105話:サツキの中総体県大会、開始
さあ、県大会当日だ。
サツキ、緊張して眠れんかとも思ったけど、スーピー寝てた。
俺が起こさなかったら確実に寝坊してたんだが……。
その図太さは羨ましいぞ、サツキ。
静岡の県大会団体戦は計32校の出場だ。
サツキの中学の地区からは2校しか出場できんけど、浜松市からは6校、静岡市からは4校出場してる。
ってか、明らかに不平等だろ!
いくら学校数が違うからってその校数の差は何だ!?
……ま、言ってもしゃあないな。
サツキ達はもうちょい後からの試合なので、ちょっと観戦してた。
今見ているのはうちの地区の優勝校だ。
……やはり、カミムラ&フクシマペア、オカシイコ&オカエリペアは強い。
もうひとつのスズキ&タナカペアもぎりぎりで勝ってた。
……あの調子なら決勝まで行きそうだ。
前回の個人戦ではあの学校に惜敗させられたからな。
今度こそサツキ達には決勝で勝ってほしい。
サツキ達の1回戦は浜松の中学の1位とだ。
さすがに1位だから、今まで見て来た浜松の中学とはきっとレベルが違うだろ。
いきなりの強豪だな……。大丈夫か?
「ヤス兄、ま、見ててよ。フクシマ&カミムラペアに雪辱を果たすまでは負けらんないもんね」
「そだな。頑張れ!」
ある程度練習して、ラリーをして試合開始だ。
「7ゲームマッチ、ダブルス1。サツキ&クロダ vs イダ&テンマ」
井田さんと天満さんか……ふむ、韋駄天か? めっちゃ足速そうな名字だな。
まずはイダさんからのサービスだ。
「だっ!」
ん? 叫び声の割にはたいしたことないサーブだな。スピードも大して速くないし、コースもうちごろだ。……これが1位って……浜松市は弱いのか?
「せいっ!」
よしっ、ナイスだサツキ。前衛のテンマさんの合間を縫って、決めてやったぞ。
あのコースなら間に合わんだろ。
……え? イダさん。足はやっ!! それが追いつくとかありえんぞ!
「だっ!」
ギリギリだけど、追いついて返した。
だが、返しただけだ、うちごろだ。 いてまえ! クロちゃん!
「でやっ!」
スマッシュが来るのを予想したのか、イダ・テンマともに後ろに下がる。
スコーンとコートの隅っこに打つ。 あれなら、テンマさんもとれんだろ。
スマッシュが決ま……らない!? ……ありえん、あのスマッシュにも追いつくのか、テンマさん。
「えいっ!」
また返し易い球を……今度は前衛にあがって来たサツキの前に飛ぶ。
「ほい」
サツキはスマッシュが決まらないと思ったのか、ドロップショットを放った。
2人とも後衛に下がってるんだから、今度こそとれんだろ。
……うわ、イダさんがつっこんで来た。
追いつくのか?
「だああああ!!!」
思いっきりラケットを滑り込ませて、ぽん、と打ち上げた。
やばい、2人そろって前衛に立ってる!?
ポン、ポン。
イダさんの打ったボールはサツキとクロちゃんの頭を超えてこっちのコートに落ちた。
「ワン・ゼロ」
……今のワンプレー見ただけだけど、こいつら、とにかく足が速い。さすが韋駄天。
1位なだけあるな。強敵だ。
ちなみに今どんなプレーだったかというとだな……。
□□□イ□□
□□□↓□□
□□□↓□□
□□テ↓□□
□□□↓□□
―――↓――
□□↓□□□
□□↓□ク□
□□↓□□□
□□●□□□
□サ□□□□
まずはイダさんのサーブ。
イダさんとテンマさんはサーブの時、真ん中よりに立ってた。
●□□イ□□
↑□□□□□
↑□□□□□
↑□テ□□□
□↑□□□□
―↑――――
□↑□□□□
□↑□□ク□
□↑□□□□
□↑□□□□
□サ□□□□
サツキはテさんの右側を狙って返した。
ここを抜けると後衛の人(今回はイダさん)は普通は追いつけないもんなんだが
□イ□□□□
□↓□□テ□
□↓□□□□
□□↓□□□
□□↓□□□
―――↓――
□□□●ク□
□□□□□□
□□□□□□
□□□□□□
□サ□□□□
敵はぎりぎり追いついて返した。
返したは返したんだけど、スマッシュが打てるチャンスボール。
スマッシュを打たれると思った前衛の敵さんは後衛に下がる。
で、クロちゃんが思いっきり打った。
□イ□□□□
□□□□テ●
□□□□□↑
□□□□↑□
□□□□↑□
――――↑―
□□□□ク□
□□□□□□
□□□□□□
□□□□□□
□サ□□□□
これで決まったかと思ったんだけど、後ろに下がってたテンマさんが返す。
□イ□□□□
□□□□テ□
□□□□↓□
□□□□↓□
□□□↓□□
――↓―――
□□●□ク□
□□□□□□
□サ□□□□
□□□□□□
□□□□□□
この球に対してサツキが思いっきり前進してドロップショットを放つ。
□イ□□□□
□□□□テ□
□□□□□□
□□□□□□
□□●□□□
――↑―――
□サ↑□ク□
□□□□□□
□□□□□□
□□□□□□
□□□□□□
これは追いつけんだろ、と一瞬サツキとクロちゃんの動きが止まったんだけど、
イダさんが猛ダッシュで突っ込み
□□□□□□
□□□□テ□
□□□□□□
□イ□□□□
□□↓□□□
――↓―――
□サ↓□ク□
□□↓□□□
□□↓□□□
□□↓□□□
□□●□□□
ポコンとサツキとクロちゃんの頭上を越えて、相手のポイントだ。
相手チーム、打球はたいしたことないけど、とにかく足が速い。
これは追いつけないだろ。というところに打っても追いついて返してしまう。さすが韋駄天。
……相手の応援もすごいな。
「ナイスだ! イダテン!」
『イダテンって言うな!!!』
あ、言われるの嫌いなんだ、韋駄天ってかっこいいのに。
俺も韋駄天といわれたい。
……強敵だな、負けるなよ。サツキ、クロちゃん。
おはようございます。
県大会、とうとう始まりました。
ちなみに大会中ってどうやってネタを作ればいいんでしょう?
どうしても試合中はコメディ要素が少なくなりそうな雰囲気です。
最近PCを変えたら、名前の1個目の誤変換が増えました。
サツキ→皐月。 ケン→県。 ヤス→安。
前のPC、かなり学習してたんだなあとついつい感心してしまいました。
でも、「ほうれんそう」を変換したとき、一番最初に出たのが、「ほうれん草」ではなく、「報連相」と出たときはちょっとへこみました。
どんだけビジネスライクなPCだよ……。
ちなみに「報連相」とは、「報告・連絡・相談」の略です。
間違ったまま仕事を進めて全部終わったあと上司へ報告したら、間違った時間が無駄になるから、上司へのちょくちょく報告することは必須。
連絡も報告と似た感じと思ってます。
わからんことあって、1人で3時間かけて解決するより、さっさと相談して30分で解決したほうがいいよね。って感じですかね。
新入社員になるとき、多分一度は聞くんじゃないかなと思います。
↓詳しくはここ参照。
http://www.digital-sense.co.jp/cc_new/sub/10_1.html
しかし……、こんなビジネスライクなPCはちょっと嫌。
それでは。