短距離はもう終わってるから、残るはヤスだけだが」
「うい、やろうやろう」
「じゃあ、私がかけ声はだそう」
サンクス。
「お、俺ももう1回やろっかな」
「ケン、いいの?」
「ヤスの分くらいなら出来るさ」
……何かむかつく。
「じゃあ、ボクもやってやろおじゃんか!」
「え? ユッチも? できるの?」
「大丈夫、2人1組の所はアオちゃんにお願いするから! いいよね?」
「いいですよ?」
そう言う意味じゃなくて、体力持つの? って意味だったんだけど……ま、いっか。
さあ、やるべ。
おはようございます、ルーバランです。
ひぐらしのあのセリフは有名ですよね?
私はびびりました……。
とりあえず、元ネタは下記のです。
http://jp.youtube.com/watch?v=iUIoBnu-vEA
年末に向けて忘年会シーズンです。
今日も午後から忘年会。
12月の最後のあたりでは4日連続があるんですが……大丈夫かな……胃。
更新はそんな時期でも止めずに突っ走る予定ですので、よろしくお願いします。