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116話:ポンポコノート

昨日もヤマピョンいなかったなあ。

これで夏休みに入ってから1回も部活に出てないんだけど……。


今日は7月31日木曜日だ。

昨日、ポンポコさんに練習方法をいろいろ考えてもらうのお願いしたから、

今日何かしらもらえることを期待してる。










「あ、ヤス君おはようございます」


「おはようさん、アオちゃん」


アオちゃんのほうが先に着いたか。

ユッチはまだ着替えてんのかな?


「おはよう、ヤス」


「お、ポンポコさん、おはよ」


ポンポコさんも来たか。


「ヤス、メニューを考えておいたぞ」


おお。ありがたい。


「私と一兄、そして二兄、三兄、四、五も一緒になって考えた大作だ。よくよくかみ締めて読んでくれ」


げ、あの兄弟全員の合作かよ!?


「なんですか? それ」


「俺の練習メニュー、ポンポコさんに作ってもらったんだ」


「そうですか、ヤス君、頑張ってくださいね!」


サンクス。アオちゃん。


「一兄、二兄、三兄は協力的だったんだが……」


「四、五がどうかしたのか?」


「いや、四、五が『俺のポンポコにそんな頼みをするとは何を偉そうな!』とすごいメニューを組もうとしてな。『誰がいつお前のものになったのだ?』と言ってやった」


四、五……シスコンっぷりに磨きがかかってないか?


「その上で、さらに全員で推敲までしたのだぞ、これほどのメニューはなかなか無いはずだ」


「……一さん以外って陸上経験者なの?」


「いや? 一兄だけだが?」


駄目じゃん!


「大丈夫だ。四、五が無理矢理何かを加えようともしたが、結局メニューに関して考えたのは一兄と私だけだ。他の兄弟は心構えや日常生活について考えてくれている」


……なるほど。


「こっちが練習メニューだ。それと……このノートを渡そうか」


いろいろ書いてあるプリント用紙と、なんかA4のノートを渡された。


「え? ありがと……でも、ノートって何に使うの?」


「ヤスは中学のとき、野球部だったのだろ? そのときに『今日の練習』とか書いていなかったか?」


「ああ……書いたなあ、面倒でしょうがなかったけど」


監督の命令で無理矢理書かされてた。毎日ぎっしり1ページ書かないといけないって……あれはしんどかった。

時計もらった直後も少し書いてたけど、意味があるか分からなくてやめたなあ。


「今、私も書いてますよ、ユッチに勧められたんです。でも、全然面倒じゃないですよ」


「へえ」


さすがユッチ。

ってか、ユッチとアオちゃんはどんな風に書いてんだろ?


「まあ、それと同じだな。名づけて『ポンポコノート』だ」


……すまん。俺には反応できない。


「例えば、メニューでは練習が16000mだったとするだろ?」


ながっ!そんなメニューあるの!? 試合は5000mまでしかないけど、そんなに走るの!?


「しかし、土砂降りの雨の場合はちゃんと練習できない。練習して風邪でもひいたら元も子もないからな」


「ふむふむ」


「練習メニューのプリントも渡したが、実際のところはそのとおりの練習にならない日も多い。イベント、天気、怪我などでメニューは変わってくるからな」


「ふむふむ」


「そんなとき、日々の練習メニューをきちんと書いておけば、後でどんな練習したかがわかるだろ? そうすれば後々の反省材料にも使える。月々、どの程度走ってきたかがわかり、練習量が少ないか多いかがよくわかる。また、今までどれだけ練習してきたかが目に見える形で表現されるからな。自信にもつながるだろう?」


「ふむふむ」


「……ヤス、本当にわかってるのか? さっきから『ふむふむ』しか聞いてないのだが」


「え? や、わかってるよ」


しまった、メニューを読んでて返事がめんどくって『ふむふむ』しか言ってなかった。


「ノートは大きい字で余白をたくさんとって書けよ? 1日1ページくらいで使え」


「え? それは紙もったいなくない?」


「紙の無駄遣いか? そんなのは気にするな。そういう必要な事なのに削るというのはよくないぞ」


「そうなの?」


「確かヤスは字が汚いのだろ? きれいな字でまとめるのが上手い人は1ページにどれだけ書いてもうまくまとめられるが、下手な人は後で見直す気持ちになるためにも大きな字で余白だらけで書くのがいい。日付も入れろよ。きれいにまとめられるようになったと思ったら、後は自分の自由にしろ」


「あれ? 俺字が下手だって言ったっけ?」


「あ、私がポンポコさんに言いました」


「アオちゃん! 俺の駄目なとこ教えないで!」


恥ずかしいじゃん!

