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110話:サツキの中総体県大会、お昼休み

2回戦、3回戦はそんなに強くなかった。

2回戦はサツキ&クロちゃんが4−0、キリ&マイマイが4−2で勝った。

3回戦はサツキ&クロちゃんが4−1、サキちゃん&ミキミキが4−0で勝った。


サキちゃんとミキミキの成長っぷりがすごい。

この2週間、何をしてたんだろう。


1回戦で対戦した浜松1位のチーム、イダちゃん、テンマちゃんの学校はやっぱり強かったんだな。

フクシマ&カミムラ、オカ姉妹の中学も順調に勝ち進んでいる。


残すところは午後の部、準決勝と決勝だけだ。

残りの試合の組み合わせはこんな感じだな。


オ   

カ   

姉   

妹   静

の   岡

中   1

学   位

└─┬─┘

  決勝

┌─┴─┐

サ   富   

ツ   士   

キ   1   

の   位   

    

さてさて、時刻は12時45分、今はお昼休み。

勝ち残っている学校はもちろん、負けてしまった学校も観戦のために残ってて、いろんなところで弁当食べてる。


「ヤス兄、今日も弁当作ってくれたの?」


「もちろん!」


サツキのために作らないわけがない。


「さすが……ありがと、ヤス兄」


「どもども、どういたしまして」


というわけで、みんなで適当にベンチを探して座る。








さて、今日の弁当はと……。


「どだ! 今日の作品名は『おにぎり山!』 腐らないようにご飯を炊くときに梅干を入れてみたぞ! 味はシソ、梅、サケ、オカカ!」


びっくりして声もでまい。

ついでに保冷剤入れてるし、これなら腐らないよな?


「……量多くない?」


「地区大会のときコンビニ弁当だったクロちゃんとサキちゃんの分も入れて計4人分作ってみた、時々ならコンビニ弁当もいいけど、毎回は味気ないし」


おかずがないし、シソ、梅、サケ、オカカを1個ずつ1人4個計算で計16個。

なかなか大変だった。


「あ、でも今日は私、お母さんがお弁当作ってくれましたよ?」


「私もお父さんが……」


「へ?」









…………。








「サツキ、サキちゃんとクロちゃんのも食え!」


「無理だよ! 3人分も食べれるわけないでしょ!? この後の試合どうするの!?」


「……気合?」


「食べすぎでおなか痛くなって動けないのがオチだよ! 私の分は食べるから」


うーん、まあそりゃそうなんだけど……。

この大量のおにぎりをどうしよう?


俺が全部食べるのか?


ちょっと悩む……。


「サツキちゃん! お待たせ!」


「あ、ユッチ先輩! こんにちは!」


「こんちは!」


お、ユッチ到着か。


「ごめんごめん、遅くなって。まだ勝ってる?」


「はい、何とかですけど」


「またまたあ、謙遜しない!」


おい、ユッチ、俺は無視?

まだケンカのこと、怒ってんのかなあ。今日だけは仲良くしてくれるって言ってたのに。


「それにしても、おなかすいたあ……」


「ユッチ先輩、どうかしたんですか?」


「部活の後、あわててこっち来たら、どこにも寄る暇なくてさあ、今からコンビニ行ってくる!」


お、それは好都合だな。


「ユッチ、こんちは」


「あ、ヤス、こんちは!」


あ、よかった。いつもと同じ反応。

ふう、約束守ってくれるみたい。


「どうかしたんですか? ユッチ先輩?」


「ん? なにが?」


「あれ? や、なんでもないです」


どうかしたか? サツキ。


「ユッチ先輩、それじゃ、ヤス兄が作ってくれた弁当食べません? ヤス兄、作りすぎちゃって」


「いいけど……というか……このおにぎりの山は何?」


だから作品名『おにぎり山』……まんまだな。


「4人分らしいです」


「2人なのに?」


「4人分です」


「……ヤス、馬鹿?」


そこまではっきり言われるとなんかへこむ。


「いや、ユッチ、これにはいろいろ思惑があってだな」


「どんな?」


あ、えーと……。


「たくさん食べて、ユッチの背をおっきくしよう?」


「うるさいうるさい! ボクの背が小さいからって、馬鹿にすんなあ!」


じゃ、えーと……。


「たくさん食べて、頭がよくなろう? 最下位おめでとう」


「な、なんでボクの成績知ってるのさあ!?」


「……さて、どうしてでしょう?」


にやっと笑ってみる。


「ヤスが言っても、気持ち悪いわあ!」


……ユッチ、むかつくぞ。


「ま、それはおいといて食べてくれ。ちゃんとユッチが何も食べずに来ることを見越してこれだけ作っておいたんだから」


「あ、そうだったんだ?」


違うけど、そういうことにしといたほうが平和だ。


「そうそう、俺のこの気配りに感謝するように」


「ヤス兄、何をえらそうに……ユッチ先輩の分なんて考えてなかったくせに」


「サツキ、言うな!」


ああもう! なんかユッチ怒ってるじゃん!?


「ヤスは別にボクの分とか考えてたわけじゃないんだよね?」


「あ、や、まあ。だってほら、ユッチが弁当持ってくるかもしれんじゃん? そういう時無駄になるじゃん?」


「なら、わざわざウソつくなあ! この馬鹿ヤス!」


ぼかり、と殴られた。

痛い……。












結局、俺が2人分食べる羽目になった。

残したら、いくら防腐頑張っても腐るし。


『ごちそうさまでした!』


苦しい……2人分はきついっす。


おはようございます。


ヤス君の


「さて、どうしてでしょう?」


どの場面かわかる人はかなりのジブリファン?


女子テニスの応援が女子ばっかで男子がいるのはきつい言うのは、私の友達が彼女の応援に行くとき、毎回そういう目に遭ってたので、それを基にしてます。


その友達、寒がりなんで秋冬の時はでっかなコート羽織って、口を隠すようなマフラーして応援に行ってたので……そんな男が女子ばかりのコートに立っているのを想像すると……。


今後ともよろしくお願いします。

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