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113話:サツキの中総体県大会決勝、あくび

話したこともないのにオカ姉妹にはめっちゃ警戒され、ユッチには翻弄され、踏んだり蹴ったりだ。

ちくしょー。














……………………よし、気持ちを切り替えたぞ。


今、試合はオカシイコさんがスマッシュを決めて第1ゲームをキープした。

これで1−0、オカ姉妹が1歩リードだ。


「ナイスッス、シイコ姉!」


「ありがと! エリ! この調子でバンバン行くよ!」


「ういっす!」


オカ姉妹、ノリノリだな。

それに対して、サキちゃんとミキミキの2人はめちゃくちゃ動きが悪い。

さっきのユッチの突然の叫び声にもほとんど無反応だったし……。


「なあサツキ。サキちゃんたち、何かあったんか? 地区大会の決勝とか、勝負を決める試合でも伸び伸びとプレイしてたのに、全然動けてないぞ? ばてたのか?」


「そんな訳ないじゃん! あの2人、今日まで2週間だけど、ばてないように毎日走りこんでたんだよ! さっきの準決勝見てても、ばてた感じ全然なかったもん」


俺、準決勝見れなかったからわからん。


「じゃあ、何であんなに動き悪いんだろ?」


「多分……」


なんだ? サツキ。


「前回、オカ姉妹にぎりぎりだけど負けちゃったでしょ? だから、今度こそ絶対勝ってやろうって意気込みすぎてるんじゃないかな?」


「気負いすぎて動きがかたくなってるって事か……」


たしかに、どんなスポーツでも絶対決めてやるって思えば思うほど、ガチガチになっちゃうもんだもんな。


「ヤス兄、空気を和ませらんない?」


「どやって?」


「ヤス兄にまかせた」


……………………無理。そういうのはケンの得意分野。俺は地味に過ごすのが目標な人間だぞ。





















「……まずいな」


現在、3−0だ。

さっきからストレートで点を取られ続けてる。

しかもほとんどのポイントはサキちゃんかミキミキのイージーミスによるポイントだ。

ぎりぎりの低い球を狙おうとしてネットにかけてしまったり、コースを狙おうとして結局アウトになってしまったり……。らしくない。

サキちゃんとミキミキのプレイはとにかく動き回って相手からのボールをとって、相手のミスを待つプレイだ。

あせればあせるほどミスが増えるという、悪循環にはまってる。


「とにかく肩の力が入りすぎてるな」


どうにかして肩の力を抜かせないと……。


「ヤスはどんなことして肩の力抜くのさ?」


ユッチが聞いてきた。


「そうだな、やっぱり深呼吸? んで周りを見回して、サツキとかケンの顔を見るとかかなあ」


家族とか友達とかの顔をみるとなんとなく落ち着いたりするよな。

特にサツキとケンなんか、どんなに俺があせってても基本にゃははと笑ってるもんだからあせってる自分がばかばかしくなってくるし。


「……ふーん」


「なんだそのつまらなそうな反応は、『なるほど、わかったあ!!』とか驚いて見せろよ」


「ボクはそんな反応したことない!!」


や、ついさっきしてたじゃん。


「だってヤスにしちゃ普通すぎるんだあ!」


「普通の何が悪い! 大体俺ほど普通のやつがどこにいる!」


「自分で普通って言う人ほど普通じゃないやい!」


……うわ、むかつく。


「そうなのか? じゃあ『私は変人です』って言ってる人のほうが普通なのか?」


「屁理屈こねるなあ!!」


屁理屈だったか……。ま、まあいいや。


「そういうユッチは?」


「え、ボク? ボクは試合前は『あくび』する」


は? 『あくび』?


「……今、ヤスは『あくび』を馬鹿にしたなあ?」


や、そりゃだって『あくび』って退屈なときとか眠たいときとかにでるもんだろ?

まじめな試合前に『あくび』って……ふざけてる感じするじゃん?


「『あくび』を馬鹿にすんなあ!」


「馬鹿にはしてないけど……」


「『あくび』すると緊張してたのが取れるんだぞ!」


「……なんでやねん」


「知らない、でもなんとなく取れるんだぞ!」


そんなむちゃくちゃ言うな! 

でも、それがほんとならきっとすごく効果的だ。


「けど、試合中のサキちゃんとミキミキに『あくび』しろって叫ぶのか!?」


「ヤス兄が叫んでね」


いやだ、そんなこっぱずかしい事できるか!

……俺たちは怒鳴りあっているように見えるけど、実際のところは小さな声で言い合ってるだけだぞ。


「ゼロ・ツー」


今、ミキミキがダブルフォールトをしてしまい相手のポイントになった。

やばい! このままじゃ本当になにもできんまんま試合が終わってしまう!


「しかたない! サツキ、クロちゃん、ユッチ、キリ、マイマイ。みんなでサキちゃんとミキミキに『ふわああああ!』って叫ぶぞ」


6人でやれば恥ずかしさも6分の1だからな。


「ヤス兄、何で擬音?」


「わかりやすいだろ!」


「うーん、そっかな……ま、わかったよ! ヤス兄!」


「みんなもいいよな」


『ラジャ!!』


よし、いい返事だ。


「いくぞ! いっせーのーで!」


「ふわあああああーーー!!!!」



















…………あれ? 何で俺一人の声しかしないの?

てかユッチはクロちゃんに口ふさがれてるし。


「みんな! 何で言わないんだ!?」


『恥ずかしいですし……』


ええ!? みんな『ラジャ』って言ったじゃん!


「クロちゃん! なんでユッチの口ふさいでんの!?」


「ユッチ先輩、叫びそうでしたもん」


そりゃ俺、叫べって言ったじゃん!


「やっぱりあのヤスって人は要注意人物っすよ。いきなり変なこと叫んだっす」


「そうだよね、男1人だけここに覗きに来てるってのも怖いよね」


……くそう、オカ姉妹め、言いたい放題言って……くじけそう。








サキちゃんとミキミキもあんまりにもびっくりしたみたいでこっちを見て反応してくれた。

そんときにサツキがいろいろ説明して、『あくび』を試してた。

かなり緊張は取れたみたいだから結果オーライなんだけど……また恥ずかしいネタが増えたなあ。

こんばんは、ルーバランです。


すみません、投稿が遅くなりました。


朝に2000文字くらい書いたところで、

「予期せぬエラーが発生したので……終了します」

と出て、強制的に閉じられ、保存もできないまま、修復もしてくれず……(T_T)


というわけで気分転換のため別の書いてたりしました。


ちなみに『あくび』。

『あくび』は緊張解くのには本当にいいらしいです。


ほかにもストレスがたまりまくっている人はあくびがよく出るそうです。あくびによってストレスを緩和させるとか。

なので『あくび』をしている人を見て「お前はやる気がない!」と怒るのはやめたほうがいいかもしれません。


では。

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カカの天下
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