……ま、まあいいや。


「そういやパソコンとかじゃ駄目なの? 例えばブログなら紙を使わなくても……」


「……ヤス、ペーパーレスと世間で言われているが、何でもかんでも電子化にすればいいと思っているのか? そういう考えの人がいるとしたら馬鹿だな」


言い切ってしまった……。


「まあ、この場合はパソコンでもいいかもしれん。ブログなどに『今日の練習』と書いて載せている人もいるが、ヤスの場合は紙のほうがいいと思うぞ」


「なんで?」


「理由は3つある。1つ目として、パソコンは画面を見てるだけだ。それで記憶に残るという人ならそれでも構わないが、きちんと手で書いたほうが、何をしたかが頭に残りやすい、他にもブログで書いた場合、見直しづらいというのがあるな、ブログというのは意外と過去の検索はしづらいぞ」


「ふむふむ」


「2つ目として、その手軽さだ。ノートパソコンは携帯できるといっても、どこへでも持っていけるというわけではない。紙のノートなら『軽い』、『壊れない』、『金が安い』の3Kだぞ」


「3Kって……それを言うなら『きつい』、『きたない』、『危険』だぞ!?」


「そうなのか? 3Kと言えば、『高身長』、『高学歴』、『高収入』じゃなかったか?」


なんだそれは? 初めて聞いたぞ?


「いえいえ、3Kと言えば『顔』『金』『車』ですよ!」


……アオちゃんの、あまりにも直接的だな。


「3つ目として、これが一番重要だが……」


なんだろ?


「私が紙が好きだからだ」


最後は好みの問題なのね……。


「ルーズリーフじゃ駄目?」


「別に構わないが、なくしても知らんぞ」


……なるほど。

横着な人は閉じるの後回しにして、無くすわけね。


「ノートの書き方としては、私の好みは3分割だな」


「どう3分割?」


「上と下に割って、上をさらに右と左に分ける。下はただのメモ書き。上の左に練習メニューとタイム。右側に反省」


「ふむ」


「下のメモがいらないと思ったら、2分割にしたり、4分割にして、2日分を1ページに書いてもいいが、好き好きだ。最初は人まねで適当に書いてみて、最終的には自分の好きなように書けばいい」


「わかった、ありがと」


「後は、自分でも陸上の勉強をしてみることだな、『陸マガ』を読んでみるとか、専門書を読んでみるとかしてみるといいぞ」


いろいろ教えてもらえて本当に助かる……しかし。


「2つほど聞いてもいいか?」


「なんだ?」


「1つ目はメニューの一番上の『3M』『3H』って何?」


「ああ、私たち兄弟で、練習に取り組むときの姿勢と気持ちを考えてみた」


「ふむふむ」


「『3M』は『まじめに』、『めげずに』、『マナーは大事に』だ。『3H』は『速く』『走る』『主役ヒーロー』……なかなかいいだろう!」


お、ちょっと得意げだな、ポンポコさん。確かに上手くまとめた感じな気がする。


「え? ポンポコさん、何言ってるんですか? 『3M』と言ったら『まじ』『もう』『無理』ですし、『3H』と言ったら『はげ』『へんたい』『はら』ですよ!」








……………………。






この空気、どうにかならんかなあ……。

おはようございます。

めっちゃ2日酔いなんですが……。今日の仕事どうしましょう?


ペーパーレス。紙を使わず、全部電子化してしまおうというものですが……

まあ、確かに分厚い紙束を渡されるのはありえないですが、紙を使うの大事だと思います。

私が紙好きだってのもありますが^^


ところで、皆さんは『3K』、『3M』、『3H』と聞いたら何を思いますか?

面白いのあったら教えていただけたらと思います。


それでは今後ともよろしくお願いします。

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
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