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114話:サツキの中総体県大会決勝、明日へ

サキちゃんとミキミキはかなり落ち着いたっぽい。


すでにゲームカウントは0−3、このゲームもゼロ・ツーと敗色濃厚なところまで来てしまっているが、まだこっから巻き返しだってできる!


あきらめたら、そこで試合終了だ!


「ファイトだ! サキちゃん! ミキミキ!」


『はいっ!』


応援の声も聞こえるようになったみたい。

さっきからほんと無反応だったし。


「ここからが勝負! ふんっ!」


レシーバーはオカエリさん。


「もう遅いっす!」


なかなか厳しいコースに返すオカエリさん。

コートの奥深くに返す。


「まだ勝てるもん!」


お……とうとう言葉のキャッチボール開始?

そういうノリでやったほうがサキちゃんもミキミキも実力が発揮できるっぽいからな。

いい傾向だ。


「手遅れっす!」


今度は弾道の低いとりにくそうな球を返すオカエリさん。

と、ここへサキちゃんが割り込んできた。


「ヤス先輩の評判ほどじゃない!」


そう叫びつつ、スマッシュを決めるサキちゃん。

……サキちゃん、ひどいっすよ……それ。

俺の評判ってどんだけ手遅れなの?


『ナイス!』


……みんなで拍手してるけど、なんか拍手する気が起きない……。


「ヤス! いいプレイをしたら褒めるんだろお! ヤスがやらないでどうするんだあ!」


「ええと……」


ユッチ、あれを褒めろと?


「大丈夫だよ、ヤス兄。ヤス兄の本質をわかってくれる人はいつかきっと見つかるよ」


サツキ、微妙すぎる慰めをどうもありがとう。








「ワン・ツー」


ま、俺の評判なんざ置いといて、今はサキちゃん、ミキミキだ。

さあ、調子が出てきたぞ。

負けんな!


「オレ様の調子が悪かったからって、図にのるなよ! ふんっ!」


……なんだそれ。ミキミキ、キャラ変わりすぎだろ。

ミキミキがサーブを打つ。

今度はオカシイコさんのレシーブだ。


「ワンポイントごときで調子にのるなよ!」


ポン、とコートの後ろ気味で構えているミキミキを見て、コートの浅いところに打つオカシイコさん、……やらしい。

というか、どこの悪役だ、オカシイコさん。


「たっぷりと礼をさせてもらうぜ!!」


……まだ言うかミキミキ、礼ってなんやねん。

全力で前に走って追いつく。

その間にサキちゃんは後衛に下がる。


「だまれ! ミキミキ!」


オカシイコさんもミキミキって言うのか。

前を狙った後、後ろを狙うオカシイコさん。

前に後ろにと振ると、確かにミスをしやすいからな。


「おしゃべりが過ぎるぜ! 行くぞ!」


サキちゃんが返す。

確かにしゃべってばっかだけどな。お前ら。


「やってくれたっすね!」


オカシイコさんがジャンプしてボールを打ち落とす。

やべ! この球はとれるか?


「なめるな、オカエリ!」


とった、腕をぐんと伸ばしてとったぞ。

ナイスだサキちゃん!


「ぐあっす!」


オカエリさんが返そうとしたけど、さっきので決めたと思って気が抜けたのか、フォームを立て直してなかった。

無理矢理返そうとしたけど、ラケットのフレームに当たって変な方向にボールが飛んでった。

ってか……みんなノリノリだな。

あくびだけでそこまで変わるか? というかお前らどんだけガチガチにプレイしてたんだよ。


「この私がやられるとはっす……」


や、まだ1ポイントとられただけだから。

お前ら有利なんだからその言い方はいやみだ。


「オカ姉妹! おぼえとけ! お前らを倒すのは、このサキミキだ!!」


サキちゃん、そのセリフはやられキャラが言うセリフだ!


『私たちを本気で怒らせるとは命知らずな!』


……オカ姉妹、それもやられキャラだ。

ってか、お前ら試合中にパロってんじゃない!


「ツ、ツーオール」


頑張れ! 審判!

















なんとか粘ってるサキちゃんとミキミキ。

まあ、今は3−0で負けてるけど、本来の実力差はまったくないんだ。デュースが続いて均衡状態になってもおかしくない。

だけど、さっきからアドバンテージレシーバーになってばかり。

あと1ポイントで相手の勝利が決まってしまうという状態だ。


今もアドバンテージレシーバー、どうにか粘れ……。


ミキミキのサーブも何回目だろ。結構続いてる。このゲーム。


「やっぱりオカ姉妹とのゲームはこうじゃないとね! ふんっ!」


確かに。さっきからミキミキ、伸び伸びと試合をしてる。

勝ち負けを意識しすぎるよりかは、試合そのものを楽しまないとな。


レシーブはオカエリさんだ。


「ようやく面白くなってきたっすね!」


無難に返すオカエリさん。

オカ姉妹も同様のようだ、ほんとに楽しそう。


「まだまだこっからだよ!」


サーブ&ダッシュ、前に出てきて、ボレーを打つミキミキ。


「きついコースを……っす!」


かなりコートの奥深くを狙ったが、決まらずボールはふわっとしたロブになってこっちのコートへ。

いけっ! サキちゃん!


「これは決める!」


狙いをつけようとしたけど、オカシイコさんが走りこんでサキちゃんが狙ってたコースに上手に入り込んだ。


「ちっ!」


サキちゃん、無理矢理コースを変えた。

オカシイコさんもオカエリさんも届かないコースだ。

でも、インかアウトかきわどい……どうなんだ?


「アウト!」


無常な審判の声が飛ぶ……。


「ゲーム、ゲームカウント4−0、ウィナー、オカ&オカ」


負けた……か。

やっぱり緊張が解けるのが4ゲーム目で、しかも2ポイントとられた後だったって言うのがきつかったな。

俺たちももうちょい早くサキちゃんとミキミキに何か声をかけてあげられたらなあ。

















「ごめん、負けちゃった……サツキちゃんとクロちゃんにつなげらんなかった」


……サキちゃんとミキミキがうつむいてる。

俺とユッチはなんだかんだ言っても部外者だからな。

こういうときはあんまり口を突っ込まないほうがいいよな。


「サキちゃん、まだつながってるから。東海大会があるじゃん!」


……あ、そか。

東海大会は4位までいけるんだもんな。


「そこであの中学に勝てばいいよ! 何べん負けたって最後に笑えばそれで勝ちなんだよ! だから落ち込む必要はなし! 笑っとこ!」


ま、まあそりゃそうだな。

すごい理論だな、サツキ。


…………悔しい癖して。まったくサツキは。


「さて、また明日から特訓だからね!」


確か、東海大会は8月8日だ。

……今年は静岡で開催してくれて助かった。


三重とかでされたら応援行きたくても、遠くて大変だからな。


明日から頑張れ!

こんにちは、ルーバランです。


ようやくサツキの中総体県大会編、終了です。


……今までで一番長いです、今までは一応インターハイ地区予選が最長だったので、陸上小説とぎりぎりいえましたが(言えないという意見が大多数かと思いますが)


……さて、次回どうしましょう?



ずっと前に作成したスケジュール表見たら、


7月19日 バイト初日

7月26日 タイムトライアル

7月29日 サツキの中総体県大会

8月8日  サツキの中総体東海大会

8月○○日 ……。



……おい、過去の自分。またテニスかよ。

何か考えます。


それでは今後ともよろしくお願いします。

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カカの天下
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