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123話:東海大会前、名前って大事だよね

さあ、今日は8月8日。

とうとう東海大会だ。


東海大会は愛知・岐阜・三重・静岡の4県から4校ずつ、計16校が出場する。

因縁の相手、フクシマ&カミムラ、オカ姉妹と対戦するには最低でもベスト4以内に入らないと対戦できない。


……なかなか遠い道のりだ。








開会式も終わり、それぞれの中学校で散り散りになって行く。

俺も、さっさとサツキのいる中学のところへ移動。


「おはよーっす」


『ヤス先輩、おはようございます!』


「どもども」


「それにしてもヤス先輩、暇ですねえ、地区大会から全部いるじゃないですか」


前もその会話した気が……。


「応援はいないよりいた方がいいっしょ?」


「まあ、いてくれた方が面白いからいいんですけどね」


面白い……どうせなら心の支えとか言ってくれると……それはそれでくさいな。









「おはよっす!」


ん?

……お、因縁の相手、オカ姉妹。


「あー、えと、オカ妹?」


サツキ、名前覚えてあげれ。


「私はエリっすよ、オカ妹って呼び方は止めて欲しいっす」


「あ、ごめん」


「や、別に構わないっす、サツキさん」


「わ、よく覚えてるね?」


「何となく覚えたっす」


なんとなく……よく分からん。


「それで、私がシイコ。いきなりだけど、よろしく」


こちらも一通り自己紹介。


「後、これは私の兄でヤス兄」


「『これ』って言うなよ! ……ども、ヤスです。よろしく」





ずざざっ!





「……おい、エリさん、シイコさん、何故距離を取る?」


「スカートに頭つっこんでパンツなめるような人間のそばにいたら危険っす!」


「試合中にいきなり奇声を発する人間は危険!」


…………事実だけどさあ。

や、パンツはなめてない。


「ほら、私が言った通りヤス先輩の評判ってもはやかなり手遅れっぽいですよね?」


サキちゃん……あんたが手遅れにさせた気もします。













と言う訳で、別に俺に用がある訳でもないっぽいので、俺から距離を取って話してる。

……これ、他の人から見たらいじめじゃね?


「『言いたい事は1個だけだ! 決勝で会おう!』」


……それ言う為だけに来たんかい。


「フクシマさんとカミムラさんからの伝言っす、私らは別に用はないっす」


それならフクシマ&カミムラが来いよ! なんでエリ&シイコが来るの!?


「ちょっと時間あるし、ちょっと話でもしよっかなと思って来たの」


ああ、そう言う事か。


……………………俺は遠くから見てるだけ、会話に参加できない。何か寂しいっす。


「そういえば、立ち入った話聞いていい?」


サツキ、変な事聞くなよ。


「ん、いいよ?」


「なんでエリ、シイコ? 親、狙いすぎじゃない?」


「ああ、よく聞かれるんだ、その質問」


あ、そなんだ。


「一応由来は、私は個性がない普通の子じゃなくて、『面白い子』に育ってくれますように、という意味で付けたらしいよ。……でも、『おかしいこ』じゃ意味違わない!?」


「あははは……」


「笑い事じゃないよお。ほんと、こんな名前ってだけで意味もなくいじめられたもん。私子供出来たら絶対普通の名前にしてやるんだから!」


……シイコさん、ガンバ。


「私は『いつか誰かと結婚して、その人が家に帰って来た時、いつでも『お帰り』って迎えて、円満な家庭を作ってあげられますように』とか言われたっす。……でも結婚したら『オカエリ』じゃなくなるっす」


「岡さんと結婚したら?」


「名字で選ぶなんて嫌っすよ、偶然付き合った人が岡だったらいいっすけど」


冗談に真面目に返されたっぽい。


「サキちゃんとミキミキよりはましだねー。単純にインパクトがあるからってその名前にされたんだもんね」


「多分私たちも一緒だよ。色々由来を言ったけど、結局何かインパクトが欲しいからこの名前にしたんだよ」


「そして犠牲になるのは子供達っす」


「まあでも、私たちは結婚すれば普通になるもんね」


「ああ、何か最近すっごい変な名前付ける親がいるんでしょ?」


「らしいよ? 男の子に女の子の名前付けたり、女の子に男の子の名前付けたり」


ああ、女なのに『マサル』とか、男なのに『ミドリ』とかか?


男女両方使える「マコト」「カオル」当たりにすればよかったのに。

そういえば、ユッチの『ゆう』もどっちでも使える。


『アキラ』『ユウキ』『トオル』も一応どっちでも使えるかな。


「ええ! そんなのまだ可愛いよ、日本人なのに無理矢理当て字で外人の名前付ける親いるらしいよ!」


「『ダイアナ』ちゃんとか『ティアラ』ちゃんとか『ミーシャ』ちゃんとか……『ジュリエッタ』って名前もいるらしいっす」


……どう反応すればいいんだろうね。


「それぐらい全然いいよ!」


サツキ、もっとひどいのがあるんかい。


「上手に付けたつもりで、失敗すると悲惨だよ!」


どんなのだ?


「クラスに『心』と『太』で、「しんた」って子がいるんだけどさ。誰も何も言わないからクラスの誰も気付いてないのかも知れないけど」


……その子、いつか馬鹿にされる……。


「『心太』って『ところてん』だよ! 毎回毎回自分の名前でところてんって書いてるんだよ!」


うん、ガンバレ。その子。











適当におしゃべりして去ってった。

俺ももうちょいエリ&シイコとしゃべってみたかった。


「サツキ、ほんとに『ところてん』っているの?」


「いるよ? もっとひどいのもいるけど、何考えて付けたんだろね」


まじか。


「ココナちゃん」


「普通じゃん、どんな字?」


「『心』の『中』」


……………………。


俺、ヤスアキでよかった。

名前は普通がいいな、普通が。

おはようございます、ルーバランです。


名前……大事ですよね。

私は自身の名前、気に入ってます。


親になった時、子には普通の名前付けたいなあと思います。

……いつなれるんだか……。


それでは。

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